EV走行中給電・公道実証実験の技術

東京大学ほか、柏市で日本初の実証実験を開始

2023/10/26

要約

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本・清水研究室、ブリヂストン、日本精工、ローム、東洋電機製造、小野測器、デンソー、三井不動産、SWCC、カーメイト、千葉大学宮城研究室の共同研究グループは、つくばエクスプレス 柏の葉キャンパス駅付近の市道にて2023年10月から2025年3月まで、日本初の「公道上におけるEVへの走行中給電技術の実証実験」を行う。

 電気自動車への走行中給電技術の実証実験の取り組みは、柏市、東京大学、その他関係機関と「柏 ITS推進協議会」の枠組みで実施しているもので、実験車両としてはEVコンバージョンしたトヨタ ハイエースとプラグインハイブリッド車であるトヨタ RAV4 PHVに走行中給電システムを搭載する改造を施したもので、10秒充電することで一般的なEVが1km走行できる仕様となっている。

 送電/受電コイルにはSiCパワーデバイスを採用したインバーターやリッツ線コイル、4G通信と送電コイルによる接近検知、繊維補強をしたHPFRCCセメントによる磁気特性と耐久性の確保したプレキャストコイルなど、走行中給電に向けて開発された技術が採用されている。

 本稿では2023年10月3日に開催された走行中給電の実証実験出発式、記者発表の取材に基づいて実証実験の技術概要を紹介する。

RAV4 PHVの実験車両 トヨタRAV4 PHVに搭載した受電アンテナ
RAV4 PHVの実験車両 トヨタRAV4 PHVに搭載した受電アンテナ

 

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