第32回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ

バッテリー技術、管理、リサイクル

2023/11/28

要約

Official logo
公式ロゴ(第32回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR、ロゴ:Copyright © Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR)
Aachen Colloquium Venue at the Eurogress in Aachen, Germany
アーヘン・コロキウムの会場となったドイツ・アーヘンのユーログレス(第32回 Aachen Colloquium:サステナブルモビリティ、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR、画像:Copyright © MarkLines Co., Ltd. All rights reserved)

 2023年1019日から11日まで、ドイツのアーヘンで、Aachen Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbRが主催する「アーヘン・コロキウム(Aachen Colloquium)」が開催された。

 このイベントには、自動車メーカー、サプライヤー、エンジニアリングプロバイダー、研究機関、大学などから幹部や専門家が集まり、持続可能なモビリティの未来志向の開発について、効率性、安全性、環境配慮などの側面から議論を行った。

 講演は幅広い分野に及び、バッテリーシステムと熱管理、燃料電池と水素技術、自動運転、ビークルダイナミクス、ソフトウェア定義自動車、モビリティと持続可能性のコンセプトなどが取り上げられた。


 アーヘン工科大学(RWTH Aachen University)学長のRüdiger教授・博士が、1,000人を超える会場参加者を第32回アーヘン・コロキウムに迎え入れた。

 彼は「Shaping a sustainable future together(持続可能な未来を共に形作る)」をモットーに開催されるこのアーヘン・コロキウムが、自動車産業界と学術界が知識と経験を交換する国際的なプラットフォームとして重要な役割を果たし、より効率的で環境に優しく、安全で持続可能なモビリティの未来の創造に貢献していることを強調した。

 アーヘン工科大学の内燃機関研究所(VKA)所長、Stefan Pischinger教授・博士と、自動車工学研究所(ika)所長のLutz Eckstein教授・博士が、このイベントを毎年共催している2つの研究所の代表として開会スピーチを行った。

 その中で、二人は現在進行中のプロジェクトを2つ紹介した。

  1. AUTOtech.agil:未来のモビリティシステムのためのオープンなソフトウェアと電気/電子アーキテクチャーを構築することを目的としたコンソーシアムプロジェクトで、特にインターフェースの標準化と、個々の機能モジュールの再利用性、更新性、拡張性を目的としたモジュール化に重点を置いている。
  2. Cluster4Future Hydrogen:国際的な水素ベースのエネルギー経済というビジョンを追求するプロジェクトで、化学エネルギー貯蔵媒体や燃料として水素ベースの材料を使用し、主に再生可能エネルギーによりさまざまな部門のエネルギー需要を満たすことを目指している。

 2日間にわたる会議は、合計100の技術講演と4つの基調講演で構成され、ユーログレス(Eurogress)会議センターの5つのホールを使い、30のセッションで並行して行われた。

 講演の全内容は、公式プログラムパンフレットで確認できる。

 2冊組の予稿集は、過去のコロキウムの予稿集と同様、Aachen Colloquiumのホームページから入手できる。

 参加者は休憩時間に、併設の展示会で43社のブースを見学する機会を得た。サプライヤー、サービスプロバイダー、ソリューションプロバイダー、研究機関、エンジニアリングコンサルタント企業などが、最新の製品、技術、コンセプトを展示した。今回初めて、展示エリアの限られたスペースがスタートアップ企業のために確保された。

 次回のアーヘン・コロキウムは2024年10月7日から9日まで開催される。論文受付期間は2023年12月1日から2023年2月15日までとなる。

 
分析レポート:リチウムイオン電池

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