2022年中国市場: 新車販売台数2.2%増の2,686.4万台、BYDとTeslaが大幅増

乗用車市場の過半数を中国メーカーが占める、NEVは688.7万台

2023/02/10

要約

中国の自動車販売台数

 2022年通年の中国市場の新車販売台数は、前年比2.2%増の2,686.4万台(工場出荷台数ベース、輸出を含む)。上期は新型コロナウィルス蔓延による都市封鎖の影響を大きく受けた。4月単月は大幅に下落し前年比47.6%減の118.1万台となった。6月以降は政府による消費刺激策の影響もあり、第3四半期は前年同期比29.4%増の741.4万台となった。なお、2023年1月の中国自動車協会(CAAM)の発表によると、2023年の販売は3%程度の増加となる見通し。

 グループ別では、上位3グループは2021年と同様に上汽、一汽、東風。4位には自主ブランドのNEVが好調な広汽グループ。5位は長安汽車グループ、6位には前年比約2.5倍の販売を誇るBYDとなった。

 乗用車市場は、中国メーカーが前年比23.0%増の1,194.9万台と好調で、市場の半数を占める。ドイツ系は、3社ともに前年から販売台数を伸ばした。一方、日系メーカーは、トヨタグループ以外は不調で市場シェアはドイツ系を下回った。米系メーカーはTeslaが好調だったが、Ford及びGMの不調により市場シェアは10%を割り込んだ。

 NEVの販売台数は、2021年の352.1万台から2022年は688.7万台へと大幅増となった。中国で最も売れたNEV乗用車は引き続き五菱宏光 (Wuling Hongguang) MINIEVで57.3万台。2位はMode Y、3位はBYDの宋(Song) DM。2018年から続いていたNEV補助金は2022年12月で終了したが、NEV購入時の税制優遇措置は2023年12月まで継続される。

 2022年の自動車輸出台数は前年比約1.5倍の311.1万台で、このうちNEVが67.9万台を占める。輸入乗用車は引き続きLexusブランドがトップとなった。


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