長安汽車:2023年の販売目標280万台、複数の電動パワートレインを展開
研究開発投資の拡大、海外拠点の構築、低炭素への転換を推進
2023/03/01
- 要約
- 戦略計画:2030年の販売目標500万台、NEV比率60%超、海外比率30%を目指す
- 電動化:自主ブランドのNEV販売が急増、EV/HV/FCVの複数路線を同時に推進
- インテリジェント化:2025年までに30種類以上のインテリジェントコネクテッド製品を投入
- 国際化:海外販売は増加、フィリピン本部が落成、ASEAN拠点の建設開始
- 低炭素技術:2027年にカーボンピークアウト、2045年にカーボンニュートラルを実現
- 長安汽車グループの中国国内販売(工場出荷台数)
- LMC Automotive販売予測:長安汽車グループの2026年ライトビークル販売台数は180万台
要約
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重慶長安汽車股份有限公司(以下、長安汽車) の2022年の販売台数は前年比4.9%増の205.3万台で、中国の自動車メーカーグループの中で第5位。うち自主ブランドが170万台で、全体の80%超を占める。外資系ブランドは35.3万台であった。長安汽車の朱華栄 董事長は2023年グローバルパートナー大会において、国営自動車メーカーの自社ブランドの中で、現時点で利益が出ているのは長安汽車のみであると述べた。
長安汽車は2023年にグループ販売台数280万台を目指す。うち自社ブランドが208万台、全てのエンジン車のマイナーチェンジあるいはフルモデルチェンジを行い電動化し、2025年までにグループ販売台数400万台、NEV35%を実現し、2030年までにグループ販売台数500万台、NEV60%超を実現するとしている。長安汽車の近年の海外販売台数は増加しており、2022年12月にはフィリピン本部が完成した。2025年までにASEAN拠点で生産開始を予定し、さらに欧米市場への進出を計画。2030年に海外販売台数割合30%を目標に掲げる。
長安汽車はスマート低炭素モビリティテクノロジー企業への転換に注力している。2022年8月にインタラクション、インテリジェントドライブ、エコシステムの3つの要素を含んだ新たなスマートブランド「諸葛智能」を発表した。12月にはHVシステムの「智電iDD(intelligent Dual Drive)」、電気駆動/レンジエクステンダーシステムの「原力(FORCE)」、水素燃料電池システムの3つの新エネルギー動力システムを発表するとともに長安科技公司を設立した。今後10年間で新しい自動車科学技術産業チェーンに累計1,500億元を投資する。このほか、長安汽車は2027年にカーボンピークアウト、2045年にカーボンニュートラルの実現を計画する。
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