タイの日系部品メーカー:生産能力拡大、新品目追加、事業体制強化などが続く

タイガースポリマー、東レ、日軽金、日鍛バルブ、アイシン化工、ジェイテクト、パナソニック、デンソー/豊田通商など

2016/10/21

要約

タイの自動車工場マップ(クリックすると拠点マップが開きます)

 以下は、タイにおける日系自動車部品メーカーの新生産拠点構築、生産能力増強、生産品目拡大、事業体制・開発強化等の動きである (収録対象は、2016年9月下旬までの約1年間)。

 タイの2016年1-8月の自動車生産台数は、130.4万台(前年同期比3.4%増)と回復。国内販売台数は2016年1月の新物品税導入により一部モデルで減少したが、SUVの好調と税制の影響が少ないピックアップトラックの下支えにより、2016年1-8月に49.3万台(同0.2%増)となっている。輸出は、2016年1-8月に78.8万台(同1.0%増)である。

 タイをグローバル輸出拠点とする日系完成車メーカーの戦略に変更はない。タイの国内市場も2017年後半からの拡大が予想されていたが、タイ国王の死去に伴い消費心理の悪化が懸念されている。

 こうしたなか、日系自動車部品メーカーによるタイ国内の中期的な需要増対応や輸出拡大を図るための生産能力増強や生産品目拡大、コスト競争力強化の動きは引き続き活発。この他、新規進出、事業強化のための企業統合や合弁会社化、開発会社設立などの動きもみられる。










タイにおける日系自動車部品メーカーの動き

新規進出 クラレ(ブタジエン誘導品)、埼玉機器(大型車用ステアリング部品)、大同特殊鋼(トランスミッション用型鍛造部品)、東レハイブリッドコード(自動車用コード)、丸五ゴム(防振ゴム)
生産能力増強 <新工場>
タイガースポリマー(エアコンダクトなどの第4工場)、東レ/東レ・カーボンマジック(炭素繊維強化樹脂製部品の新工場に移転)、日本軽金属ホールディングス(アルミ2次合金の第2工場)
<工場拡張・同延期>
三ツ知(シート骨格機構部品などの新棟建設)、ジヤトコ(CVTの工場拡張延期)
<設備増強>
日鍛バルブ(エンジンバルブの最新合理化ライン)、プレス工業(ピックアップトラック用部品の新ライン)
生産品目拡大 <新工場・新会社>
アイシン化工(AT用湿式摩擦材の新工場建設)、神戸製鋼所(特殊鋼線材の合弁会社設立)、ジェイテクト(第2工場建設、ステアリング部品のクロス、シェルベアリング)、不二越(軸受の一貫生産のため鍛造・旋削部品の生産会社設立)
<設備増強>
住友理化(樹脂ホースモジュールの専用ライン整備)、東レ(PPS樹脂コンパウンドの生産設備新設)、パナソニック(車載部品用耐熱フェノール樹脂成形材料の生産ライン設置)
事業体制強化など 旭テック(工場のアルミ事業部門を分社化)、ジェイテクト(タイに東南アジアの統括拠点設置)、新日鉄住金(薄板事業2社を統合)、日信工業(ブレーキ事業強化のため合弁会社化)、フタバ産業(プレス金型の関連会社を法的整理)、盟和産業(内装部品会社を完全子会社に)
開発 <新会社設立>
デンソー/豊田通商(車載ソフトウェアの開発を強化するため合弁会社設立)

(資料)各社の計画から作成

 なお、タイ以外の東南アジアにおける日系自動車部品メーカーの動きは、2016年7月に掲載した “東南アジアの日系部品メーカー:インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピン、ラオス” に収録した。

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