中国の日系自動車部品サプライヤー:NEV・インテリジェント化対応の生産・開発を強化

中国全般、東北・華北・華中・華南・西南地区における動向

2022/01/13

要約

中国の自動車工場マップ
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  本レポートは、東北・華北・華中・華南・西南地区、中国全般における日系部品メーカーの動向である。(2020年8月から2021年12月上旬までの約16ヵ月間を収録)

  *中国・華東地区における日系部品メーカーの動向は既報レポートをご参照ください。


  中国自動車市場全体が微増にとどまる中、EVを中心とする新エネルギー車(NEV)の生産・販売はともに大きく増加している。上汽、一汽、東風、長安、吉利などの中国大手メーカーのみならず、長城汽車、奇瑞汽車、BYD、小鵬汽車、蔚来汽車なども積極的なモデル投入、開発計画を進めている。これらのメーカーは、AlibabaやTencentなどの異業種大手との連携を強化し、事業拡大を図りつつある。

  こうした中、日系サプライヤーも、電動化、軽量化、自動運転・安全運転、半導体などでの新商品投入、生産体制強化、中国企業との取引拡大などを進めている。とりわけEV分野での動きが顕著である。

  リチウムイオン二次電池関連では、TDKのCATLとのクロスライセンス・合弁会社設立での提携、旭化成のEV用バッテリー部材での上海エナジーとの合弁会社設立計画、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)の角形リチウムイオン電池生産ライン増設、ジーテクトのアルミ主体のEV用バッテリーハウジング投入などが見られる。

  また、EV用eアクスルでは、日本電産の吉利汽車向け量産開始や柳州五菱汽車での日本向け配送用EVでの採用、マレリの新工場建設計画などが見られる。

  自動運転・安全運転関連では、ルネサスエレクトロニクスが一汽集団とインテリジェント運転システムの共同研究所を設立。日立製作所はテンセントとIoV(Internet of Vehicles)や自動運転分野などのサービスでパートナーシップを締結。アルプスアルパインは安全運転支援に対応する通信モジュールを開発し、中国での量産を開始した。

  この他、希少資源や電子化に伴う問題、環境規制に対応する新しい取り組みも進められている。ファインシンターはコバルトレスの新バルブシート材料を開発し、中国の生産拠点において新材料への切り替えを進める計画。村田製作所は車載機器の電磁環境適合性(EMC)、ノイズ評価と対策の提案を行うEMCセンター設置し営業を開始。島津製作所はFoxconnと環境規制関連部材を分析する連合実験室を開設し、中国の22拠点でサービスを開始する。


関連レポート:
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<日系サプライヤーの海外事業動向>
  中国・華東地区 (2021年12月) 
  ASEAN (2021年11月)
  インド (2021年10月)
  メキシコ (2021年7月)
  米国・カナダ (2021年4月)
  中東欧 (2020年12月)
  中国全般 (2020年10月)
  ASEAN (2020年6月)
  西欧 (2020年4月)

 

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