米国の日系部品メーカー:日米自動車メーカーからの受注拡大に備え、生産能力を拡充

曙ブレーキ、小糸製作所、FCC、東プレ、豊田自動織機、帝人、タチエス、アルパインなどの動向

2012/07/19

要 約

 米国の2011年自動車販売(乗用車、小型トラック)は1277.6万台で前年比10.5%増。2012年も好調を維持し、上半期(1~6月)の累計販売台数は前年同期比14.8%増の727.2万台。2012年通年で1400万台をうかがう勢いにある。

 そ れに伴い、米国での生産も回復し2011年は前年比10.4%増の837.5万台、2012年1-5月は累計で前年同期比26.3%増の435.1万台。 日本メーカーの米国生産をみると、2011年は日本/タイでの災害の影響があり、前年比9.9%減の238.8万台。2012年1-5月はその反動増で前年同期 比53.3%増の147.0万台へ急回復した。

 中期的には、さらなる市場の拡大を見込み、日本メーカー各社は、北米での積極的な生産能 力 の増強を図っており、2012年1-5月の、現地生産比率(=米国生産/米国販売)は66.0%まで高まっている。また、日本メーカー各社は米国からの完 成車輸出の増加も計画している。

 こうした動きに対応して、日系部品メーカーは、既存工場の生産能力増強を進めている。顧客ニーズに対応して新たな品目を生産開始するのは、曙ブレーキ小糸製作所東プレユニプレスパイオラックスなど。

 また、ミツバ、丸順などは米国子会社の統合でホンダ向け事業の効率化・強化を図っている。古河電工、丸一鋼管は新事業・新顧客開拓に備え、現地子会社を改編し、社名も変更した。

 帝人、アルパインエフテック河西工業タチエスティラドは、米国での研究開発体制を強化している。ファルテックは米メーカーとの提携によるグローバルな供給体制づくりを、タカタは企業買収により新事業へ進出を目指している。

米国の年次生産台数(乗用車/小型トラック)
参考:米国のメーカー・ブランド別月次生産実績

トヨタ・日産・ホンダの北米での生産増強計画

トヨタ  2011年11月にミシシッピー新工場(生産能力15万台)が生産開始。2013年初頭にカナダのウッドストック工場、同年後半に米インディアナ工場の生産能力を各々約5万台引き上げ、米国からの輸出を計画。パワートレインの現地生産能力増強も計画している。
日産  テネシー州とミシシッピー州の工場で3シフト制を取り、生産能力を2013年までに合計で10万台増強する。EV Leafの生産は2012年から開始。このほか、メキシコに当初17.5万台の小型車を生産する新工場を2013年末までに稼働させる。
ホンダ  2012年に日本から輸出するCR-V生産の一部をカナダの工場に移管し、アラバマ/インディアナ工場でも生産能力増強。2014年前半から、メキシコ新工場稼働(年産能力20万台)を計画。

 以下は、米国(カナダを含む)における日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2012年7月上旬までの約1年間)。

 
関連レポート:日系部品メーカー動向レポート
ASEAN (インドネシア、ベトナム、マレーシア他) 編 (2012年6月)、
中国(華東地区)編
(2012年6月)、 (東北/華北地区)編 (2012年5月)、
インド編 (2011年12月)、 メキシコ/ブラジル編 (2011年12月)、欧州編 (2011年11月)



米国生産拠点の構築・増強:豊田自動織機の構成部品の新工場、今仙電機、ニッパツの第二工場が稼働

愛三工業:燃料ポンプユニットの現地生産・生産能力拡充を計画

 愛三工業は、2012年度中に北米での供給効率の向上、受注拡大を図るため、現地生産体制・事業の拡充計画を決定する。米国拠点の増強か、メキシコなどへの新工場設置を検討中。米国外から供給をしている燃料ポンプモジュールの中核部品の現地生産を含め、2015年度までに能力増強を完了する予定。

愛知製鋼:鍛造部品の増産を2015年度から実施

 愛知製鋼は、Kentucky州のAichi Forge USA, Inc.工場の鍛造部品の生産量を2015年度に年間6万トン(2012年度見通し比1.5倍)に引き上げるために、生産ラインを増強する。これは、トヨタ自動車がエンジンや変速機など、日本から輸出していたユニット部品を現地生産にする計画を進めていることに対応したもの。

曙ブレーキ工業:Tennessee州の工場に軟窒化表面処理施設を導入

 曙ブレーキ工業の米国法人であるAkebono Brake Corporationは、ローターの錆に起因する振動(ジャダー)対策として、軟窒化表面処理(FNC)を施したローターの開発を完了し、ブレーキメーカーとして初の量産化を進める。Tennessee州のClarksville工場にFNC施設を導入し、2012年末より米国の顧客へ供給を開始する。ローターの防錆能力を従来の5倍に向上させ、初期品質と生産効率を上げて、利益率向上を図るというもの。

アドヴィックス:少量を効率生産する新ラインを2012年6月に稼働

 アドヴィックスは、ADVICS Manufacturing Indiana, L.L.C.の工場に少量生産(従来の4分の1、8分の1)でも採算の合う新ラインを稼働させる。主に生産するブレーキマスターシリンダーだけでなく、同ラインは汎用機で構成しているため、他のブレーキ用製品にも少ない投資で転用可能。多様化するニーズや需要変動に柔軟に対応し、事業を拡大させる計画。

今仙電機:Tennessee州の第2工場が稼働

 今仙電機製作所の米国子会社Imasen Bucyrus Technology Incは、Tennessee州の第2工場を2012年4月に稼働させた。これにより、主力製品のシートアジャスターを米国で4割増産する。同工場の売り上げは2013年3月期に5000万ドル(約40億円)を見込む。第1工場のOhio工場と合わせ、年間140億円前後に北米のアジャスター事業を拡大する計画。

FCC:クラッチの生産能力増強、摩擦材を米国で初めて生産

 FCCは、米国でのクラッチの生産能力を2012年の年間220万~230万台分から2013年末には340万~350万台分に増強する。このため80億円を投資する。また、米国でのクラッチ生産量の拡大や日本の工場での津波や液状化のリスクを避けるために、静岡県の竜洋工場の摩擦材生産を三重県鈴鹿市の工場と米国ノースカロライナ州のFCC(North Carolina) , LLC.に2012年3月から2014年10月の間に移管する。同社の海外での摩擦材生産は初めてとなる。

小糸製作所:2013年からLEDヘッドランプの生産開始、金型専用工場を既に開設

 小糸製作所の米国生産会社North American Lighting, Inc. (NAL)は、Alabama州にヘッドランプ専用の第2工場を建設し、2012年1月から生産開始した。NALは、同工場とIllinois州の2工場で2013年からLEDヘッドランプを生産開始し、日系メーカーほか米系メーカーにも納入する予定。また、樹脂成型金型の内製化によるコスト競争力向上や開発力強化を狙い、Indiana州に金型専用工場を建設、2012年3月に開設した。同金型工場への投資額は約10億円。Illinois州とAlabama州の工場に供給し、金型の内製率を2、3年後に10%強に引き上げる。

JSP:発泡ポリプロピレン事業強化のため、米工場買収

 JSPは2011年8月、北米でのビーズ法発泡ポリプロピレン(EPP)事業の強化策の一環として、Michigan州のMAVERICK社のビーズ成型工場の設備一式を買収。北米でのEPPの自動車用需要の増加に対応する。買収した工場の成型能力は年間1500トン。従業員も既存人員を継承し、2011年9月に生産開始した。

住友金属:クランクシャフト拠点の生産能力増強を検討

 住友金属工業は、Kentucky州のINTERNATIONAL CRANKSHAFT INC(ICI)のクランクシャフト生産能力を2012年の年産約270万本から2015年の300万本超への増強を検討する。これは、北米の自動車生産台数の増加による需要の拡大が見込まれるため。

大豊工業:2012年夏にオハイオ工場の生産能力増強、2013年に樹脂コーティング軸受の生産開始

 大豊工業は、2012年夏を目途に米国工場(Ohio州のTaiho Corporation of America)の軸受生産能力を月180万個から月300万個に拡大するため、ラインを2つ増やし5ラインとする。また、同工場とハンガリーの工場に樹脂コーティング軸受ラインを合わせて6本新設し、2013年から生産開始する。これは、価格競争の激化や円高を受け、樹脂コーティング軸受の海外生産比率を高めてコスト競争力を強化するもの。

椿本チエイン:2012年から14、15年にかけてエンジン用タイミングチェーンの生産能力増強

 椿本チエインは、米国での自動車エンジン用タイミングチェーンの受注量増加で専用工場のフル稼働状態が続いているため、2012年度中にTennessee州Portlandのコンベア用チェーン工場で、テンションやガイドなどの自動車用チェーンシステムの部品生産を開始する。また、2013年にはGM向け新規受注品の生産が始まるほか、メキシコでのマツダやホンダの生産開始、日産の増産などで2014、15年には生産能力が不足するため、米国の既存工場の活用に加え、メキシコへの進出も検討し、北米での供給体制を増強する。

ティラド:EGRクーラー増産のために設備投資

 ティラドは、米国子会社のT.RAD North America, Inc.(Kentucky州)の工場に約5億円を投資し、2012年内にステンレス用の真空ろう付け炉1基を追加購入する。2015年度を目途に、EGRクーラーの年産台数を2012年度(見通し)比60%増の40万台に増産する体制を整える。

TPR:米国でシリンダライナの第2生産拠点を設立

 TPRは2012年4月、米Federal-Mogul Powertrain, Inc.との合弁でシリンダライナを製造販売する新会社設立を発表。新会社はTPR Federal-Mogul Tennessee, Inc.で、資本金2,000万ドル(約16億円)、出資比率はTPRの米国子会社のTPR America Inc.が53.9%。総投資額は25億円の予定(土地、建物除く)。2013年5月に生産開始し、年産規模は1,200万本(2014年)の予定。米国におけるアルミブロックエンジンの生産拡大に伴う、需要増に対応するもの。

東プレ:150キロ級超ハイテン材の生産へ

 東プレは、米工場のTopre America Corporation(Alabama州)に65億円投資し、工場建屋増築、ホットスタンプ(熱間プレス)設備、大型トランスファープレスなどを増強する。その一環として、引っ張り強度が150キロ級の超ハイテン材生産設備を設置し、2012年9月に稼働させる予定。米国では2012年以降に施行される車両の衝突安全性の強化に対応し、車体の強度向上と軽量化へのニーズが高まっている。

東洋紡:エアバッグ事業強化のために米国進出

 東洋紡は2012年4月、エアバッグ用基布の販売会社TOYOBO INDUSTRIAL MATERIALS AMERICA INC.(Michigan州)を設立した。資本金900万ドル、総投資額は約10億円。生産は、東洋紡の品質管理のもとで、米国のPolyamide High Performance Inc.(PHPI社)が設立する会社が担う。2012年7月に試験生産を開始し、同年12月をめどに日系を中心とした現地部品メーカーに販売する予定。なお、東洋紡とPHPI社は、これまでエアバッグ用原糸の製造・供給で協力関係を築いてきた。

豊田自動織機:エアコン用可変容量型コンプレッサーの生産拡大と構成部品工場の新設

 豊田自動織機は2012年1月、米国の既存2工場でのカーエアコン用コンプレッサーの生産台数を2016年度までに2010年度比4割増の700万台に拡大すると発表。また、生産台数の9割弱を可変容量型コンプレッサーにするよう切り替える。このために、ピストンなどの可変容量型コンプレッサー構成部品を生産するToyota Industries Compressor Parts America, Co. (TICA)をGeorgia州に2012年2月に設立した。同社は、資本金1.5億ドル(約120億円)、投資額3.5億ドル(280億円)。稼働は2013年9月の予定。生産能力は600万台分で、コンプレッサーの組み立てを行う2工場に供給する。2013年以降は日本からの同構成部品の供給を停止する。

ニッパツ:シートの第2工場が稼働、自動車駆動用モーターコア工場は2013年に量産開始

 ニッパツが米国でのシートの第2工場として建設したNHK Seating of America, Inc.(NSA) 、Murfreesboro工場(Tennessee州)が、2012年1月に稼働した。これにより、NSA全体として2年後を目途に1.5倍の売り上げ増を目指す。また、Kentucky州に新設した自動車駆動用モーターコア工場は、量産試作段階にあり、2013年に量産を開始する予定。

日本ピストンリング:バルブシートの生産能力を倍増

 日本ピストンリングは、米国工場(NPR of America, Inc: Kentucky州)に「製造ラインを新設して、バルブシート(生産能力)を現状の月産200万個から400万個に倍増する」(高橋重夫社長インタビュー、2012.1.23報道より)。

パイオラックス:EV用電池部品を2012年後半に生産へ

 パイオラックスは、米国の生産拠点のPIOLAX CORPORATION PA(Georgia州)に総額7億~8億円を投資し、同社工場内に新たにリチウムイオン電池の部品(絶縁スペンサー、ユニットのカバーなど)を製造する体制を2012年後半までに整える。日産のテネシー州スマナ-工場でのEV「リーフ」用電池生産開始に対応するもの。生産が本格化する2013~15年に、年平均5億円程度の売り上げを見込んでいる。

ハイレックス:ミシガン州の工場でコントロールケーブルライン増強

 ハイレックス・コーポレーションは、2012年内に米国の生産子会社HI-LEX CONTROLS INC.(Michigan州)に約9億円を投じて、自動車用コントロールケーブルの生産ラインを増強する。GMのグローバル戦略車向け部品の受注拡大に対応するもの。

フォルシアニッパツ:日産とのビジネス拡大に向け、米国支社設立へ

 フォルシア・ニッパツは、米国で緊密に日産自動車の業務をサポートすべく、米国支社を新設する予定(2012年3月にフォルシア発表)。フォルシアの自動車用シート部門のパトリック・コーラー上級副社長は、「フォルシア・ニッパツの業務を通じ、ルノー・日産の市場拡大目標を受け、更なる成長が見込まれる」と語っている。

日立化成:可変バルブタイミング機構用部品の生産能力を1.5倍増に

 日立化成工業は2012年2月、粉末冶金製品を製造する米子会社Sintering Technologies, Inc.(STI; Indiana州) が、可変バルブタイミング機構用部品の生産能力を従来の1.5倍に増強し、本格稼働を開始したと発表した。同社は、同年4月より社名をHitachi Powdered Metals (USA), Inc.に変更している。

三菱重工:自動車用ターボチャージャー生産の工場建設へ

 三菱重工は、米国に工場を建設して自動車用ターボチャージャーの生産に乗り出す。2012年中に建設地や生産規模、投資額などの詳細を詰める。同社のターボチャージャーの世界全体での生産能力を、2016年度に現在の2.3倍の1000万台に引き上げる計画の一環。中国、タイでも能力増強を実施し、グローバルレベルでの、GMやVWなど欧米メーカーからの受注増に対応する。

ユニバンス:既存拠点を拡張してトランスファーの生産開始へ

 ユニバンスは、北米の生産拠点のUNIVANCE INC.(Kentucky州)で、2013年からFF系四輪駆動車用のトランスファーを生産する。日系メーカーが米国で生産するSUVに搭載されるものだが、複数メーカーからの受注も見込み、UNIVANCE INC.の工場の隣接地に新しい建屋を建設し、工場のスペースを2倍に拡張する。ユニバンスの2015年度に連結売上高に占める海外比率を、現在の5%から25%に引き上げる計画の一部となる。

ユニプレス:ハイテン材の供給体制拡充のため大型プレス機設置へ

 ユニプレスは、米国に9億円を投じて2500トントランスファー(TRF)プレスを設置し、2013年9月に稼働させる。これは主要取引先の日産自動車が世界全体で19車種のモデルチェンジ・新規車種投入を計画していることに対応した、ハイテン材の世界供給体制拡充の一環。

湯原製作所:自動車用シャフトの生産能力を30%増強

 湯原製作所は、米子会社 Yuhara Manufacturing USA, Inc.(Georgia州)の自動車用シャフトの生産能力を現状の月約52万本から約30%増強する。2012年7月までに約7000万円を投じ、切削加工機6台、自動検査機1台をそれぞれ導入する。これは日系部品メーカーからの新規受注に対応したもの。

横浜ゴム:新中期経営計画で北米にも工場新設を検討

 横浜ゴムは、2012年2月に中期経営計画「GD100フェーズⅢ(2012~14年)」を発表。海外での増産投資を積極化させ、中国やインド、北米、中南米での工場新設や、他国の既存工場での能力増を検討する。横浜ゴムは、海外生産比率を現在の38%から2014年末には45%に高める計画。

 

 



米国 事業体制の再編・効率化、現地会社の統廃合

曙ブレーキ:米8子会社を1社に統合、78億円増資

 曙ブレーキは、北米の連結子会社8社を経営効率の向上を図るために合併した。Akebono Corporation (North America) (Michigan州)を存続会社とし、他の7社を清算会社とした。2012年1月1日付で存続会社の商号をAkebono Brake Corporationに変更。また、同社を完全子会社化した上で、北米事業の基盤強化のために9979万ドル(約78億円)を増資した。北米事業の2012年度の黒字転換を目指す。

河西工業:米国統括会社設立計画を凍結中

 河西工業は、Tennessee州の内装材工場内に米国統括会社を設立する計画を凍結中。日産の中期計画に対応して、中国/インドなど新興国での生産体制構築を優先する。2011年5月の2010年度決算発表時に、米国内4工場とメキシコ工場のほか、カナダの営業拠点も統括する北米地域の本社機能を持たせる統括会社設立を表明していた。

古河電工:米部品子会社2社を合併、事業効率化、拡販を目指す

 古河電工は、2011年9月30日付けで自動車用電装部品の製造、販売のAmerican Furukawa, Inc.(AFI。Michigan州)と、自動車用ワイヤーハーネスの製造、販売のFurukawa Wiring Systems America Inc.(FWSA。Texas州)を合併すると発表した。存続会社はFWSA。両社の販売網を共通化し、米国やメキシコに進出している日系メーカーのみならず欧米系メーカーにも拡販するほか、物流費などのコスト削減にもつなげることを目指す。

丸一鋼管:米国法人の社名を変更し、新事業の展開に備える

 丸一鋼管は、米国現地法人Leavitt Tube Company, LLC(Illinois州)の社名を、Maruichi Leavitt Pipe & Tube, LLCに変更することを2012年4月に発表。社名変更の理由は、同社株の60%を丸一鋼管が2008年5月から取得していること、新たに自動車向け鋼管の製造を開始し、2012年末までにラインパイプを製造する計画を進めていること。

丸順:米出資会社を子会社化し、組織、営業戦略を見直し、開発機能も強化

 丸順は、車体プレス部品を製造するTOMASCO Indiana Corporation(Indiana州)への出資比率を10%から80%に引き上げ、子会社化する(2012年6月)。ホンダの現地法人American Honda Motor Co., Inc.から同社株を譲り受けた。新商号は、Indiana Marujun Corporation。これに伴い、同社の子会社のTOMASCO Indiana LLC.も、Indiana Marujun LLC.に商号変更する。丸順は、現地会社の組織体制や営業戦略を見直すとともに、開発機能も強化する。

ミツバ:ホンダ向け部品事業の米3社を経営統合

 ミツバは、2012年1月1日付けで、子会社のAMERICAN MITSUBA CORPORATION(AMC。Illinois州)に孫会社のCME LLC (CME)とCME AUTOMOTIVE LLC (CMEA) を経営統合した。北米事業のマネジメントを統合し、経営効率を高めることが目的。上記3社は、ミツバグループが全株式を保有し、ホンダ向け部品供給を手掛けている。なお、日産向け部品を製造するMITSUBA BARDSTOWN INC.( Kentucky州)の事業体制を見直す計画はない。

ユタカ技研:米子会社解散、生産体制の再編

 ユタカ技研は、2012年6月末をもって米連結子会社のSOUTH CAROLINA YUTAKA TECHNOLOGIES INC.( SCYT ; South Carolina州)を解散した。2008年の金融危機以降進めてきた、生産拠点再編の一環。SCYTの二輪車部品事業(ATV用部品)は終了し、四輪車の排気系部品事業はアラバマ州とオハイオ州の工場へ集約する。

 

 



米国 研究開発拠点の強化、提携、買収など

アルパイン:サンノゼに新たな研究拠点設置

 アルパインは、2011年10月、車載クラウド領域でのビジネス拡大と、車載機器でスマートフォンを介したサービスの進化を目指し、California州サンノゼに研究開発拠点を新設。アルパインは、北米の研究開発拠点としてAlpine Electronics Research of America(California州トーランス)を設置しており、先端技術企業が集まるシリコンバレーの中核に位置するサンノゼオフィスはその出先機関との位置づけ。当該地区に研究開発拠点を有する日系メーカーや欧州メーカーとの協業、先行提案を行うことが目的。

エフテック:北米で開発体制強化

 エフテックは、GMが2014年から生産するモデルのフロントサススペンション部品とリアサスペンション部品を車種単位で受注し、カナダ、メキシコ、中国、韓国での生産に供給する(従来は地域単位の受注だった)。これは、同社の軽量化提案が評価されたため。研究開発において同社は、日本、米国、フィリピン、中国の4つの拠点を24時間連携させる、グローバル4極開発体制の運用を開始している。今後、米国では研究開発要員を順次増員し、開発体制の強化を図る模様。

河西工業:ミシガン州の設計拠点で開発人員などを倍増

 河西工業は、2012年末までにMichigan州のコロンバス設計事務所で、開発者を中心に人員を約60人に倍増する。従来は日本で行っていた量産前の製品評価を、米国にも同様の評価設備を導入して行い、開発から量産までの期間を短縮する計画。

しげる工業: 米子会社での内装品部材の調達を日本からインドネシアに切り替え

 しげる工業は、米国生産子会社Heartland Automotive, LLC (Indiana州)でのドアトリムの発注先を全量、日本からインドネシアの現地企業に切り替えた。円高で収益が悪化していたが、人件費の安いインドネシアから調達することで、収益改善につなげる。(2012.2.9報道)

ショーワ:TRW 社と電動パワーステアリング技術に関する戦略的業務提携を検討

 ショーワは2012年3月30日、TRW 社との間で、電動パワーステアリング技術に関する戦略的業務提携の検討を開始したと発表。これには、資本提携の検討は含まれていないという。日本の顧客向けサービスに係わる提携の可能性について分析、検討を進める。

タカタ:BAE Systems社と同社の米・独子会社の買収で合意

 タカタは、2012年3月、BAE Systems 社との間で、同社傘下の子会社 BAE Systems Safety Products Inc.社(米Florida州ポンパノビーチ)、並びに Schroth Safety Products GmbH社(独アルンスベルク)を、総額約 3200万ドルで買収することに合意したと発表。買収した2社は、航空機、ヘリコプター、レーシングカー向けのシートベルトなどの製造販売を行っている。タカタはモータースポーツ分野の強化ならびに航空機分野へ本格参入を図り、乗用車以外の安全分野での事業拡大を目指す。

タチエス:グローバル開発体制の拡充、海外では北米、中国での開発人員増へ

 タチエスは、内外の研究開発機能を拡充する。日本では先行開発と最新技術の創出、米国(デトロイト)、中国(福州)ではそれぞれ試作・実験の機能を持つ。2010年度の開発人員は世界全体で400人、うち日本が300人。これを2015年度に800人に増員し、日本は500人程度、海外では北米地域と中国で増員する計画。海外拠点では、部品生産、精密加工に開発機能を加えて一貫生産体制を構築する。このほか、自動車メーカーの「グローバルモデルの入札に参加する際には、資本提携先の米ジョンソンコントロールズ(JCI)社と組むことを条件づけられることもある」(田口裕史社長)と、競争条件の変化について指摘している。

帝人:米国に炭素繊維複合材の自動車向けの用途開発センターを新設

 帝人は、2011年12月に設立したTeijin Advanced Composites America Inc.(Michigan州)内に、炭素繊維複合材料(CFRP)製コンポジット製品の自動車向けの実用化のために、構造材などの用途開発するTeijin Composites Application Center(帝人複合材料用途開発センター=TCAC)」を開設した。TCACは、2012年4月1日より開発活動を開始。2011年12月に帝人が締結したGMとの共同開発にも取り組む。

ティラド:熱交換器の開発拠点を設置し、事業拡大を目指す

 ティラドは、米生産拠点のT.RAD North America, Inc.(Kentucky州)で増築を行い、2012年中に研究開発拠点を設置する。エンジン用の冷却器や自動車・産業機械用熱交換器の性能試験設備を導入し、日本から新たにエンジニアを2名ほど送り込み、製品開発力を高める。数年かけて10人を超えるスタッフを確保し、欧州自動車メーカーや鉱山機械・大型農機メーカーなどの新規顧客の獲得も目指す。

ファルテック:米外装部品メーカーと業務提携で、グローバルな生産拡大等に対応

 ファルテックは、2011年11月、SRG Global Inc.(本社:米国ミシガン州)と自動車外装部品事業で業務提携を進めることに合意したと発表。主要取引先の海外拠点の近接地域を中心に、両社の生産拠点を活用したグローバルでの生産補完を行い、また営業・購買・製造等における協業について検討する。取引先からの現地生産要請に迅速に応えると同時に、海外進出に伴うリスクの最小化が狙い。

 

 



カナダ 部品生産で連携:豊田鉄工

豊田鉄工:テクノエイトとプレス部品生産で協力

 豊田鉄工は2013年に、カナダの子会社TOYOTETSU CANADA、INC.(TTCA。Ontario州)の工場で、2009年に子会社化したテクノエイトからの技術協力を受けて新規受注品(フードロック)の生産を開始する。同部品はテクノエイトの得意とする部品。今後、豊田鉄工の米国工場でもフードロックを生産する予定という。

資料:各社広報資料, 各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>