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第33回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ

V2X、LiDAR、ステアバイワイヤなど

2024/12/02

要約

 2024年10月7日から9日まで、ドイツのアーヘンで、Aachen Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbRが主催する「アーヘン・コロキウム (Aachen Colloquium)」が開催された。

Aachen Colloquium Venue Official logo
アーヘン・コロキウムの会場となったドイツ・アーヘンのユーログレス(第33回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR、画像:Copyright © MarkLines Co., Ltd. All rights reserved) 公式ロゴ(第33回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR, ロゴ:Copyright © Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR)


 このイベントには、自動車メーカー、サプライヤー、エンジニアリングプロバイダー、研究機関、大学などから幹部や専門家が集まり、持続可能なモビリティの未来志向の開発について、効率性、安全性、環境配慮などの側面から議論を行った。

 講演は幅広い分野に及び、バッテリーシステムと熱管理、燃料電池と水素技術、自動運転、ビークルダイナミクス、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)、モビリティと持続可能性のコンセプトなどが取り上げられた。

 アーヘン工科大学(RWTH Aachen University)学長のRüdiger教授・博士が、第33回アーヘン・コロキウムに集まった約880人の会場参加者を歓迎した。

 Rüdiger学長は、「知識、インパクト、ネットワーク」をモットーに、グローバルなメガトレンドやメガチャレンジに関する疑問の答えを得るために、異なる学問分野の視点から科学的問題に取り組む学際性とネットワークの重要性を強調した。

 その上で彼は、持続可能な未来のために我々が現在取り組まなければならない最大の課題のひとつとして、気候変動と、それに伴う温室効果ガス、特にCO2排出量を世界全体で削減するという目標について言及した。

 アーヘン工科大学の移動エネルギー変換システム熱力学講座(tme)代表のStefan Pischinger教授・博士と自動車工学研究所(ika)所長のLutz Eckstein教授・博士が、このイベントを毎年共催している2つの研究所を代表して出席した。両者はfka GmbHとFEV.io GmbHのブースでの見どころを簡単に紹介した。

 fkaのブースでは、ドライバーモニタリング技術や悪条件下でのLiDARセンサーの性能などをインタラクティブに体験することができた。

Toyota's Accessible People Mover at the FEV booth
FEVのブースに展示されたトヨタの「Accessible People Mover」(第33回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR、画像:Copyright © MarkLines Co., Ltd. All rights reserved)

 FEVのブースでは、CO2ニュートラルな地域交通コンセプトの実現可能な例として、つい数週間前にパリ市内でオリンピック選手や関係者を輸送したトヨタの「Accessible People Mover」(APM)が紹介され、参加者の関心を集めた。


 2日間にわたる会議は、合計100の技術講演と4つの基調講演で構成され、ユーログレス(Eurogress)会議センターの5つのホールを使い、30のセッションで並行して行われた。

 開会プレナリーセッションでは、Airbus社CTOのSabine Klauke氏、ZFグループCEOのHolger Klein氏、日産自動車常務執行役員の稲見島俊一氏、そして最後にAurobay社CEOの王瑞平氏による4つの基調講演が行われ、モビリティの多様性を反映し、持続可能性というトピックに焦点が当てられた。

 講演の全内容は、公式プログラムパンフレットで確認できる。

 2冊組の予稿集は、過去のコロキウムの予稿集と同様、Aachen Colloquium homepageから入手できる。

 参加者は休憩時間に、併設の展示会で28のブース(昨年より15ブース少ない)を見学する機会を得た。サプライヤー、サービスプロバイダー、ソリューションプロバイダー、研究機関、エンジニアリングコンサルタント会社などが、最新の製品、技術、コンセプトを展示した。

 次回のアーヘン・コロキウムは2025年10月6日から8日まで開催される。論文受付期間は2024年12月1日から2025年2月15日までとなる。

 

本稿では100件の講演の中から、ADAS/AD、LiDARテスト、ビークルダイナミクス関連の講演を抜粋して以下にまとめた。

No. タイトル 講演者 会社名
ADAS/AD
D1.3 V2X通信による協調ADAS機能 Markus Kremer FEV.io GmbH
LiDARの試験
D4.1 LiDAR技術 - 調和された試験方法の必要性 Amogh Sakpal fka GmbH
シャシー - ビークルダイナミクス
E5.2 ステアバイワイヤ - リアルなステアリングフィールと高度な走行安定化機能を実現するための要件開発 Julian Schubert AVL List GmbH

 

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