一帯一路:中国OEMの海外進出、アジア、アフリカを中心に展開

各社とも輸出から現地生産への転換を図る

2018/09/21

要約

 中国が国家戦略として掲げている「一帯一路」は、2013年9月にカザフスタンで提起された「シルクロード経済ベルト」、10月にインドネシアで提起された「21世紀海のシルクロード」を合わせた略称である。中国商務部の発表によると、2018年上半期における「一帯一路」エリアの55カ国に74億ドルの新規投資を行ったとのことである。2018年9月には、3年ごとに開催される「中国アフリカ協力フォーラム」が北京で開催され、約600億ドルの経済協力が表明された。

 中国自動車メーカーも「一帯一路」の国家戦略に則り、アジア新興国やアフリカを中心に、輸出及び現地化を推進している。上海汽車グループはタイ及びインドネシアで現地生産を行っており、新たにインドでの生産も推進。東風汽車グループは、乗用車から大型トラックまで幅広い車型を展開する。北京汽車グループは、中国自動車メーカーで過去最大の海外投資を行った工場を南アフリカに稼働させた。傘下の北汽福田汽車は、ピックアップトラックから大型トラックまで、幅広い地域に展開する。広州汽車グループは、英国に研究開発拠点やデザインセンターを設置するとともに、2019年に米国市場への参入を発表した。中国国内で販売が好調な吉利汽車グループは、プロトンへ資本参加を行い共同開発モデルをマレーシアに投入。将来的にはマレーシアを輸出拠点とする役割を計画。また、コネクテッドカーを展開する「Lynk & Co」ブランド車をベルギーで生産する。BYDは、欧州/北米/南米でEVバスの生産拠点を設立。モロッコやブラジルでは、公共交通領域へ参画している。

 本レポートでは、2018年上半期販売台数における上位グループを中心に取り上げた。


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