JMS 2023:BYD、初出展でブランドビジョンを紹介、ミッドサイズ電気セダン「シール」など3モデルを日本初披露

・BYDは、東京ビッグサイトで開催されているJapan Mobility Show 2023 (ジャパンモビリティショー2023)に初出展した。プレスブリーフィングでは、アジア太平洋地域自動車販売事業部総経理兼ビーワイディージャパン株式会社の劉学亮・代表取締役社長およびBYD Auto Japan株式会社の東福寺厚樹・代表取締役社長が登壇した。

・劉氏は、ブランドの実績や今後のビジョンを紹介した。重要なビジョンとして「地球の温度を1℃下げる」ことを掲げ、プロダクトを通じて気候変動への取り組みを進めていると述べた。新エネルギー車(NEV)の実績については70以上の国・地域、400以上の都市で販売し、うち乗用車では58カ国に進出したとする。2022年および2023年上半期には、NEV販売台数が世界第1位となり、累計生産台数が500万台を超えたと発表した。今後もファミリーカーから高級車まで幅広いラインナップを取り揃え、顧客に幅広いeモビリティの選択肢を提供することで、電気自動車(EV)を人にとっても地球環境にとっても欠かせないモビリティに進化させる方針を明らかにした。

・東福寺氏は、ブランドパーパス「eモビリティを、みんなのものに」を紹介。そのテクノロジーとラインナップとして、それぞれ日本初披露となる3つのモデル、ミッドサイズ電気セダン「シール (SEAL、海豹)」、メルセデスベンツとの合弁によるハイエンドサブブランド騰勢 (Denza) のMPV「D9」、プレミアムブランド仰望 (Yangwang) のオフロード電気SUV「U8」を紹介した。

・「シール」は、日本で2023年9月に発売したスモールハッチバックEV「ドルフィン(Dolphin、海豚)」と同様、自由で躍動的な海の生き物をテーマにした、スポーティかつエレガントなデザインのモデルとなる。デザインはアウディに在籍していたヴォルフガング・エッガー氏が担当した。最大の特徴はBYDの独自技術として、長い航続距離と安全性を両立したブレードバッテリー、EV専用に設計されたe-platform 3.0、CTB (Cell-to-Body)技術を搭載している点とした。CBT技術については電池パックを車体の構造体として役割を持たせることで、堅牢性や捩れ剛性、部品点数を減らす効果があるとする。同モデルは2024年春に日本で発売を予定。後輪駆動だけでなく、四輪駆動モデルも用意するという。

・騰勢「D9」は、メルセデスベンツと共同開発したプレミアムMPVで、最大の特徴は十分なスペースと高い快適性と実用性である。これまでのエアサスペンションを超えた動きを可能にする車体制御技術であるeサス・インテリジェント・コンピューティングシステムなど、BYDが独自開発したコントロールシステムを満載し、ドライバビリティーを向上しているという。現時点で日本での販売は予定していない。

・仰望「U8」はBYDの先進技術を満載した最先端モデルとして紹介された。BYD独自の車体制御技術である油圧ボディーコントロール、世界初となる量産型4モーター独立駆動技術プラットフォームであるe4プラットフォームを採用している。同プラットフォームは、一流の安全性とパフォーマンスを提供することを目的として4つの車輪を制御することによって、従来車と比較して迅速なセンシングと精密な駆動を実現。これにより操縦の安定性が向上し、その場での360°旋回「タンクターン」も可能になったという。さらに同モデルは水上走行も可能。現時点で日本での販売は予定していない。