広州汽車集団:2015年に300万台の生産体制を構築

自主開発や新エネ車事業の推進に注力、市場シェア拡大に向け新規合弁事業に積極投資

2012/03/02

要 約

 広州汽車集団は2010年末、2015年までの5ヵ年計画として、グループ全体の生産能力を300万台、売上高を4,000億元に拡大し、国際競争力を備えたグローバル企業に成長すると表明した。

 同社は5ヵ年計画を達成するため、自主開発の強化、新エネルギー車の推進、人材育成、ブランド力構築の4項目に注力する。自主開発事業については、2010年末に広汽乗用車が自主ブランド乗用車「伝祺(Trumpchi)」を投入したほか、2011年にも広汽ホンダが外資系合弁メーカーとしては中国初となる自主ブランド「理念(Everus)」の第1弾モデル「S1」を発売した。

 新エネルギー車の事業化に向けた動きも始まっており、2015年までにグループ全体で省エネ・新エネ車の生産・販売台数を20万台前後に拡大する計画。合弁パートナーのホンダではすでに電気自動車(EV)の実証実験を開始しており、2012年にも広汽ホンダを通じて市場投入される見通し。

 広州汽車集団はまた、2009年から新規合弁事業の推進にも注力している。2011年末までにFiat、吉奥控股集団、三菱との合弁事業が進行しており、うち、Fiatと吉奥控股集団の合弁についてはすでに新会社が設立されている。三菱との合弁についても2012年9月に設立される見通しという。

>>>>> 関連レポート:
ホンダの海外事業 (2012年1月掲載)、Fiat/Chrysler グループの中国事業 (1)(2011年12月掲載)(2)(2012年1月掲載)



完成車メーカーの生産体制

 グループ目標である生産能力300万台の達成に向け、完成車メーカー各社で生産能力の拡張が計画されている。2011年は広汽吉奥の3工場が新たにグループ傘下に再編されたほか、広汽ホンダが2010年に開始した拡張工事を完了し、48万台の生産能力を形成した。2012年には新たに広汽Fiatと広汽三菱の生産能力が加わる予定。

広州汽車集団 メーカー各社の完成車生産能力

(単位:台)
社名 工場 2011年 計画 モデル
広州汽車集団乗用車
有限公司(広汽乗用車)
広州番禺工場 10万(第1期) 20万(第2期)→
40万(2015年)
伝祺(Trumpchi)
広汽長豊汽車股份
有限公司(広汽長豊)
湖南省永州工場 5万 5万
(広汽乗用車に再編)
猟豹(Liebao)ブランド、
帕傑羅(Pajero)
湖南省長沙工場 5万 25~30万
(広汽三菱に再編)
合計 10万 35万
広汽吉奥汽車有限公司
(広汽吉奥)
浙江省路橋工場 *30万 *50万(2015年) GS50、帥艦(Shuaijian)、
奥軒G3(Aoxuan G3)、
奥軒G5(Aoxuan G5)、
ミニバン、ピックアップ
浙江省蕭山工場
山東省東営工場
広汽豊田汽車有限公司
(広汽トヨタ)
広州南沙工場
第1ライン
20万 60万(2015年) 凱美瑞(Camry)、
凱美瑞混合動力(Camry Hybrid )、
雅力士(Yaris)、
広州南沙工場
第2ライン
16万 漢蘭達(Highlander)、逸致(E'z)
合計 36万 60万(2015年)
広汽本田汽車有限公司
(広汽ホンダ)
広州黄埔工場 24万 24万 雅閣(Accord)、鋒範(City)、
飛度(Fit)、理念S1(Everus S1)
広州増城工場 24万
(2011年10月
拡張完了)
48万 雅閣(Accord)、
歌詩図(Crosstour)、
奥德賽(Odyssey)
合計 48万 72万
本田汽車(中国)有限公司
(ホンダ中国)
広州輸出車工場 5万 5万 爵士(Jazz)
広汽菲亜特汽車
有限公司(広汽Fiat)
湖北省長沙工場 2009年11月
着工
14万(2012年7月稼動)→
30~33万(2014年)→
50万(2015年)
C-Mediumほか
広汽日野汽車有限公司
(広汽日野)
広州従化工場 *1.7万 *5万(大型トラック2万、
軽型トラック3万)
大型・軽型トラック
遼寧省瀋陽工場 *4,000台 中型バス
合計 *1.7万 *5.4万
広州汽車集団客車
有限公司(広汽客車)
広州現有工場 *3,000 *3,000 大・中・軽型バス
広州汽車集団 合計 141万 300万
(2015年計画)
資料:各社HP、各種報道より作成
(注) 1. 「*」印は商用車の生産能力または商用車を含む生産能力。
2. 当レポートでは、括弧で示した略称の企業名を使用する。
3. 「計画」欄に示した広州汽車集団の合計数300万台は、表中の各社合計ではなく、広州汽車集団が2010年末に発表した5ヵ年計画の目標による。
4. 広汽乗用車:広州汽車集団が全額出資する自主ブランド乗用車メーカー。番禺工場は2010年9月に稼動した。
5. 広汽長豊:湖南省のSUVメーカー。現在、広州汽車集団による吸収合併計画が進行している。
6. 広汽吉奥:2010年12月に設立された広州汽車集団と浙江吉奥控股集団有限公司による合弁メーカー。出資比率は広州汽車集団が51%、浙江吉奥投資が49%。
7. 広汽トヨタ:トヨタと折半出資する合弁メーカー。
8. 広汽ホンダ:ホンダと折半出資する合弁メーカー。
9. ホンダ中国:欧州向けに輸出される「爵士(Jazz)」の生産・販売会社。出資比率は広州汽車集団が25%、東風汽車集団股份有限公司が10%、ホンダが65%。
10. 広汽Fiat:Fiatと2010年3月に設立した折半出資の合弁メーカー。
11. 広汽日野:日野自動車と折半出資する合弁商用車メーカー。瀋陽工場の正式名称は「広汽日野(瀋陽)汽車有限公司」。
12. 広汽客車:広州汽車集団が直接・間接合わせて100%出資するバスメーカー。

 



中外合弁の現地化動向

 外資系合弁メーカーで現地化の動きが高まっている。トヨタがARエンジンを広州汽車集団との合弁エンジンメーカーに導入したほか、ホンダとの合弁である広汽ホンダが2008年に発表した自主ブランド「理念(Everus)」の第1弾モデルを発売した。

トヨタ、ARエンジンを現地生産化

 トヨタと広州汽車集団の合弁エンジンメーカーである広汽豊田発動機有限公司は、2011年10月、トヨタのARエンジン(新型直列4気筒エンジン)の現地生産を開始した。2.5L、2.7L、及び2.5Lハイブリッド用エンジンの3タイプを生産し、そのうち2.5Lエンジンについては、同年12月に発売された7代目「凱美瑞(Camry)」に搭載された。ARエンジンはトヨタの先端技術を集約した先進エンジンで、大排気量にも関わらず低燃費や高い最高出力、排出ガスのクリーン化、静粛性などを実現している。ARエンジン投入の背景には、燃費や排ガス規制の強化に適合するモデルの需要が堅調になるとの見通しがある。

資料:広州汽車集団リリース(2011.11.9)、トヨタ中国リリース(2011.11.9)、トヨタリリース(2011.11.9)
(注)広汽豊田発動機有限公司は年間50万基の生産能力を形成している。ARエンジンの投入以前は、AZエンジン(直列4気筒エンジン)のみ生産していた。

広汽ホンダ、自主ブランドセダン「理念S1」を発売

 広汽ホンダは2011年4月、外資系合弁メーカーでは初となる自主ブランド「理念(Everus)」の第1弾量産モデル「S1」を発売した。ホンダの小型車プラットフォームをベースとする中国市場向けのコンパクトセダンで、2007年に自主ブランド開発に向けて設立された研究開発子会社「広汽本田汽車研究開発有限公司」によって開発された。「S1」はホンダのパワートレインを搭載したほか、広汽ホンダの既存の調達網、生産ライン、販売網を共用して高品質を保証している。
 「理念S1」の発売により、広汽ホンダでは「ホンダ」と「理念」の2ブランド体制が確立され、単なるOEM生産拠点としてではなく、研究開発、製造、販売が一体となった完成車メーカーとしての経営体制が構築された。広汽ホンダは今後もホンダの先進技術や新モデルを導入していく一方、研究開発や部品調達、マーケティング、人材育成など「理念」ブランドの経営体制を強化し、将来的には国際競争力を備えた一流ブランドとして成長させる意向という。

資料:広汽ホンダリリース(2010.12.19、2011.4.17/4.19/5.19/11.21)、ホンダリリース(2011.4.18)、各種中国メディア

 



新エネルギー車戦略

 広州汽車集団は2011年4月、第14回上海モーターショーで、省エネルギー・新エネルギー車の5ヵ年戦略を発表した。同社は2015年までに自主ブランドにおける省エネ・新エネ車の中核技術を形成し、全面的な事業化を実現する計画。

 同社の合弁パートナーであるホンダは、2011年11月に広州市政府と提携し、電気自動車(EV)の実証実験を開始した。実験車両のEVは2012年にも広汽ホンダで少量生産が開始される予定。

広州汽車集団、省エネルギー・新エネルギー車戦略を発表

[戦略概要]

・2015年までに省エネルギー・新エネルギー車の生産・販売台数を20万台前後に拡大。
・自動車制御、モーターシステム、電池管理技術、電池システム、燃料電池の5大中核技術を形成。
・モーター、モーターコントローラ、電池の製造能力を整備。
・電気自動車(EV)の国家工程実験室を建設。

資料:広州汽車集団リリース(2011.4.19/11.21)
(注) 国家工程実験室は、国の委託により企業や研究所、大学などが開設する産業技術の研究開発機関。国家発展和改革委員会が主管する。

ホンダ、2012年に新エネルギー車を3車種投入

 ホンダは2011年11月、広州市で電気自動車(EV)の実証実験を開始した。米国、日本に続き3ヵ国目となる。実験車両「Fit EV」は「Fit」をベースとし、リチウムイオンバッテリーやホンダの燃料電池車「FCX Clarity」のギアボックス同軸モータなど最新技術を多数採用。充電時間は220V(中国家庭用電源)で6時間以下、最高時速は144km、航続距離は150km以上となっている。実験は広州市政府、広州汽車集団と共同で実施し、2012年内に広汽ホンダで現地生産を開始する。
 2012年にはさらに、ホンダのハイブリッドシステム「IMA(Integrated Motor Assist)」を搭載した「CR-Z」と「Fit Hybrid」を、広汽ホンダを通じて輸入販売する計画。「CR-Z」は1.5L i-VTECエンジンを搭載し、燃費は25km/L(10・15モード)。「Fit Hybrid」は1.3L i-VTECエンジンと低燃費運転支援システム「Eco Assist」を搭載し、燃費は30km/L(10・15モード)となっている。

資料:広州汽車集団リリース(2011.4.19)、広汽ホンダリリース(2011.4.19/11.8/11.21)、ホンダリリース(2011.4.19/11.8)

 



新規合弁事業の展開

 広州汽車集団は製品ラインナップの拡充に向け、新規合弁事業の立ち上げを加速している。2010年には広汽Fiatが設立され、湖南省長沙市に新工場が着工されたほか、浙江省の民営メーカー、吉奥控股集団との間で広汽吉奥が設立された。翌2011年には三菱自動車と合弁事業に関する覚書を締結しており、2012年9月末の設立に向けて現在準備が進められている。

 

吉奥控股集団との合弁事業

 広州汽車集団は2010年12月、浙江省の民営メーカー、吉奥控股集団と共同で広汽吉奥を設立した。吉奥控股集団は浙江省と山東省に計3ヵ所の生産拠点を有し、ピックアップ、SUV、微型車を生産していた。新合弁の広汽吉奥ではこの既存設備を利用し、ピックアップ、微型車市場の開拓に注力するとしている。

吉奥控股集団との合弁メーカー概要

社名 広汽吉奥汽車有限公司(GAC GONOW Co., Ltd.)
出資比率 広州汽車集団 51%、吉奥控股集団 49%
設立時期 2010年12月
目的 広州汽車集団:微型車・ピックアップ市場の開拓、華東地区・長江デルタにおける生産拠点の形成
生産拠点 浙江省路橋工場、浙江省蕭山工場、山東省東営工場
生産能力 2012年:30万台
2015年:50万台
生産モデル ピックアップ、SUV、微型車

資料:各種中国メディア

 

Fiat-Chryslerとの合弁事業

 広州汽車集団は2010年3月、前年7月に締結した合弁契約に基づき、Fiatと折半出資の合弁会社を設立した。同社は現在、湖南省長沙市に生産工場を建設しており、2012年7月をめどに第1弾モデルとなる「C-Medium」の生産を開始する。2012年以前は「Bravo」や「Fiat 500」など輸入モデルの投入に注力していたが、2012年以降は少なくとも毎年1車種以上の現地生産車を投入していく計画という。


 広州汽車集団は、Fiatとの提携により小型車や中級車等のラインナップ拡充を強化する計画。提携当初の報道によると、Fiatから技術支援を受け、自主ブランド車の市場競争力を向上するとの意向もあったもよう。両社の技術提携は2008年から始まっており、広州汽車集団は2010年末、2008年に購入した「Alfa Romeo 166」をベースとする独自の自主ブランド中高級車「伝祺(Trumpchi)」を投入している。一方、Fiatは広州汽車集団との提携を通じて、中国市場への再進出を図る意向。Fiatは2007年末、合弁パートナーの南京汽車集団が上海汽車集団の完全子会社に再編されたことを受け、1999年から続いた南京汽車集団との合弁事業(南京Fiat)を解消、中国市場から撤退していた。


 広汽Fiatの長沙工場には、サプライヤーパークも併設される。2011年11月時点ですでに9社が工場建設を開始しており、稼動後は65%の部品調達が可能になるという。

Fiatとの合弁メーカー概要

社名 広汽菲亜特汽車有限公司(GAC FIAT Automobiles Co., Ltd.)
出資比率 広州汽車集団 50%、Fiat Group Automobiles S.p.A. 50%
設立時期 2010年3月
目的 広州汽車集団:小型車、中級車などラインナップの拡充、自主ブランド車の技術支援獲得
Fiat:中国市場への再参入(2007年末に前パートナー、南京汽車集団との提携を解消)
生産拠点 長沙工場(湖南省長沙経済技術開発区)
生産能力 2012年:完成車14万台
2014年:完成車30~33万台
2015年:完成車50万台
*エンジンは22万基(第1期)→30万基(第2期)
生産モデル Fiat/Alfa Romeoを含む複数ブランドを投入。第1弾モデルはFiatの「Compact」プラットフォームをベースに開発された中国向けの新モデル「C-Medium」。長沙工場にはChryslerの「Jeep」ブランドが投入される可能性もあるという。

資料:各種中国メディア
(注) 製品ラインナップは小型車や中級車、中高級車、SUVなど主力セグメントをカバーする予定と報じられている。


 広州汽車集団はまた、Chryslerの主力ブランド「Jeep」の現地生産化にも参入する見通し。現在、Fiat-Chryslerとの間で提携交渉が進められており、合弁会社を設立して「Jeep」ブランドを生産する計画と報じられている。


 広州汽車集団は「Jeep」の導入によりSUV市場でのシェア拡大を目指す意向。三菱自との合弁でもSUVを主力モデルとする計画だが、「Jeep」ブランドの投入によって更なるラインナップ強化を図るとされる。

 

三菱自動車との合弁事業

 広州汽車集団は2010年11月、三菱自動車と新規合弁事業に関する覚書を締結した。同社は筆頭株主として29%を出資する湖南省のSUVメーカー、広汽長豊を株式交換により吸収合併し、広汽長豊の資産をもとに三菱自と折半出資の合弁メーカーを設立する計画。2012年1月末には同計画が中国証券監督管理委員会によって承認された。現地メディアによると、新合弁は2012年9月末にも設立される見通しという。


 広州汽車集団はここ数年で急激な成長を見せるSUV市場を開拓するため、広汽長豊が保有するSUVの既存設備を再編し、三菱自のSUVモデルを現地生産する計画。一方、三菱自は広州汽車集団との合弁事業を通じて中国市場でのシェア拡大を目指す意向。三菱自は現在、中国事業として広汽長豊に14.59%、東南汽車(福建省汽車工業集団、台湾中華汽車との合弁)に25%を出資している。しかし50%以下の部分的な出資に止まっていることが、合弁事業で主導権を確立する際の妨げになっているという。

三菱自との合弁メーカー概要

社名 広汽三菱(仮称)
出資比率 広州汽車集団 50%、三菱自動車 50%
設立時期 2012年9月末
目的 広州汽車集団:SUV市場の開拓
三菱自:新モデル投入や工場経営、販売戦略策定など中国事業における主導権の確立
生産拠点 広汽長豊の長沙工場(湖南省長沙星沙開発区)
生産能力 拡張工事により25万~30万台の生産能力を整備する。
生産モデル 「帕傑羅(Pajero)」など大部分は三菱自のSUVモデルとなる見通し(メディア予想)。

資料:各種中国メディア
(注) 三菱自の輸入販売を手掛ける三菱汽車銷售(中国)有限公司は、2012年2月、同社HPで輸入車の「帕傑羅(Pajero)」と「欧藍德EX勁界(Outlander EX)」を現地生産する計画はないと表明した。同社が販売する「ASX勁炫(RVR)」や「帕傑羅勁暢(Pajero Sport)」など他の輸入車についても、現在のところ現地生産化の計画は確定していないという。


 株式交換が完了したのち、広汽長豊は上海A株市場から上場廃止する。同社が保有する2工場のうち、長沙工場については三菱自との新合弁に再編される予定。もう一方の永州工場は広汽乗用車に再編され、広汽長豊のSUVブランド「猟豹(Liebao)」も、同社の自主ブランドとして導入される見通しと報じられている。

広汽長豊の資産再編計画(メディア予想)

生産拠点 再編前 再編後
管轄元 生産能力 生産モデル 管轄元 生産能力 生産モデル
長沙工場 広汽長豊 5万 「猟豹(Liebao)」ブランド、
「帕傑羅(Pajero)」
広汽三菱 25~30万 三菱ブランドSUV
永州工場 5万 広汽乗用車 5万 「猟豹(Liebao)」ブランド

資料:各種中国メディア
(注) 広汽長豊初の中級乗用車「猟豹欧酷曼(Aucman)」も、広汽乗用車のモデルとして2012年に市場投入される見通し。同モデルは2009年の上海モーターショーですでに発表されていたが、生産許可証の未取得や広汽集団による同社の再編計画のため発売が延期されていた。

 



乗用車の新モデル投入状況(2011年以降)

 

広汽乗用車

モデル名 発売時期 概要
伝祺(Trumpchi) 1.8L
2012年モデル
2011年9月 「伝祺(Trumpchi)」の1.8L仕様車。「伝祺」は、2010年12月に発売された広州汽車集団初の自主ブランド乗用車。B級車に位置づけられる。既存モデルは2.0Lエンジンのみ搭載していた。1.8L仕様の価格は10.98~17.98万元。
伝祺GS5
(Trumpchi GS5)
2012年4月 基本型乗用車(セダン・ハッチバック)のシャシーを採用した都市型中級SUV。モーターショーに数回出展されたコンセプトカー「X-power」の量産車で、2011年の広州モーターショーで世界初公開された。2012年3月初めにラインオフし、4月の北京モーターショー前に発売する予定。先ずは2.0L仕様の販売から始め、その後1.8Lターボエンジン仕様を投入する。
伝祺(Trumpchi)
A級車
2013年 「伝祺(Trumpchi)」のA級車。広汽乗用車が開発中の1.8Lターボエンジンを搭載予定。競合モデルは東風日産の「騏達(Tiida)」や一汽トヨタの「卡羅拉(Corolla)」など日系モデル。 2012年に発表し、2013年に市場投入すると見られる。
伝祺(Trumpchi)
C級車
2014年 「伝祺(Trumpchi)」のC級車。2014年に投入される見通し。
資料:広汽乗用車リリース(2011.4.19/8.29/11.21/11.22)、各種中国メディア
(注) 1. 「伝祺」シリーズのベースモデルは「Alfa Romeo 166」。広州汽車集団は2008年、Fiatから2007年に生産停止となった「Alfa Romeo 166」のプラットフォームを購入した。2010年12月に発売された第1弾モデル「伝祺」は、2011年にC-NCAP(中国新車評価規程)で最高評価の5つ星を獲得している。
2. 「伝祺」シリーズには、将来的に4WD HV仕様とEV仕様が追加投入される予定。4WD HV仕様にはスターターとオルタネータを統合したISG(Integrated Starter Generator)、永久磁石式同期モーターを搭載。EV仕様には世界最先端のインホイールモーターを搭載すると見られる。

広汽吉奥

モデル名 発売時期 概要
奥軒G5
(Aoxuan G5)
2011年4月 広汽吉奥が設立されて以来、初投入となる中高級SUV。山東省東営工場で生産される。2011年の上海モーターショーで2.4Lエンジン仕様が発売された後、同年11月に2.0L仕様も投入された。さらに2012年1月には、既存の2.4L仕様車に4WD MTと2WD ATタイプが新たに追加されている。
CDV 2012年末~
2013年初
現地メディアで報じられた広汽吉奥の新モデル。基本型乗用車(セダン・ハッチバック)のプラットフォームをベースに開発されたCDV(Car Derived Van)。2012年末~2013年初めに市場投入される見通し。

資料:各種中国メディア

広汽トヨタ

モデル名 発売時期 概要
輸入車
傑路馳(Zelas) 2011年3月 北米市場で展開している都市型2ドアスポーツクーペの2代目「SCION tC」。広汽トヨタが輸入販売を開始した。2タイプ用意し、価格はそれぞれ25.5万元と28万元。
現地生産車
逸致(E'z) 2011年6月 基本型乗用車(セダン・ハッチバック)の快適性能と燃費、MPVのゆったりとした車室空間と多目的性、SUVの躍動的な外観と安全性能を融合した中国初のFUV(Fashionable Utility Vehicle)。広汽トヨタで4車種目となる現地生産車で、中国人ユーザーのニーズに基づいて開発された中国専用モデル。1.6L、1.8Lまたは2.0Lエンジンを搭載する。価格は14.98万~23.98万元。
7代目凱美瑞(Camry) 2011年12月 中高級セダン「凱美瑞(Camry)」の7代目。2.0Lエンジンには4速、2.5Lエンジンには6速のマニュアルモード付ATを搭載する。2.5L仕様は6代目の2.4L仕様と比べ、最高出力は10%高い135kWで、燃費は24%向上して7.8L/100km(中国の総合モード燃費)となっている。2012年半ばにはハイブリッド仕様車「凱美瑞・尊瑞」を追加投入する予定。
漢蘭達(Highlander)
2012年モデル
2012年4月 「漢蘭達(2代目「Highlander」)」のマイナーチェンジ車。早ければ4月の北京モーターショーで発表され、市場投入される見通し。
雅力士(Yaris)
2012年モデル
2012年 フルモデルチェンジした3代目「Yaris」(日本名「Vitz」)。現地メディアでは2012年上半期に現地生産化する見通しと報じられている。

資料:広汽トヨタリリース(2010.12.22、2011.11.21/12.15、2012.1.9)、各種中国メディア

広汽ホンダ

モデル名 発売時期 概要
輸入車
CR-Z 2012年 ハイブリッドスポーツカー。ホンダのハイブリッドシステム「IMA(Integrated Motor Assist)」を搭載。
Fit Hybrid 2012年 ホンダ「Fit」のハイブリッド仕様車。ホンダのハイブリッドシステム「IMA(Integrated Motor Assist)」を搭載。
現地生産車
理念S1(Everus S1) 2011年4月 外資系合弁メーカー初の自主ブランド「理念(Everus)」の第1弾量産モデル。「中国都市部向け新セダン(Urban New Face Sedan)」を理念として開発された。全長4,420mm×全幅1,690mm×全高1,495mmで、軸距は2,450mm。1.3L i-DSIエンジンには5速ATまたはMT、1.5L VTECエンジンには5速ATを組み合わせる。3タイプ用意し、価格は6.98~9.98万。広州の黄埔工場で「雅閣(Accord)」、「鋒範(City)」、「飛度(Fit)」と混流生産される。
雅閣(Accord)
2012年モデル
2012年2月 「雅閣(8代目「Accord」)」のマイナーチェンジ車。8タイプ用意し、価格は18.68万~34.48万元。
鋒範(City)
2012年モデル
2012年2月 「鋒範」のマイナーチェンジ車。「鋒範」は海外向けセダンの3代目「City」。1.5Lまたは1.8Lエンジンを搭載。7タイプ用意し、価格は9.68万~15.98万元。
歌詩図(Crosstour)
2.4L仕様
2012年4月 2010年に投入された広州汽車集団初の高級車「歌詩図(Crosstour)」の2.4L仕様車。既存モデルは3.5Lエンジンのみ搭載していた。2012年の販売目標は3万台で、予想価格は30万元と報じられている。
奥德賽(Odyssey)
2012年モデル
2012年前半 「奥德賽(4代目「Odyssey」)」のマイナーチェンジ車。コストパフォーマンスを高める見通し。
飛度(Fit)
2012年モデル
2012年前半 「飛度(2代目「Fit」)」のマイナーチェンジ車。コストパフォーマンスを高める見通し。
飛度(Fit) EV 2012年末 「Fit」のEV仕様車。ホンダが2011年11月に広州市で実証実験を開始した。2012年末に小量生産を開始する予定。当初は広州や深セン、杭州などEVの使用環境が比較的整備された地域に投入すると見られる。リース販売を展開する可能性もあるという。
9代目雅閣(Accord) 2013年後半 フルモデルチェンジした9代目「Accord」の現地仕様車。ハイブリッド仕様も設定される見通し。2012年12月にラインオフし、2013年に市場投入すると見られる。
理念S1(Everus S1)
マイナーチェンジ車
2012年~2013年 「理念S1(Everus S1)」のマイナーチェンジ車。市場ニーズを反映して外観や装備を改良すると見られる。
「理念(Everus)」
ブランド 第2弾モデル
2014年 現地メディアによると、「理念(Everus)」ブランドでは現在、「S1」に続く第2弾モデルの研究が進行しており、2014年にも発表される見通しという。

資料:広汽ホンダリリース(2011.3.12/3.26/4.17/5.19/11.21)、ホンダリリース(2011.4.18)、各種中国メディア

広汽Fiat

モデル名 発売時期 概要
輸入車
菲亜特(Fiat) 500 2011年9月 ハイエンド小型車。1.4L MultiAir(100kW、133Nm)エンジンを搭載し、6速マニュアルモード付ATを組み合わせる。価格は16.98万~22.88万元。
菲躍(Freemont)
2.4L仕様
2012年1月 クロスオーバーSUV。2.4L Dual VVTエンジン(129kW、225Nm)を搭載、6速マニュアルモード付ATを組み合わせる。価格は24.98~27.48万元。
菲躍(Freemont)
3.6L仕様
2012年後半 「菲躍」のAWD(四輪駆動)タイプ。3.6L Pentastar V6エンジンを搭載、6速マニュアルモード付ATを組み合わせる。
現地生産車
C-Medium 2012年7月 「Alfa Romeo Giulietta」の「Compact」プラットフォームを採用し、中国市場向けに開発された中級車。1.4Lターボエンジンに乾式デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせる。既に試作は完了しており、2012年7月に長沙工場の稼動に合わせて投入される。

資料:広汽FiatのHP、広汽Fiatリリース(2010.9.15、2012.1.12)、各種中国メディア

 



モデル別販売台数

 2011年は東日本大震災とタイの洪水によるサプライヤーチェーンの断絶が主要拠点である日系合弁メーカーの生産体制に大きく影響した。グループ販売台数は、2010年末から傘下に加わった広汽吉奥の売上と合わせても前年比わずか2.22%増の74.0万台であった。広汽トヨタは前年比1.85%増の27.4万台と小幅プラスに止まり、広汽ホンダは同6.15%減の36.2万台に落ち込む結果となった。

広州汽車集団 モデル別販売台数

(単位:台)
会社名 分類 モデル名 2009年 2010年 2011年
乗用車合計 603,509 719,639 721,095
広汽乗用車 轎車 伝祺(Trumpchi) 122 17,006
広汽長豊 MPV *騏菱(Kylin) 21 8
SUV 猟豹(Liebao) 28,897 23,322
帕傑羅(Pajero) 10,130 7,866
広汽長豊合計 39,048 31,196
広汽吉奥 SUV GS50 93
帥艦(Shuaijian) 734
奥軒(Aoxuan) 1,802
ミニバン 9,304
広汽吉奥合計 11,933
広汽トヨタ 轎車 凱美瑞(Camry) 156,229 161,411 143,720
雅力士(Yaris) 17,892 27,062 19,324
MPV 逸致(E'z) 16,738
SUV 漢蘭達(Highlander) 35,466 80,956 94,635
広汽トヨタ合計 209,587 269,429 274,417
広汽ホンダ 轎車 雅閣(Accord) 175,361 171,728 160,735
飛度(Fit) 48,640 33,575 21,043
*思迪(City) 36 3 0
鋒範(City) 113,191 132,645 123,502
歌詩図(Crosstour) 2,264 1,914
理念S1(Everus S1) 24,696
MPV 奥德賽(Odyssey) 28,395 45,816 30,404
広汽ホンダ合計 365,623 386,031 362,294
ホンダ中国 轎車 爵士(Jazz) 28,299 25,009 24,249
商用車合計 3,112 4,704 19,296
広汽吉奥 ピックアップ 13,051
広汽日野 トラック 1,805 2,757 4,418
バス 5 154 128
広汽客車 バス 1,302 1,793 1,699
広州汽車集団販売合計 606,621 724,343 740,391
資料:MarkLines Data Center、各社HP、各種報道
(注) 1. 「*」印は生産停止となったモデル。
2. 広汽長豊は2009年11月から広州汽車集団の傘下メーカーとなったため、販売台数は2010年以降のデータを記入した。「猟豹(Liebao)」のベースモデルは三菱「パジェロ(Pajero)」。
3. 広汽吉奥は2010年12月に設立された新合弁のため、販売台数は2011年以降のデータを記入した。
4. 「思迪」は海外向けセダンの初代「City」。「鋒範」の発売に伴い、2008年12月に生産停止となった。「鋒範」は海外向けセダンの3代目「City」。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>