電動車のパワートレイン技術:トヨタTHSⅡ用モーターを活用した新ユニットなど
自動車技術会2019年春季大会の学術講演より
2019/06/18
- 要約
- トヨタ:RAV4ハイブリッド4WD搭載の新型E-Fourリヤトランスアクスル
- スバル:クロストレック搭載のハイブリッドトランスミッション
- ホンダ:フィット、フリード搭載の重希土類フリーハイブリッド用駆動モーター
要約
「人とくるまのテクノロジー展2019」が5月22~24日にパシフィコ横浜で開催されたのと同時に自動車技術会・2019年春季大会が開催された。学術講演(89セッション、433講演)では要素技術の研究発表が目立つが、市販車に採用した新技術に関し、各メーカーが製品の特長や工夫点などを解説した。
本稿では「動力伝達系の最新技術I」、「動力伝達系の最新技術II」、「EV/HEV主機用モーター」セッションの講演の中から電動車のパワートレイン技術に関する講演として、①トヨタのRAV4搭載の新型E-Four(電動ハイブリッド4駆)リヤトランスアクスル、②スバルのクロストレック搭載のハイブリッド、③ホンダのハイブリッド(i-DCD)用駆動モーターを紹介する。
①②では新たな電動パワートレインの開発内容が紹介されたが、いずれもトヨタがプリウス、カムリ等のFFハイブリッド車に搭載したTHSⅡ用モーターの活用である。①では駆動モーター(MG2)、②では発電機(MG1)と駆動モーター(MG2)を用いて改造ユニットを開発した。トヨタは2019年4月に電動化技術特許の無償提供を発表しており、自由に他社が本方式モーターを採用できる環境を整備しモーターのコストダウンを志向している。「人とくるまのテクノロジー展2019」の会場においてもTHSⅡモーターの1つである4代目プリウス搭載の駆動モーター(MG2)が展示されていた。講演にあったTHSⅡモーターも採用数量増大によるHV関連部品のコストダウンを狙ったものである。
③では供給リスクが消えない重希土類(ディスプロシウム、テルビウム等のヘビー・レアアース)を使用しないハイブリッド用駆動モーターの開発内容が紹介された。
自動車技術会・2019年春季大会 学術講演会が開催されたパシフィコ横浜・会議センター |
トヨタ 4代目プリウス用駆動モーター(MG2) (人とくるまのテクノロジー展2019 トヨタブースの展示) |
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