VWグループ(上): 2021-2025年にEV、HV、デジタル化に730億ユーロ投資

Northvoltとバッテリーセルを合弁生産、車載ソフトウェア事業を独立して内製化

2021/01/26

要約

ID.4
VWブランド初のバッテリーEVのSUV ID.4(出典:VW)

  VWグループは2020年11月、電動化やデジタル化などの次世代技術に2021~2025年の5年間で730億ユーロを投資すると発表した(2020~2024年の計画では600億ユーロ)。設備投資費と研究開発費を合計した総投資額は2020~2024年と同等の1,500億ユーロだが、投資全体に占める次世代技術の比率を10%高め、50%とした。730億ユーロのうち、EVに350億ユーロ、HVに110億ユーロ、デジタル化には従来の2倍の270億ユーロを投資する。

  電動化計画は、2030年までに約70車種のEVと約60車種のHVを投入するという計画をすすめる。同年までに2,600万台のEV(そのうち1,900万台はVWが開発したEV専用のMEBプラットフォーム、700万台は高級車向けPPEプラットフォームを使用)、700万台のHV生産を見込む。

  新型EV投入計画では、VWブランドはEVのサブブランドであるID.シリーズから2020年12月にコンパクトSUVのID.4、2022年にマイクロバスのID.BUZZを投入する。AudiはQ4 e-tronのSUVクーペ版Q4 Sportback e-tronを投入予定。SkodaとSEATもMEBプラットフォームを使用するEVを投入する予定で、SkodaはEnyaq iV、SEATは高性能ブランドCUPRAの el-Bornを発売する。

  EVの生産は欧州・中国・米国で行う計画で、各地で工場の改修・新設を進めている。ドイツではEV専用工場に転換したZwickau工場で、既にMEBプラットフォームを使用するID.3、ID.4の生産を開始。中国でも上汽VWの安亭工場と一汽VWの佛山工場で中国向けのID.4の生産を開始した。EVの重要部品であるバッテリーについては、外部サプライヤーの確実な供給基盤に加え、電池メーカーと共同で新たな生産能力も構築している。スウェーデンのNorthvoltとは合弁会社を設立し、2024年から年間16GWhのバッテリーセルを生産する計画。

  自動運転の分野では、Fordとの提携を同分野にも拡大することとし、2020年6月にFord傘下の自動運転関連会社Argo AIに26億ドルの出資を完了。自動運転やコネクテッドカーに不可欠なソフトウェアの内製化では、2020年に車載ソフトウェアの開発ユニットCar.Softwareを独立事業として設立。モビリティサービスでは、ベルリンで展開するEVカーシェアリングサービスWeShareにID.3を導入した。


  なお、VWグループの新型車投入計画、欧州・中国・米国市場の動き、販売台数と業績、LMC Automotive販売予測については、次稿の「VW グループ(下)」をご覧ください。


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