韓国市場と韓国メーカーの動向:個別消費税の引き下げでコロナ禍でも内需拡大

現代グループは電動化を加速、Renault SamsungとGM Koreaの新型SUVは好調

2020/11/11

要約

韓国の自動車生産・販売・輸出台数

  韓国の2020年1-9月の国内販売台数は前年同期比6.9%増の119.8万台となった。新型コロナウイルスの影響で世界の自動車販売が低迷する中、韓国の内需が拡大したのは、韓国政府が新型コロナウイルス対策として自動車の個別消費税を引き下げた効果が大きい。2020年3月から6月までは個別消費税を70%引き下げ、7月からは引き下げ幅を30%として年末まで継続する。また、各メーカーが相次いで新型車を発売したことも国内販売を押し上げた。

  一方、2020年1-9月の韓国からの輸出は前年同期比25.2%減と急落。韓国での生産は12.6%減の254.9万台にとどまった。ウイルスの感染拡大で主要輸出先が都市封鎖や活動自粛を実施し、すべての地域に対する輸出が落ち込んだ。現代自動車は2020年下期には世界需要が徐々に回復すると慎重ながら楽観的に見込んでいるが、新興国の経済回復については不確かだとしている。

  現代自動車グループはSUVやGenesis高級車ブランドの投入で製品構成が改善し、感染症拡大で打撃を受けても大幅な業績悪化を回避した。コロナ禍においても電動化戦略は加速化しており、2025年までに電動車を44モデル投入する計画。EVを年間100万台生産し、世界のEV市場シェア10%超獲得を目指す。現代自動車はEV専用ブランド「Ioniq」を発表し、起亜自動車もEV専用モデルを7モデル投入する。

  GM Koreaは経営再建計画でグローバル市場向けの2モデルの生産を行うと約束していたが、2020年1月にその一つであるコンパクトSUV Trailblazerの生産・販売を開始した。コロナ禍で一時部品供給が遅れたが、その後回復し、4月に米国への輸出も開始。韓国・米国とも販売は好調である。

  Renault Samsungは生産の40%を占めていた北米市場向け日産Rogueの受託生産が2020年3月に終了し、生産・輸出が急落していたが、同月に投入した新型コンパクトSUV XM3の販売が好調に推移している。2021年からは欧州への輸出も開始する。

 双竜自動車は2017年から赤字が続き、2020年第3四半期の純損失は1,024億ウォン、6月末時点での借入金は3,069億ウォンとなった。親会社のMahindra & Mahindraは追加投資を見合わせ、株式の持分率を50%未満に引き下げる意向で、新たな投資家を探している。投資家が見つからない場合、双竜は法定管理を申請する可能性もある。

XM3 Chevrolet Trailblazer
Renault Samsung の新型コンパクトSUV XM3
(写真:Renault Samsung)
GM Koreaの新型コンパクトSUV Chevrolet Trailblazer
(写真:GM)

 

韓国での生産・販売・輸出・輸入台数

(台)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2019年
1-9月
2020年
1-9月
国内生産台数 4,524,932 4,555,957 4,228,509 4,114,913 4,028,834 3,950,614 2,915,289 2,549,231
国内販売台数 1,463,893 1,589,393 1,600,154 1,560,202 1,552,346 1,539,766 1,121,348 1,198,299
輸出台数 3,063,204 2,974,114 2,621,715 2,530,194 2,449,651 2,401,383 1,776,918 1,329,152
輸入台数 196,359 243,900 225,279 233,088 260,705 241,510 167,093 182,244

資料:KAMA (Korea Automobile Manufacturers Association)
(注) 国内販売には輸入車を含まない。


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