スバルの新世代アイサイト:3D高精度地図を搭載し渋滞時ハンズオフを実現
ステレオカメラの視野角を拡大、前側方レーダーを新装備
2021/03/05
- 要約
- SUBARU:ステレオカメラのみの運転支援システム「アイサイト」を開発
- 新型Levorgに新世代アイサイトを初搭載
- 新世代アイサイト:前側方プリクラッシュブレーキを設定、交差点での衝突回避を強化
- アイサイトX:3D高精度地図ユニットを搭載し、渋滞時ハンズオフを実現
- 2020年代後半にステレオカメラとAIを融合し、安全性を高める
要約
新世代アイサイトを初搭載した新型Levorg (東京モーターショー2019に出品されたプロトタイプ) |
2021年1月に開催されたオートモーティブワールド セミナー2021において、株式会社SUBARU 第一技術本部 自動運転PGMゼネラルマネージャー 兼 先進安全設計部 担当部長 柴田英司氏より「スバルの先進運転支援システム"新世代アイサイト"のご紹介」と題した講演があった。本レポートは、同講演内容を中心に、新世代アイサイトの概要を報告する。
SUBARUは2020年10月に日本国内で発売した新型Levorgに「新世代アイサイト」を搭載した。新世代アイサイトでは、ステレオカメラの視野角を約2倍に拡大し、新たに前側方ミリ波レーダーを装備して、SUBARU初の「前側方プリクラッシュブレーキ」を設定、ステアリング制御により衝突を回避する機能「緊急時プリクラッシュステアリング」も設定した。
また、事故頻度の高い交差点での衝突回避をサポートするため、プリクラッシュブレーキの作動領域を拡大、自車が右折または左折する際の対車両、対歩行者の衝突回避機能を高めた。
新型LevorgのEX仕様には、新世代アイサイトに自動車専用道路での高度運転支援システムを追加した「アイサイトX」を設定した。従来のアイサイトの上にアイサイトXを配置した、いわば二階建ての構造になっている。3D高精度地図ユニットや新型電動パワーステアリングなどを搭載。渋滞時(0~50km/h走行時)ハンズオフ、車線変更アシスト(アクティブレーンチェンジアシスト)を実現、またドライバー異常時に対応するシステムも設定した。
SUBARUは、2020年代後半に向けて、予防安全性をさらに高めていく計画。運転支援技術の更なる進化を図るとともに、認識判別力の向上、統合制御の拡大により一般道事故シーンへの対応強化を進める。インフラ・コネクテッドとの連携を促進し、自動駐車、自動バレー駐車などの自動運転システムの導入も進める。さらにステレオカメラとAIを融合し、あらゆる道路での安全性を高めるとしている。
なお新世代アイサイトは、SAE基準の自動運転レベル3ではなく、レベル2の範囲内でできる限りの安全性向上を図ったとしている。
関連レポート:
SUBARU:新世代アイサイトを核にADASを高度化、トヨタと電動化を推進(2020年6月)
東京モーターショー2019:マツダ、SUBARU、スズキ、ダイハツの出展(2019年11月)
日本市場の新型車装備(下):日産、三菱、マツダ、SUBARU、スズキ編(2019年5月)
スバル:リコール費と売上減により2018年度通期で42%営業減益見込み(2019年1月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。