IAA Mobility 2023:電気駆動ソリューション

X-in-1 eAxle、熱管理システム、800V用インバーター

2023/10/31

要約

 今年のIAA Mobilityは、9月5日~10日ミュンヘンで開催され、イベントは展示会場(有料)とミュンヘン中心部(一般公開)の両方で開催された。IAA Mobility 2023のスローガンは"Experience Connected Mobility"、自動車部門のみのイノベーションにとどまらず、モビリティ全体に拡大されている。コネクテッドで持続可能なモビリティの未来を目標にし、従来の自動車産業が変わりつつあることを明確に示す場になった。300を超えるワールドプレミアやイノベーション、38カ国から750企業の出展、来場者は50万人を上回った。特に土曜日には10万人もの人々がオープンスペースを訪れている。

 展示会場では、以前よりもサプライヤーの存在感が一層増していた。今回のIAA Mobilityでは、サプライヤー各社が800ボルト技術に力を入れているのが顕著であった。電気自動車市場の急速な成長に伴い、幅広いアプリケーションに搭載可能な電気駆動ソリューションの開発が勢いを増している。本稿では、中国OEMが市場投入で先行している”X-in-1“型の電動アクスル、航続距離を延長させる高度化した熱管理システム、800Vアプリケーション用インバーターを紹介する。

 ちなみに、今回のIAAで欧州初披露されたBYD SEALには8-in-1(インバーター、減速機、駆動モーター、DC/DCコンバーター、車載充電器(OBC)、バッテリーマネジメントシステム(BMS)、配電ユニット(PDU)、車両コントローラ(VCU))が搭載されている。

IAA 2023 Mobility Venue BYD
IAA 2023 Mobility Venue(IAA Mobility 2023 Copyright © MarkLines Co., Ltd. All rights reserved) BYD 8-in-1 電動パワートレイン(IAA Mobility 2023 Copyright © MarkLines Co., Ltd. All rights reserved)

 

IAA Mobility 2023 取材レポート一覧

分析レポート:EV/HV駆動モーター

関連レポート:
オートモーティブワールド秋・スマートエネルギーWeek秋:電動化関連技術(2023年10月)
Hyundai Ioniq 5 分解調査:電動パワートレイン(2023年9月)
TECHNO-FRONTIER 2023:電動車用モーター・インバーター関連部品、計測器(2023年9月)
ウィーンモーターシンポジウム2023(3)未来の原動力:駆動システムとエネルギー(2023年7月)
人とくるまのテクノロジー展2023:電動パワートレイン技術(2023年6月)

 

このレポートは有料会員限定です。 残り 8 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。