マツダ:SKYACTIV搭載のCX-5と新型アテンザが利益増に貢献

新興国事業を強化し、2015年度に海外生産比率50%を目指す

2013/04/11

要 約

新型Mazda6(アテンザ)
SKYACTIVを全面採用し、販売・利益増に
貢献する新型Mazda6(アテンザ)
(2013年1月のデトロイトオートショーから)

 マツダは、2008年リーマンショック以降の世界需要の減退と円高のため、2008~2011年度4期連続の最終赤字に陥った。その間、国内から輸出しながら利益の出る体制づくり(具体的にはSKYACTIV技術とモノ造り革新などの構造改革プラン、下記の表と関連レポートを参照ください)に取り組んだ。その成果を盛り込んだCX-5(2012年2月発売)と新型アテンザ(11月発売)は、優れた環境性能と2012年の円高でも利益が出るコストを実現し、2012年度の販売増と利益増に貢献した。2012年度の連結営業利益は前年度比837億円改善する見込みだが、うち376億円が2モデルの発売効果だとしている。2012年度は5期ぶりの最終黒字(2013年2月時点の予想で260億円)を見込む。

 超円高は修正されつつあるが、需要が増加している新興国の事業を強化し、また為替に左右されない事業基盤構築のために海外生産を強化するとしている。2012年度の海外生産比率は約30%だが、2015年度世界販売を170万台に拡大し、国内・海外それぞれ50%(85万台)を生産する計画。2012年10月にロシアのウラジオストクでKD生産を開始、11月に中国事業を3社の合弁から長安・マツダと長安・フォードの合弁2社の体制に切り替えることにつき中国政府の最終認可を取得し、今後の増産を志向する。2014年にメキシコ工場を年産14万台で稼動させ、2015年度23万台に増強、2015年にタイでトランスミッション40万基の生産を開始する。

 マツダは、SKYACTIVとモノ造り革新で高めた競争力をもって、海外展開を進めるとしている。

中長期施策の枠組みを強化する構造改革プラン

①SKYACTIVによるビジネス革新
②モノ造り革新による更なるコスト改善の加速
③新興国事業強化とグローバル生産体制の再構築
④グローバルアライアンスの推進

資料:マツダ決算発表のプレゼンテーション 2012.2.2
(注) 中長期業績見通し(2015年度)は、営業利益 1,500億円、売上高営業利益率 6%以上、グローバル販売台数 170万台。また為替レートは、ドル77円、ユーロ100円を前提としていた。


関連レポート:マツダ:SKYACTIVとモノ造り革新で反転攻勢へ(2012年3月掲載)

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