パリモーターショー2022:HMI展示概要 (2)

ルノー、ステランティス、フォードの展示モデルとHMI

2022/12/20

要約

 本稿はパリモーターショー2022(Mondial de l'Automobile)に出展されたルノーグループ(ルノー、ダチア)とステランティス(プジョー、DSオートモビルズ、ジープ)、フォードの乗用車のHMIについて報告する。前回レポートで紹介した中国系メーカーのEVや新興EVブランドのHMIに続く後編となる。

 

本レポートで取り扱っているブランド/メーカー名一覧

取り扱っているブランド/メーカー名
前編 BYD、WEY/ORA(長城汽車)、Seres、VinFast、MG(上海汽車)、Sportequipe、Mobilize、Hopium、NamX、Aixam-Mega、Silence、City Transformer、XEV
後編 Renault、Dacia、Peugeot、DS Automobiles、Jeep、Ford


 今回のショーは日独韓のメーカーが不参加ということで盛り上がりが危惧されたが、中国・ベトナム車がそれらのメーカーを補うように大量に出展されており、新しい車を見るというモーターショー本来の意義は十分に保てたように感じた。

 またEV、PHVはもはや当たり前で、コンセプトカーは燃料電池車で欧州の現状の雰囲気をよく表していた。どのブランドもHMIの先進性を大きくアピールしており、HMIが商品性上極めて大きな要素になっていることが再確認できた。


 ルノー、プジョー、DSオートモビルズはいわばホームグラウンドでの発表であり、数多くのコンセプトカーや工夫をこらした展示で観客を沸かせていた。発表されたばかりのルノー・オーストラルやプジョー408、ジープ・アべンジャー、さらに改良・車種追加されたDS 3、DS 7/DS 9などに多くの家族連れが乗り込んでいた。週末の開催日には子供連れが多く参加していたが、印象的だったのは多くの家族が子供たちを展示車の運転席に座らせて家族全員でショーを楽しんでいるように見えたこと。将来の自動車産業の発展のためには子供が自動車に親しむという観点をもっと考えていく必要があるだろう。

 フォードはEVの商用車とセットでマスタング マッハEを展示していたが、フランスの観客の興味はあまり惹いていないように見受けられた。

# 家族連れが多く見られた
パリモーターショー2022 パビリオン入口風景 子供を運転席に座らせて説明する家族連れが多く見られた


 各車とも新しいHMIを大きくアピールしており、中国車と同様にディスプレイの大型化とスイッチ数の削減がトレンドになっている(ただし中国車ほど削減はされていない)。さらにフランス車はメーターや室内照明色をセットで変更できるエモーショナルな部分を大きくアピールしており、フランス的な感性を感じることができた。

 


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