Continental AG 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ユーロ)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 33,331.0 32,736.2 1.8 1)
EBITDA 5,095.0 4,967.4 2.6 -
シャシー・安全
売上高 7,269.2 7,052.5 3.1 2)
EBITDA 990.2 1,007.9 (1.8) -
パワートレイン
売上高 6,260.3 6,134.8 2.0 3)
EBITDA 650.2 609.0 6.8 -
インテリア
売上高 6,605.7 6,434.2 2.7 4)
EBITDA 850.2 853.3 (0.4) -
タイヤ
売上高 9,583.2 9,665.0 (0.8) 5)
EBITDA 2,137.7 2,005.1 6.6 -
ContiTech
売上高 3,878.3 3,711.8 4.5 6)
EBITDA 576.3 558.9 3.1 -

要因
1) 全社
-2013年12月期の売上は、前年比1.8%増。欧州以外の地域における売上成長、および自動車部門の好調な業績が主な要因。乗用車および小型商用車の生産が増加したことが同社製品の売上増加に寄与し、市場シェアが向上。

2) シャシー・安全
-同部門の売上高は、前年比3.1%増。車両ダイナミクス、油圧ブレーキシステム、パッシブセーフティ・センサー、先進運転支援システムなどの全ての事業で売上高が増加。

3) パワートレイン
-同部門の売上高は、前年比2.0%増。トランスミッション事業がNAFTAおよび西欧で売上が増加。また、センサー・アクチュエーター事業は中国の排気センサーの生産立ち上がりが寄与し、売上成長を達成。一方、欧州市場は景気悪化を受け、エンジンシステム事業の売上高が減少。

4) インテリア
-同部門の売上高は、前年比2.7%増。各事業ユニットの事業概況は以下の通り:
  • 車体・安全対策事業:北米およびアジア市場で堅調に推移。
  • インフォテインメント・コネクティビティ事業:マルチメディアシステム、テレマティクスの売上が増加した一方、オーディオ部品および各種接続機器の売上が減少。
  • 商用車・アフターマーケット事業:新製品の立ち上がりにより、前年比でわずかに売上増。
  • 計装機器・運転支援/HMI:インストメーターの旺盛な需要を受け、力強い成長を見せた。
5) タイヤ
-同部門の売上高は、前年比0.8%の減少。アジア太平洋地域、北米において売上成長、および欧州/中東/アフリカ地域で安定的な売上を記録したが、買収効果および為替差損が影響したことで部門全体の売上高は減少。

6) ContiTech
-同部門の売上高は、前年比4.5%の増加。自動車OEM向けおよびアフターマーケット事業の売上高が増加。一方、軟調に推移したコンパウンド技術事業が一部売上高を相殺。

企業買収

Emitec
-2014年4月、GKNとの折半出資による合弁会社Emitecの株式残り50%を取得し、完全子会社化すると発表した。取得金額は46百万ポンド。今回の買収により、EmitecはContinentalのパワートレイン部門に統合される予定。(2014年4月30日付プレスリリースより)

ASL Vision
-車両の全方位を監視するカメラシステムなど先進運転支援システム分野の強化に向けて、英国のASL Visionを買収したと発表。イングランドのLewesを本拠とするASL Visionは、ドイツのバイエルン州Kronachにも拠点を保有し、サラウンドビューシステムなどさまざまな製品を提供している。53名の従業員は主にエンジニアで、ソフトウェア、アルゴリズム、画像処理、ハードウェアなどを専門としている。今回の買収により、同社の従業員全員がContinentalに加入することになる。また、ドイツUlmにあるContinentalの研究開発センターは、この360度カメラシステムの研究拠点となる予定。(2013年1月11日付プレスリリースより)

再編

Schaefflerによる同社株式売却および投資協定の終了
-2013年9月、Schaefflerは、Continentalの株式3.9%を約950百万ユーロで売却したと発表。今回の売却により、Schaefflerの所有割合は46%となった。両社は2008年より、SchaefflerをContinentalの単独筆頭株主にするという投資協定を締結していたが、2014年5月に解消することとなった。

合弁事業

日清紡ホールディングス
-中国子会社であるContinental Automotive Holding Co., Ltd.と日清紡ホールディングスは、中国・江蘇省揚州市に合弁会社「日清紡大陸精密機械 (揚州) 有限公司」(仮称) を設立すると発表。新会社は電子制御ブレーキシステムの主要部品であるバルブブロックの製造・販売を行なう。資本金は200百万元 (約3,200百万円) で、Continental Automotive Holdingが30.0%、日清紡ホールディングスが70.0%を出資する。2013年12月に設立され、2015年1月に操業を開始する見込み。(2013年11月6日付プレスリリースより)

SK Continental E-motion
-同社とSK Innovation (韓国) の合弁会社SK Continental E-motion (ドイツ・ベルリン) は、2013年1月2日付で操業を開始したと発表。乗用車および小型商用車向けのリチウムイオン電池システムの開発・生産・販売を行う。出資比率は同社が49%、SK Innovationが51%。両社は今後5年間で、約270百万ユーロを新会社へ投じる計画。なおSK Continental E-motionは、マイルドハイブリッドや商用車用の48ボルトの電池開発プロジェクトを開始している。(2013年1月21日付プレスリリースより)

-SK Continental E-motionは、韓国の忠清南道に位置する瑞山 (Seosan) 市に電気自動車用バッテリー工場を建設すると発表。総投資額は2,363億ウォン (約1億6,100万ユーロ) の見込み。2015年より生産を開始し、現代・起亜自動車や韓国GMなどに納入する計画。(2013年10月25日付プレスリリースより)

事業提携

-亜新科工業技術有限公司 (ASIMCO) の子会社「ASIMCO NVH」と業務提携を締結すると発表。ASIMCO NVHはすでに同社による第一次審査、工場審査、自動車部品の品質審査、VDA6.0品質審査、材料審査に合格している。(2013年9月6日付けプレスリリースより)

-同社とFiat Groupは、両社が開発したタッチスクリーン・インフォテインメントシステム「Uconnect」にTomTomのナビゲーションシステムを統合。この新型システムには、TomTomのポータブルナビゲーションで使用できる地図やルート計算機能「IQ Routes」、音声制御、レーン誘導機能「Advanced Lane Guidance」などさまざまな機能が搭載されている。なお、このインフォテインメントシステムは、2013年第2四半期に発売される新型Fiat「500L」に採用された。(2013年3月5日付プレスリリースより)

国内事業

-ContiTechは、次世代の大型トラック用エンジン向けに、ドイツのKarben拠点において週に2万ユニットのフューエルラインを生産していると発表。この製品は、35バールの圧力と130℃までの動作温度に対応する。同拠点で生産されたフューエルラインのうち、半分はドイツの工場に供給され、残りは米国に輸出されている。(2013年11月27日付プレスリリースより)

-2013年、ソレノイドインジェクター「XL3」の量産を開始したと発表。新型の1.5L GDIターボエンジンに採用されたもの。インジェクターの開閉速度を上げることで超高精度な制御を可能にする。精密な制御と多段噴射機能を組み合わせることで、GDIエンジンの粒子排出量や後処理システムにかかる費用を削減できるという。同社は引き続き、「XL3」インジェクターの欧州排出基準「Euro 6c」の準拠対応に取り組む計画。(2013年7月24日付プレスリリースより)

-ドイツのRoding拠点において、ガソリン直噴エンジン用の次世代高圧燃料ポンプ (GHP2) の生産を開始。この高圧ポンプは200バールの圧力を供給し、燃料消費やCO2排出を削減するほか、PM規制に関しても2014年9月からガソリンエンジンの排出基準となる「Euro 6」に対応している。(2013年4月12日付プレスリリースより)

海外事業

<日本>
-同社の日本法人、コンティネンタル・オートモーティブは、日系自動車メーカー向けにヘッドアップディスプレー (HUD) の受注活動を強化する。仕様を決定してから受注活動を展開する欧米自動車メーカー向けの手法を改め、車両開発の初期段階から自動車メーカーへの提案活動を開始し、日系自動車メーカーのニーズに対応した製品を開発する。HUDは日系自動車メーカーの間でも採用が広がる見通しで、メーカーのニーズを製品に的確に反映し受注につなげる。(2013年10月10日付日刊自動車新聞より)

-コンティネンタルオートモーティブは7日、車内外の受信装置を統合したアンテナモジュールを2014年にも製品化すると発表。また、需要の増加が見込まれるヘッドアップディスプレー (HUD) は、エントリークラス用から高級車用まで、機能差を設けたタイプを開発し、幅広く提案していく。(2013年10月8日付日刊自動車新聞より)

-コンティネンタル・オートモーティブは、日本で人材採用活動を強化する。自動ブレーキなどの先進安全機能開発に関するソフトウエアエンジニアが、今後不足することが予想されるため、自動車業界の技術者や組み込みソフトウエアに関する知見を持つ技術者の獲得に力を入れる。現状では600人程度の技術者数を2013年末までに650人に増員し、3年後の16年末までにさらに3割程度の増員を目指す。中期的には開発工数が倍増する見通しであることから、毎年数十人単位で人材を獲得する方針。(2013年6月24日付日刊自動車新聞より)

<ブラジル>
-ブラジルのVarzea Paulista工場においてABSの生産を開始。これまで油圧ブレーキシステムの専用工場であった同拠点に、他の拠点からABS生産ラインを移管したもの。これにより、南米初の電子ブレーキシステムの生産拠点となった。このプロジェクトへの投資額は約10百万ユーロで、既に2012年11月に生産を開始している。新生産ラインの年産能力は最大1.2百万ユニットとなる。なお、ABS関連部品のホイールスピードセンサーは、姉妹工場である同国のSalto工場で生産している。(2013年4月10日付プレスリリースより)

受注

-2013年の主な受注:
受注先 モデル 供給製品
Audi A3 ContiSportContact 5 タイヤ
A6、A6 Allroad ContiSportContact 5 P 高性能タイヤ
A7 ContiSportContact 5 P 高性能タイヤ
A8 ContiSportContact 5 タイヤ
RS 6 Quattro ContiSportContact 5 P 高性能タイヤ
Maserati Quattroporte ContiSportContact 5 P 高性能タイヤ
Mercedes-Benz A-Class ContiSportContact 5 ランフラットタイヤ、ContiSportContact 5 P 高性能タイヤ
C-Class ContiSportContact 5 P 高性能タイヤ
S-Class 12.3型薄膜トランジスタ (TFT) ディスプレイ採用インストクラスター (プログラム制御を自由に行える)
Renault Zoe 電動モーター、パワーエレクトロニクス、EV用コントローラー、エアバッグコントロールユニット、サイドセンサー、アップフロントセンサー、ホイールスピードセンサー、ラジオ、キーレスアクセスシステム、運転者認識システム

受注

-Tesla Motorsより開発パートナー賞「Excellent Development Partner」を受賞。TeslaのEVセダン「Model S」向けに開発した夏用タイヤ「ContiSportContact 5」が評価されたもの。タイヤサイズは245/35 R 21 XL 96 W。(2013年11月22日付プレスリリースより)

-トヨタより「Technology & Development Award」を受賞。同社の後方警報システム「Rear Cross Traffic Alert (RCTA)」に使用する次世代レーダーセンサーの開発が評価されたもの。2012年に発売された新型「Lexus ES」は、RCTAを装備した初めてのモデルとなった。Continentalは現在、10を超えるトヨタのモデル向けにこれらのセンサーを納入している。(2013年2月25日付プレスリリースより)

見通し

-同社は、2014年12月期の売上高を350億ユーロと予測。先進運転システムの売上高に関しては、2016年に10億ユーロに達すると見ている。

開発動向

研究開発費

 (単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
シャシー・安全 535.3 500.2 463.1
パワートレイン 561.8 529.0 454.9
インテリア 492.0 446.1 449.6
タイヤ 204.7 195.1 176.1
ContiTech 84.6 74.4 65.0
合計 1,878.4 1,744.8 1,608.7

研究開発体制

-2013年12月末現在、26カ国・115拠点で20,000名が研究開発に従事。2013年12月期の研究開発費は同売上高の5.6%に相当。

研究開発拠点

-2012年10月に開設した全自動ブレーキ性能屋内試験場「AIBA (Automated Indoor Braking Analyzer)」の活用により、乗用車、バン、4WD向けの夏用・冬用タイヤの試験技術を大きく前進させている。ドイツHanover近郊のContidromテストコース内に建設されたこの試験場は、全長300メートル、最大幅30メートル。無人試験車両が全自動で時速120kmまで加速し、試験路面上でブレーキをかける。路面はウェット路とドライ路があり、交換が可能。フル稼働時には、年間約10万回のブレーキ性能試験を行うことができるという。(2013年9月10日付プレスリリースより)

-シンガポールの研究開発センターを拡張すると発表。投資額は29.7百万シンガポールドル (17.5百万ユーロ)。約1年をかけて建設する予定の新建屋の延床面積は5,000平方メートルで、約450名の従業員が勤務可能となる。(2013年7月26日付プレスリリースより)

-EV用製品の中核拠点であるドイツのNuremberg拠点を拡張。2.6百万ユーロを投じて、同拠点内のHighTech Center Northに新たに試験施設を建設。新施設では、各EV・HV構成部品の相互作用を制御するパワーエレクトロニクスの試験を行う。同社はこれまで、試験台を複数の拠点に分散して設置していた。今回、全ての試験台を新たなテストセンターに集結し、開発部門に隣接させている。(2013年4月15日付プレスリリースより)

-中国の江蘇省常熟 (Changshu) 市に研究開発センターを開設したと発表。新センターでは、吉利汽車 (Geely)、長城汽車 (Great Wall Motor)、GM、上海VW、観致汽車 (Qoros Auto) などの顧客と提携し、車載製品および防振制御部品の開発を行う。投資金額は約8百万ユーロ。2013年末までに30名の技術者を雇用する計画。今回、同社がアジアで開発能力を強化する要因としては、2010年にVibration Control部門が観致汽車の初の量産車「Qoros 3」向けプラットフォームにおいて、エンジンマウント開発で協力すると決定したことがあげられる。(2013年3月6日付プレスリリースより)

研究開発活動

-中国の市場成長率の高まりを受け、中国事業の強化策を決定。ESC (横滑り防止装置)、エアバッグ制御ユニット、エンジン制御ユニット、燃料噴射装置、インストクラスター、衝突回避機能などの中国顧客向けの開発を強化する。

-自動車の自動運転を可能にするシステム開発を加速させる。2025年までに完全自動運転を可能にするシステムを準備するとともに、段階的に自動化システムの開発を完了させる予定だ。同社では、自動運転車開発の実現に向けて詳細な計画を策定し、現在すでに市場投入しているドライバー支援システムをベースに、さらなるシステム技術の進化を目指す。このため研究開発費として、今後数年間で合計数十億ユーロを投じる計画。完全自動化に向けての開発計画では、25年の完全自動化システムの供給開始を前に、16年には一部システムの開発を完了させ、その後徐々に、高速度で複雑な状況下に対応する高度自動運転を可能にするアプリケーション提供を20年までに行うとしている。(2013年2月23日付日刊自動車新聞より)

技術提携

IBMとの技術提携
-2014年1月に米国で開催される「2014インターナショナルCES (コンシューマーエレクトロニクスショー)」に、車両前方の景色をフロントガラスに目立つように表示する拡張現実システムと、車との対話を可能にするシステムを出展すると発表。米IBMと共同開発した次世代技術を初披露する場となる。先進的な車両センサー、施錠や解錠を行うスマートフォン用アプリケーション、マッサージシートなども展示する。また高度な運転支援システムから自動運転に進化するロードマップを発表する。(2013年12月27日付日刊自動車新聞より)

タンポポ由来のタイヤ
-同社とFraunhofer研究機構の分子生物学・応用生態学研究所 (IME) は、タンポポから生成したゴムをタイヤ用途に実用化する共同開発プロジェクトが実現間近となっていると発表。近年、実験室においてはタンポポの根から高品質の天然ゴムを生成することが可能になっている。また、IMEのMunster拠点では、天然ゴムをトン単位で生産するパイロット施設の建設も開始した。タンポポ製ゴムを採用した最初のテスト用タイヤは、数年以内に公道での実験が開始されることになっている。(2013年10月14日付プレスリリースより)

車両インターネット接続にかかるIBMとの提携
-車両をインターネットと接続する包括的なサービスに関して、米IBMと提携すると発表した。同分野に関するサービスや技術、機能は、総称してコネクテッド・ビークルと呼ばれている。車載部品大手である同社と、インターネットを通じて大量の情報を分析し処理するノウハウに長けるIBMが連携することで、次世代の車両情報基盤を構築するとしている。(2013年9月17日付日刊自動車新聞より)

HV・EV用のモーターおよびトランスミッションシステム
-同社とOerlikon Groupは、HV・EV用のモーターおよびトランスミッションシステムの統合技術の開発・販売に関して提携することで合意。電動モーターとトランスミッションを統合最適化することで、電気パワートレインの効率を高めることを目的とする。今回の提携では、Oerlikon Grazianoが高性能トランスミッションの開発・生産・設計に関する技術を用いる一方で、同社のパワートレイン部門はHV・EVをはじめとする乗用車用パワートレインの専門知識を活用していく。(2013年5月28日付プレスリリースより)

統合運転支援システム
-ドイツのダルムシュタット工科大学との共同研究プロジェクト「PRORETA 3」の一環として、これまで約2年間にわたって都市交通における事故回避や衝突軽減に向けた統合運転支援システムの開発を行っている。今回、両者は共同開発したコンセプトをContinentalのデモカーに組み込むことに成功し、今後の第2フェーズでは実地試験を行う予定。最終的に、実際の走行におけるこのコンセプトの有効性を実証することを目指す。プロジェクト期間は2014年秋まで。この「PRORETA」の第1段階 (2002-2006年) では、緊急ブレーキおよび緊急ステアリングアシストに関して研究。また、第2段階 (2006-2009年) では、対向車との衝突を回避する追い越しアシストシステムの開発に注力した。(2013年5月13日付プレスリリースより)

電子操縦システム
-同社とBMW Groupは2013年1月、欧州の高速道路における高度自動運転の導入にむけて、電子操縦システムの共同開発を行うことで合意。プロジェクト期間は、2014年末までとなる。両社は今後2年間の間に、自動運転システムを装備した試験車両を複数開発する計画。Continentalは今回の研究協力を、2020年までの高度自動運転システムの提供に結びつけたいとしている。(2013年2月26日付プレスリリースより)

製品開発

360度サラウンドビューシステム
-4つのカメラから送信された画像を一つの画像に統合し、車両周辺の鳥瞰図を生成し、障害者や歩行者検知を行なうサラウンドビューシステムを開発。このシステムにより、衝突検知および緊急時の自動ブレーキも可能となる。次世代製品として3D画像で再現することを目指しており、2016年に量産される見通し。

車室内におけるタイヤ騒音低減技術
-車室内におけるタイヤ騒音を大幅に低減する新技術「ContiSilent」を発表。通常の製造工程後に、トレッド部分の内側に特殊なフォーム層を接着する。このフォーム層は、走行中のタイヤが発生する音波に対して高い減衰効果を発揮し、車室内に届く騒音レベルを最大9デシベル低減する。その他のタイヤ部品やトレッドパターンは標準タイヤのものを採用しているため、ぬれた路面でのブレーキや運転性能などの特性には違いはない。Audiは、「RS 6 Avant」および「RS 7 Sportback」に「ContiSilent」を使用した「ContiSportContact 5 P」シリーズを採用した。自動車メーカーとしてこの技術を採用したのはAudiが初めて。(2013年8月7日付プレスリリースより)

自動車用多機能シート
-インテリジェントエレクトロニクスを用いて、自動車用多機能シートの開発を行っている。さまざまな電子制御、エアコンシステムの統合、メモリー機能やマッサージ機能のほか、多数の安全機能を実現する。現在、Daimler 「Mercedes-Benz S-Class」向けにマッサージ機能を提供している。また、スマートフォンとシートシステムの連携にも取り組んでおり、シート機能のカスタマイズを促進する計画。(2013年7月25日付プレスリリースより)

シートベルトプリテンショナー
-ContiGuardの新機能「Active Emergency Belt Control」を開発。衝突の直前に、電気機械式の可逆ベルトテンショナーによりシートベルトを引き締めるこの機能により、負傷の程度を最大15%軽減することが可能になる。さらに安全性を高めるために、車両の窓とサンルーフを自動的に閉めることで、衝突の際に車両の内側に物が入らないようにすることができる。すでに、ドイツの大手自動車メーカー2社のコンパクトカー1モデルずつに採用された。(2013年7月18日付プレスリリースより)

緊急通報システム
-eCall (イーコール) 緊急通報システムに対応するテレマティクスシステムを開発したと発表した。欧州委員会が2015年10月にイーコール緊急支援システムの搭載を義務化するのに合わせて量産を開始する。(2013年6月27日付日刊自動車新聞より)

マルチメディアラジオナビゲーションシステム
-PSA Peugeot Citroenグループ向けに新型のマルチメディアラジオナビゲーション (MRN) システムを開発。このMRNシステムは、Continentalの機能拡張可能なマルチメディアプラットフォームをベースとしている。同システムには高解像度の7型タッチスクリーンが統合されており、このタッチスクリーンは漢字とピンインの手書き認識が可能。東風Citroenが2013年3月に発売した「C4 L」に搭載されており、今後さらに採用が拡大する見込み。開発は主に上海とシンガポールの拠点で行った。

ブレーキブースター >>>製品画像
-ブレーキブースターの次世代製品「Booster Gen. III」を開発。従来のスチール製に比べて、新型のフルアルミ製ブレーキブースターは約50%軽量化され、重量は1,700g。また、長さも12% (15ミリ) 短くなっている。この第3世代のブレーキブースターのサイズは、8/8インチ、8/9インチ、9/9インチ、9/10インチで、フロントボルトバージョンも提供される。(2013年3月13日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

 (単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
シャシー・安全 401.7 383.8 327.1
パワートレイン 360.5 395.0 393.7
インテリア 253.3 257.1 247.7
タイヤ 798.6 830.2 637.1
ContiTech 166.0 151.0 110.6
その他 1.0 2.3 (4.9)
合計 1,981.1 2,019.4 1,711.3

国内投資

-長期成長戦略「Vision 2025」の一環として、2018年までにドイツのKorbach拠点に約40百万ユーロを投じると発表。乗用車/小型トラック用の19インチ・22インチタイヤを生産する専用ラインを1本追加し、2016年より生産開始予定。これらのタイヤは、自動車メーカーおよび補修部品市場でグローバルに需要が拡大している。2018年までに従業員60名を増員し、年間約40万本のU-UHPタイヤを生産する。また今回の投資は、同拠点をタイヤ製造に必要な技術の中心開発拠点とする計画にも充てられるという。(2013年9月30日付プレスリリースより)

海外投資

<チェコ>
-チェコOtrokoviceにあるトラック・バス用タイヤ工場の大規模な拡張計画を発表。タイヤ部門への投資計画をさらに進めていく予定で、今回のプロジェクトにより同工場を欧州・中東・アフリカだけでなく、今後は米州やロシア向けのハブ拠点とする計画。投資総額は165百万ユーロ。現在の年産能力は、トラック・バス用タイヤ70万本と乗用車・小型トラック用タイヤ2,100万本。今回の5年間の拡張計画により、同工場のトラック・バス用タイヤの年産能力を現状の2倍となる約150万本に引き上げる予定。(2013年12月11日付プレスリリースより)

<ロシア>
-ロシアのKalugaに建設したタイヤ工場が量産を開始。2011年11月に建設を開始し、2年弱での完成となった。240百万ユーロを投じた第1フェーズでは、2015年までに年産能力400万本を目標としている。従業員数は800名超。なお、同社は現在、Kalugaに3つの生産拠点を保有している。新工場「OOO Continental Kaluga」の建設のほか、自動車用電子部品や燃料供給部品の生産工場「OOO Continental Automotive Systems RUS」の拡張に向けても投資を行っている。同時に、エアコンおよびパワーステアリングシステム用部品の生産を行うContiTechの工場も完成間近となっている。(2013年10月29日付プレスリリースより)

-パワートレイン部門がロシアのKalugaに新工場を建設すると発表。投資額は約20百万ユーロで、エンジンコントロールユニットおよび燃料供給ユニットの生産能力を大幅に拡大する計画。新工場におけるエンジンコントロールユニットの年産能力は、最大100万ユニットを見込んでいる。生産エリアは約7,200平方メートル。2013年半ばに完成し、2014年2月に生産を開始する予定。2016年までに従業員数は約100名に達する見込み。Continentalグループは現在、Kaluga拠点に約400名の従業員を抱えており、そのうち230名超が自動車部門に属している。(2013年4月4日付プレスリリースより)

<ルーマニア>
-ルーマニアのBrasov近郊にある工業団地内に、燃料ポンプおよび燃料供給ユニットの生産工場を新たに開設。投資額は40百万ユーロで、年間700万の燃料供給ユニットを生産する。年内に従業員約500名が新工場で勤務を開始する予定。(2013年10月1日付プレスリリースより)

<スロバキア>
-スロバキアのPuchov工場において、トラック・バス用タイヤの年産能力を現在の約260万本から2014年に300万本超まで引き上げる。投資金額は約100百万ユーロ。同工場は、Continentalの第3世代バス用タイヤを生産する初めての工場となる。(2013年6月27日付プレスリリースより)

<中国>
-中国・江蘇省にある常熟 (Changshu) 工場の拡張を完了したと発表。床面積を7,600平方メートル拡げ、生産能力の引き上げおよび電動パーキングブレーキ (EPB) の現地生産を行う予定。投資額は36百万ユーロ。同工場では、2014年から中国と日本の自動車メーカー向けにEPBを納入する予定。今回の拡張により、同工場の従業員数は2,250名に達し、年産能力は前年比約30%増となる見込み。(2013年9月3日付プレスリリースより)

<米国>
-2014年、サウスカロライナ州Sumterのタイヤ工場が稼働。今後予定されている第1期拡張プロジェクトが終了する2016年には、タイヤの年産能力は約4百万本となり、2021年には8百万にする計画。

-米国イリノイ州のMount Vernonにあるタイヤ工場の拡張に向け、129百万米ドルを投資すると発表。今回のプロジェクトではまず、95百万ドルを投じて商用車用タイヤの生産エリアの拡張を行う。拡張完了後、同工場では従業員80名超を増員するとともに、年産能力は3百万本を超える見込み。また、残りの34百万ドルはミキシング工場の技術や設備のほか、倉庫の拡張に投じる予定。完成は2014年で、30名超の増員を見込んでいる。(2013年1月28日付プレスリリースより)