マツダ:SKYACTIV搭載のCX-5と新型アテンザが利益増に貢献

新興国事業を強化し、2015年度に海外生産比率50%を目指す

2013/04/11

要 約

新型Mazda6(アテンザ)
SKYACTIVを全面採用し、販売・利益増に
貢献する新型Mazda6(アテンザ)
(2013年1月のデトロイトオートショーから)

 マツダは、2008年リーマンショック以降の世界需要の減退と円高のため、2008~2011年度4期連続の最終赤字に陥った。その間、国内から輸出しながら利益の出る体制づくり(具体的にはSKYACTIV技術とモノ造り革新などの構造改革プラン、下記の表と関連レポートを参照ください)に取り組んだ。その成果を盛り込んだCX-5(2012年2月発売)と新型アテンザ(11月発売)は、優れた環境性能と2012年の円高でも利益が出るコストを実現し、2012年度の販売増と利益増に貢献した。2012年度の連結営業利益は前年度比837億円改善する見込みだが、うち376億円が2モデルの発売効果だとしている。2012年度は5期ぶりの最終黒字(2013年2月時点の予想で260億円)を見込む。

 超円高は修正されつつあるが、需要が増加している新興国の事業を強化し、また為替に左右されない事業基盤構築のために海外生産を強化するとしている。2012年度の海外生産比率は約30%だが、2015年度世界販売を170万台に拡大し、国内・海外それぞれ50%(85万台)を生産する計画。2012年10月にロシアのウラジオストクでKD生産を開始、11月に中国事業を3社の合弁から長安・マツダと長安・フォードの合弁2社の体制に切り替えることにつき中国政府の最終認可を取得し、今後の増産を志向する。2014年にメキシコ工場を年産14万台で稼動させ、2015年度23万台に増強、2015年にタイでトランスミッション40万基の生産を開始する。

 マツダは、SKYACTIVとモノ造り革新で高めた競争力をもって、海外展開を進めるとしている。

中長期施策の枠組みを強化する構造改革プラン

①SKYACTIVによるビジネス革新
②モノ造り革新による更なるコスト改善の加速
③新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築
④グローバルアライアンスの推進

資料:マツダ決算発表のプレゼンテーション 2012.2.2
(注) 中長期業績見通し(2015年度)は、営業利益 1,500億円、売上高営業利益率 6%以上、グローバル販売台数 170万台。また為替レートは、ドル77円、ユーロ100円を前提としていた。


関連レポート:マツダ:SKYACTIVとモノ造り革新で反転攻勢へ(2012年3月掲載)



主要市場の動向

マツダのグローバル販売台数

(1,000台)
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2011年度
4~12月期
2012年度
4~12月期
2012年度
予想
国内 256 219 221 206 206 137 150 217
北米 406 347 307 342 372 266 270 380
欧州 327 322 239 212 183 129 119 177
中国 101 135 196 236 223 165 129 170
その他 273 238 230 277 263 194 225 306
合計 1,363 1,261 1,193 1,273 1,247 891 893 1,250

資料: マツダ決算発表資料 2013.2.2

 

日本市場:2012年にCX-5を3.5万台販売、ディーゼル車比率が76%

 マツダの2012年国内販売台数は、前年比15%増加し21.8万台。2月に発売したCX-5を3.5万台販売し、最量販車デミオに次ぐ台数となった。うち76%に当たる26,835台がディーゼルエンジン車。また国内SUV(自販連区分)販売台数で第一位を獲得した。

 11月に新型アテンザを発売した。

日本国内のモデル別販売台数

2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
アテンザ
アクセラ
RX-8
7,661
22,067
4,187
15,865
15,475
3,283
7,396
26,074
1,516
7,101
26,163
964
4,582
18,183
938
5,218
15,016
1,849
MPV
CX-7
CX-5
20,530
5,045
13,444
1,332
7,031
572
6,237
641
4,908
568
3,016
33
35,434
プレマシー
ロードスター
ビアンテ
26,138
3,851
21,879
1,870
11,060
15,202
1,947
10,860
25,561
1,112
11,906
20,424
1,081
9,651
15,230
939
8,740
デミオ
ベリーサ
65,484
13,850
64,984
11,912
55,601
10,163
65,947
10,610
61,720
7,573
57,807
6,216
商用車他 29,605 26,213 18,730 17,599 14,855 16,300
登録車 198,345 187,234 155,046 173,802 144,452 165,755
軽自動車 55,718 57,299 49,250 49,945 45,473 52,606
合計 254,063 244,533 204,296 223,747 189,925 218,361
資料:日本自動車販売協会連合会
(注) 1. 分類上の相違から、車名別の合計と「登録車」台数は一致しない。
2. ロータリーエンジン車RX-8は、2012年6月で生産を終了した。

 

米国市場:2012年にSKYACTIV搭載車販売比率が50%

 2012年米国販売台数は、前年比10.6%増加し27.7万台。CX-5は3月に発売し、累計4.3万台販売した(モデル別販売台数ではMazda3の12.3万台に次ぎ2位)。2012年暦年でSKYACTIV搭載モデル(CX-5とMazda3のうちのSKYACTIV搭載車)が約50%を占め、2011年の販売台数25万台から2012年27.7万台への増販に貢献した。

 2013年1月に新型Mazda6(アテンザ)を発売、2013年後半には2.2Lディーゼルエンジン車も設定する。2013年に米国で30万台の販売を見込む。

 中期の計画では、2015年度に米国で40万台の販売を目指すとしている。

 

中国市場:2015年度に40万台販売を計画

 中国事業では、2012年11月に「長安フォードマツダ」の再編につき中国政府の全ての関連機関の承認を取得した。

 旧3社合弁会社は、南京工場を継承する長安・マツダと重慶工場を継承する長安・フォードとに分割された。マツダは、増産などの意思決定の自由度が高まるとされている。長安マツダは2013年にCX-5の生産を開始する。また2013年に技術開発センターも開設する。

 マツダは、第一汽車系の一汽乗用車とも合弁事業を展開している。2013年1月にCX-9の輸入販売を開始、春先にCX-7、年度後半に新型Mazda6(アテンザ)の現地生産を開始する。

 2012年販売台数は,輸入車を含め一汽系で11.4万台、長安系で7.3万台、合計18.7万台。2013年は20万台の販売を計画。店舗数を2012年末の403店舗から2013年末450店舗に拡大する。

 マツダは2015年度に、中国市場で合計40万台の販売を目指す。チャネル別内訳は、長安系で20万台、一汽系で20万台と報道されている。

中国事業の事業体制

社名 マツダ
出資比率
中国事業統括 マツダ(中国)企業管理有限公司(Mazda Motor (China) Co., Ltd.)が、2つの販売チャネルである「長安マツダ」「一汽マツダ」を統括し、統一したブランド戦略を展開している。 100%
長安汽車との合弁事業
社名 マツダ
出資比率
生産拠点 (2012年11月30日から)長安マツダ汽車有限公司(Changan Mazda Automobile Co., Ltd.)が南京工場で生産。年産能力は22万台。 50%
(2012年11月29日まで)長安フォードマツダ汽車有限公司 (CFMA: Changan Ford Mazda Automobile Co., Ltd.)が南京工場と重慶工場で生産していた。 15%
長安フォードマツダエンジン有限公司 (Changan Ford Mazda Engine Co., Ltd.) 25%
販売拠点 長安マツダ汽車有限公司の販売部門 50%
開発拠点 2013年にも、長安汽車と合弁で技術開発センターを設立する。マツダの低燃費技術を活用した独自ブランド車も開発する計画。 50%

(注) エンジン生産は、従来の3社合弁での事業を継続する。

第一汽車との合弁事業
社名 マツダ
出資比率
生産拠点 一汽乗用車 (FAW Car Co., Ltd.)にアテンザなどの生産を委託している。 出資なし
販売拠点 一汽マツダ汽車販売有限公司 (FAW Mazda Motor Sales Co., Ltd.) 40%

 

アセアン市場:2015年度に15万台販売を目指す

 アセアン市場では、2015年度に、販売台数を現在より5割多い15万台に拡大する計画(2012年4~12月に前年同期比63%増の7.8万台を販売した)。国により好みの車のタイプに違いが大きく、タイではピックアップトラック、インドネシアではミニバン、マレーシアでは乗用車に人気がある。各国の状況に応じて、販売車種を拡充し販売店網を整備していく。

 インドネシアでは、2012年にピックアップトラックの新型BT-50やミニバン・ビアンテを発売、さらに2013年5月をめどにスズキが現地生産するミニバン・エルティガを年間1万台規模でOEM調達し、インドネシアでの販売を2015年3万台に拡大する計画と報道されている。

 

 



モデル計画:SKYACTIVとモノ作り革新の成果、CX-5と新型アテンザを発売

 マツダは2012年2月に、SKYACTIVを初めて全面的に採用したCX-5を発売した。CX-5は同時にマツダが取り組んできた「モノ造り革新」を集約した車であり、77円の円高環境下で輸出しても利益が出せるとしている。想定を上回る受注があり、CX-5の国内生産能力を当初の16万台から2013年3月24万台に増強した。2013年度には、中国、ロシア、マレーシア、ベトナムでも生産する。

 11月に発売した新型アテンザもSKYACTIV技術とモノ造り革新を集約した車種で、2012年の為替水準で輸出しても利益が出るコストを実現した。2013年には主要市場と見込む米国・中国にも投入する。世界販売目標は年間24万台。

 新型アテンザでも、発売1月間の受注でディーゼルエンジン車が76%を占めた。マツダは、新しいディーゼルエンジン車市場を創出したとしている。

 

SKYACTIV搭載比率を2015年80%に引き上げ、"Japan Premium"政策を推進

 SKTACTIV搭載車は、走行性能など商品価値が高く、コスト低減により利幅が拡大し、しかも正価販売によりメーカーと販売店の収益向上に大きく貢献している。

 搭載比率は2012年度で30%程度だが、2015年度に80%へ引き上げるとしている。

 また新型アテンザを機に、"Japan Premium"政策を推進する。

SKYACTIV搭載車比率

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
搭載比率 7%程度 30%程度 50% - 80%
搭載車種 デミオ(一部)、
アクセラ(一部)
CX-5(全車)
アテンザ(全車)
プレマシー(一部)
既搭載車種を含め、
2015年度までに8車種に搭載を拡大する。

資料:マツダ決算発表資料 2012.2.2
(注) マツダは、上記の計画に対応して、本社エンジン工場のSKYACTIV(ガソリンおよびディーゼル)エンジンの生産能力を、2012年10月にそれまでの40万基から80万基に増強した。SKYACTIVエンジンは、中国やメキシコでも生産し、2015年度に150万基の供給体制を整える計画。

 

"Japan Premium"の商品政策を推進

背景  世界シェア2%のマツダが、自動車メーカーとして生き残るため、存在感を高め、輝くブランドを構築する方策の一つとしてマツダ社内で検討している。商品計画に反映させていくが、顧客へのPRには"Premium"という言葉は使用しない。
主眼  CX-5から採用した新デザインテーマ「魂動(こどう)」に基づくデザイン、走行性能と環境性能を両立させたSKYACTIV技術、安全装置、上質な室内装備などを訴求。またそれを実現するマツダ技術者の感性や匠の技を強調する。
価格など  販売のインセンティブを減らし、残存価格の維持を図り、顧客の支払うリース代金を減らすとともにメーカー販売店も利益を高める。一方、"Premium"は、少なくとも今すぐに高額な"Luxury車"を目指すものではなく、価格を引き上げることはしない。

資料:日刊自動車新聞 2012.11.21、Automotive News 2012.11.26
(注) 米国で販売する2.5Lエンジンを搭載する中型セダンの価格は、トヨタ・カムリ 22,235ドル~、日産・アルティマ 21,495ドル~、Mazda6 20,880ドル~。

 

マツダのモデル計画(2012~2014年)

モデル 発売年月 概要
CX-5 2012年2月  新型CX-5は、初めて「SKYACTIV技術」を、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、トランスミッション、ボディー、シャシーの全てに採用した。2.2Lディーゼルエンジンは、高価なNOx後処理装置なしで日本のポスト新長期規制やEuro6規制に適合しながら、全てのSUV(注)のなかでトップとなるJC08モード燃費18.6km/Lを達成した。2.0L直噴ガソリンエンジン車の燃費は16.0km/L。全機種がエコカー減税の対象になっている。
(注)2012年1月現在、日本で販売されている全てのSUVで、ハイブリッド車、軽自動車を含む
 CX-5は、モノ造り革新によるコスト改善により、CX-7に比べ台当たり変動利益(売上高ー変動費)を15万円改善し、1ドル77円の円高条件下で輸出しても利益が出るコストを実現した。
 ディーゼルエンジン車は、ガソリン車比38万円高となるが、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金制度を利用することで、約20万円の差となる。
 2月に発売し、12月末までに国内で35,438台販売し、SUV(自販連区分)国内販売第一位を獲得した。またディーゼルエンジン車は26,835台で、75.7%を占めた。
デミオEV 2012年10月  マツダは2012年10月、デミオベースEVのリース販売を開始した。20kWhのリチウムイオン電池(「18650」サイズのリチウムイオン電池をパナソニックと共同開発)を搭載し、航続距離は200km、税込価格は357.7万円。中国地方の自治体や法人顧客を中心に約100台リース販売する。
新型アテンザ 2012年11月  マツダは、2012年11月、マツダのフラッグシップモデルであるアテンザの新型車(セダンとワゴン)を防府第2工場で生産し発売した(年間12万台の生産を計画)。2013年に主要市場である米中に投入。世界生産体制が整った段階で、年24万台の販売を目指す。
 エンジンはガソリンエンジンSKYACTIV-G2.0/2.5と、ディーゼルエンジンSKYACTIV-D2.2を搭載。ディーゼル・セダンMT車の燃費は22.4km/Lで、ハイブリッド車を除き3ナンバーのセダン・ワゴンとしてトップ。2.0Lガソリン車は、先代の2.0Lエンジン車比30%燃費を改善した。
 マツダ独自のアイドリングストップ「i-stop(アイ・ストップ)」、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を全車に搭載。先進安全技術「i-ACTIVESENSE(アイ・アクティブセンス)」を採用した。
 新型アテンザは、発売後1月間で、月間販売計画1,000台の7倍を超える7,300台を受注した。ディーゼルエンジン車が76%を占め、また安全装備「i-ACTIVESENSE」搭載車比率は69%に達した。
プレマシー
改良車
2013年1月  2013年1月、ミニバン・プレマシーをマイナーチェンジ、SKYACTIVのガソリンエンジンと6速ATを2WD車の主力機種に搭載し、2000ccクラス・ミニバン・トップとなる燃費16.2km/Lを達成した。
新型
フレアワゴン
2013年4月  トールワゴンタイプの軽乗用車で、2WD車は29.0km/Lの燃費を実現した。スズキ・スペーシア(旧車名パレット)のOEM車。
Range-extended
EV
2013年  2013年に、水素ロータリーエンジン(RE)をレンジエクステンダーとして搭載するEV(2012年10月に発売したデミオとは別の車種とされる)のリース販売を開始する。REは専ら発電用に使用し、航続距離は400km以上となる見込み。
ハイブリッド車 2013年  トヨタのハイブリッド技術を導入し、SKYACTIVエンジンと組み合わせた、マツダ初のハイブリッド車を発売する。
新型アクセラ 2013年後半  2013年後半に、SKYACTIVを全面採用する新型アクセラを発売する。CX-5/アテンザに搭載している2.2Lディーゼルエンジンも搭載すると報道されている。
新型デミオ 2014年  2014年に、SKYACTIVを全面的に採用する次期型デミオを発売する。メキシコ工場でも生産する。
 現在も販売を継続しているプレミアム・コンパクト車「ベリーサ」は、2代目デミオベースで、現行(3代目)デミオでは派生車の設定はない。次期型デミオでは、トールワゴンタイプ、SUVや次期型ベリーサなどの派生車を投入する見込み。

 

 



生産体制:2015年度に、世界生産の50%(85万台)を海外で生産

 マツダは、世界生産の70%強を国内で生産し、国内生産の75%~80%を輸出している。

 超円高は修正されつつあるが、中長期では消費地での生産を増やしていく方針。現在の海外生産比率約30%を2013年度に40%に引き上げ、2015年度には販売目標170万台の50%に当たる85万台を海外で生産する計画を発表している(2012年2月発表)。

 国内生産は、地域の産業と雇用を守るために年85万台生産を維持するとしており、今後販売を拡大させる分に応じて海外生産を強化していくことになる。

マツダの世界生産台数

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2011年度
4~12月期
2012年度
4~12月期
国内生産 1,046,948 899,448 827,910 866,992 846,574 634,146 633,122
国内生産比率 79.0% 79.3% 72.4% 67.9% 71.4% 72.4% 71.9%
海外生産 279,042 234,707 315,594 410,502 338,372 241,792 247,153
世界生産 1,325,990 1,134,155 1,143,504 1,277,494 1,184,946 875,938 880,275
日本からの輸出台数
輸出台数 825,153 742,571 649,260 719,445 653,847 487,377 505,420
輸出比率 78.8% 82.6% 78.4% 83.0% 77.2% 76.9% 79.8%
(注) 1. 海外生産台数は、100% 現地生産車を含めて、マツダブランド車のラインオフ台数 (CKDを除く)。
2. Fordと合弁の米国AAI(AutoAlliance International)でのMazda6(先代アテンザ)の生産は、2012年8月に終了した。2012年1~8月に37,566台生産した。

 

海外生産体制の強化

工場・現地法人 生産開始 概要
ベトナム 2011年10月  ベトナムでは、2011年10月からヴィナマツダ社(Vina Mazda)でMazda2をKD生産し、Mazda3(アクセラ)などを輸入販売している。生産能力は1直稼働で年10,000台。ヴィナマツダは現在100%現地資本だが、出資して関係を強化することも検討している。
タイAAT 2012年5月
能力増強
 2012年5月、フォードと合弁のタイAAT(AutoAlliance Thailand)でのピックアップトラック(マツダBT-50とフォードRanger)生産能力を2万台増強し、年産14万台(CKDを含め19.5万台)とした。AATの乗用車を含めた生産能力は24万台(CKDを含め29万台)となった。
 AATでは、他にMazda2(デミオ)、Mazda3(アクセラ)、フォードEverest、フォードFiesta(Mazda2の姉妹車)を生産している。
マツダ・
マレーシア
2012年9月  2012年9月、現地のベルマツモーター(Bermaz Motor)社と合弁で、マツダ車の現地組立事業を行う「マツダ・マレーシア」を設立した。マツダが70%を出資する。既に2011年1月からMazda3の現地組立を行っているが、2013年春からCX-5の組立も開始する(年間生産目標は、それぞれ3,000台)。
ロシア・
ソラーズ
2012年10月  マツダは、ロシアのウラジオストク市で、ソラーズ社との合弁会社(MAZDA SOLLERS Manufacturing Rus)を設立し、2012年10月からKD生産を開始した。CX-5、新型アテンザと、ソラーズブランド車を生産する。生産開始時の生産規模は年間5万台だが、将来は車体、塗装工場を建設し、年10万台規模の生産能力を目指す。
メキシコ工場 2014年初  マツダはメキシコに年産能力14万台の新工場を建設し、2014年初めからMazda2(デミオ)とMazda3(アクセラ)を生産する。総投資額5億ドルで、マツダが70%、住友商事が30%出資する(2011年6月発表)。エンジン組立工場も併設する。
 当初の計画では、まずブラジルに輸出する計画であったが、メキシコからブラジルへの乗用車輸出が制限されることが決定し、ブラジルへの輸出が困難になった。このため、第2段階で予定していた北米への輸出を当初から行うことに変更した。
 マツダは、2015年夏からデミオベース小型車年5万台をトヨタへOEM供給する(2012年11月発表)。トヨタも応分の設備及び開発費用を拠出する。供給する小型車は、エンジンや変速機など基幹部品はデミオに搭載するSKYACTIVを活用してマツダが中心で開発し、デザインはトヨタが担当する。 マツダは2015年度に、トヨタ車生産およびマツダ車増産のため、メキシコ工場の生産能力を23万台に増強する。
タイ
変速機工場
2015年度
上期
 マツダは260億円を投資して "Mazda Powertrain Manufacturing (Thailand)"を設立し、タイに年産40万基のトランスミッション工場を建設する。同社のタイ完成車工場AATの北5kmに建設して、2015年度上期からSKYACTIV技術対応のトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」の生産を開始する(2013年1月発表)。
 マツダは、トランスミッションを防府工場を中心に国内で100~110万基を生産している。タイにマツダ第2のトランスミッション工場を建設し、国内でのトランスミッション生産を維持しながら、販売台数増加分をタイで生産する計画。

(注) マツダは、ブラジルでのKD生産を検討中と報道されている。

 

 



グローバルアライアンスの推進

 マツダは、多様な提携先と共同で個別事業を推進している。具体的には、トヨタ(ハイブリッド技術の供与を受ける、メキシコでトヨタ車を生産)、日産(相互のOEM供給、2013年3月にSKYACTIVを搭載するプレマシーのOEM供給も開始)、いすゞ(エルフのOEM供給を受けマツダ・タイタンとして販売)、スズキ(軽四輪車のOEM供給を受ける)、他にロシアのソラーズ、中国の第一汽車と長安汽車と提携している(詳細は別掲)。

 2013年1月、新たにFiatとの提携を正式契約した。

2015年から、アルファ ロメオ向けスポーツカーをマツダの本社工場で生産

 マツダとFiatは、2012年5月、「マツダ次期型ロードスターのFRアーキテクチャをベースに、マツダおよびFiat傘下のアルファ ロメオ向けのオープン 2シータースポ-ツカーの開発、生産」に向けた協議を開始することで合意し、2013年1月に正式契約した。
 マツダは、2015年からアルファ ロメオ向けスポーツカーをマツダの本社工場で生産することを想定。マツダとFiatは、それぞれ独自のデザインで、それぞれのエンジンを搭載する。

 

 



2012年度決算:CX-5と新型アテンザ効果だけで、連結営業利益が376億円増加

 マツダによると、円高が続いていた2012年度第1四半期~第3四半期(4~12月)も、CX-5他のSKYACTIV搭載車が貢献し、営業利益が黒字化していた。第4四半期(2013年1~3月期)は、SKYACTIVを搭載する新型アテンザが加わり、為替前提変更による利益も上乗せされる。

 2012年度通期で、連結営業利益が837億円増加するが、そのうち376億円がCX-5と新型アテンザの効果としている。

 その結果、2012年度は450億円の営業利益、260億円の最終黒字を見込んでいる。この数値は、2013年1~3月の為替レート1ドル85円、1ユーロ110円を前提としているので、最終の決算数値はさらに上方修正されると思われる。

マツダの連結業績

(100万円)
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2011年度
4~12月期
2012年度
4~12月期
2012年度
予想
売上高 国内
海外
880,100
2,595,700
620,300
1,915,600
575,000
1,588,900
541,500
1,784,200
560,200
1,472,900
395,000
1,023,300
414,600
1,120,600
580,000
1,610,000
合計 3,475,789 2,535,902 2,163,949 2,325,689 2,033,058 1,418,302 1,535,190 2,190,000
営業利益
経常利益
当期純利益
162,147
148,461
91,835
(28,381)
(18,680)
(71,489)
9,458
4,644
(6,478)
23,835
36,862
(60,042)
(38,718)
(36,817)
(107,733)
(54,279)
(58,106)
(112,844)
19,641
21,394
25,568
45,000
28,000
26,000
設備投資
研究開発費
75,500
114,400
81,800
96,000
29,800
85,200
44,700
91,000
78,000
91,700
50,200
69,900
53,200
65,100
87,000
92,000
為替
レート
円/US$ 114 101 93 86 79 79 80 81
円/EUR 162 144 131 113 109 111 102 104

資料:マツダ決算発表資料
(注) 2012年度第4四半期(2013年1~3月)の為替レート見込みは、1ドル85円、1ユーロ110円。

 

2012年度通期の営業利益変動見込み

(億円)
前年度実績 台数・構成 為替 コスト改善 販売費用 その他 変動合計 当年度見込
(387) 376 85 367 (80) 89 837 450

資料:マツダ2012年度4~12月期決算発表資料
(注) 台数・構成の376億円は、CX-5と新型アテンザ発売効果。グロ-バル販売台数における比率は2割程度だが、モノ造り革新によるコスト低減により貢献度が大きいとしている。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>