中国市場2023年第1四半期:広汽、奇瑞、吉利が2023年製品計画を発表

一汽紅旗、起亜がNEV戦略、吉利が中・高級NEVシリーズを発表、BYDがハイエンドブランドをリリース

2023/04/21

要約

银河L7
銀河L7(出所:吉利)

 中国汽車工業協会(CAAM)の20234月11日の発表によると、2023年第1四半期(1-3月)の販売台数(工場出荷台数)は前年同期比6.7%減の607.6万台で、このうち乗用車は前年同期比7.3%減の513.8万台、商用車は前年同期比2.9%減の93.8万台、新エネルギー車(以下、NEV)は前年同期比26.2%増の158.6万台となり、市場占有率は26.1%となった。

 本レポートは2023年第1四半期の中国大手自動車メーカー(国営、民営、新興EV)及び外資大手自動車メーカーの中国市場における主要動向を紹介する。中国自動車メーカーは当期もNEV分野の体制強化を継続している。一汽紅旗はNEV戦略を発表し、2025年のNEV販売台数を50万台以上にするとした。BYDはハイエンドブランド「仰望」及び技術プラットフォーム「易四方(Yisifang)」を年初に発表。吉利(Geely)はNEVシリーズ「吉利銀河」とシリーズ初のSUV「銀河L7」を発表した。東風汽車はホイールハブ駆動の乗用車を、広汽埃安(Aion)は新世代の高性能統合型電気駆動を、長城汽車は新たなスマート四輪駆動ハイブリッド技術を発表。このほか、大手各社は2023年の販売目標や製品計画を発表している。

 外資自動車メーカーはNEVへの転換を加速する。起亜、ホンダ、Stellantisは電動化戦略を発表した。VWとトヨタは電動車の生産能力拡大に向け、工場のアップグレードを積極的に行っている。トヨタとホンダはさらに、水素燃料電池車の実証運行と技術検証にも力を入れている。スマート化については、BMWと四維図新(NavInfo)が自動運転用マップ分野で提携に合意。日産は江蘇省蘇州市でRobotaxiの試験運行を開始した。起亜は2025年に傘下のすべてのモデルを「SDV(Software Defined Vehicle) 」とする計画。

 

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