日独OEM8社の4WDハイブリッドシステム比較

名古屋オートモーティブワールド2019:SUBARU独自のHEVシステム e-BOXER

2019/10/24

要約

  第2回目の開催となる名古屋オートモーティブワールド(会期:2019年9月18日~20日、会場:ポートメッセなごや)には中部地域の企業が数多く出展した。展示施設は今後拡張される予定で、さらに多方面から企業の参加が増えるものと思われる。会期中に行われた各種講演では国内OEM 5社、海外OEM 2社、メガサプライヤー 4社をはじめ、多数の著名企業が登壇。こうしたグローバル企業の生の声が中部地域の企業に届き、繋がりができることは、このイベントの意義のひとつであろう。

  本稿ではSUBARU独自のハイブリッドシステム「e-BOXER」に関する講演内容を報告する。また、日独カーメーカーの4WDハイブリッドシステムを一覧表にまとめ、e-BOXERの独自性を確認した。

今後は混雑が緩和すると期待される xEV系部品の展示
第2回名古屋オートモーティブワールド2019
EV・HEV駆動システム技術展 会場風景
xEV系部品の展示

(執筆者撮影、以下同様)

 

第2回名古屋オートモーティブワールドの概要

  ポートメッセなごや(以下ポートメッセ)は、中部地域の中核となる見本市会場として1973年に現在の第1展示館が完成した。その後も拡大され、1993年に現在の第1~3展示館および交流センターの規模となった。2014年から自動車技術会(JSAE)主催の展示会「人とくるまのテクノロジー展 名古屋」が開催されており、リードエグジビションジャパンが主催する自動車産業界のトレードショー「名古屋オートモーティブワールド」も昨年より開催されることとなった。

  2019年9月18~20日の3日間、ポートメッセの第2~3展示館、イベント館および交流センターを使用した2万平方メートルの会場に約400社が出展した。東京での開催(会場:東京ビッグサイト)は9.8万平方メートル、1,000社と比較すると、小面積かつ高密度であることが分かる。

  • 出展企業:今回は中部地方を本拠とするTier 2, 3の製造業やスタートアップ企業、あるいは生産・試験設備等の販売会社が主で、自動車メーカーやEVコンポーネントメーカーの出展はSUBARUのモーターメーカー、TOPを除き、ほとんどなかった。ポートメッセは今後も拡張される計画であり、回を追うごとに大規模・多方面の企業が参加してくるものと思われる。
  • 基調講演・特別講演:イベント館およびポートメッセに隣接する武田テバオーシャンアリーナでは国内外のOEMやメガサプライヤーによる講演が多数行われた。


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