ウィーンモーターシンポジウム2022(1)カーボンニュートラルなモビリティへの移行
Renault、ZF、Miba、Mercedes-Benz、VWの講演要旨
2022/06/22
- 要約
- ICEからE-TECHまで:エコシステムイノベーションで変革を受け入れる(ルノー)
- 次世代モビリティのパワートレイン:Now(ZF)
- Miba - クリーンな地球のための技術(Miba)
- VISION EQXX:ミッション効率(Mercedes-Benz)
- パネルディスカッション:フューチャーモビリティのためのパワートレイン
- 未来に備える - フォルクスワーゲンのゼロへの道(VW)
要約
公式ロゴ(43rd International Vienna Motor Symposium、主催:the Austrian Society of Automotive Engineers(ÖVK)、ロゴ:© ÖVK 2022) |
今年で43回目となるウィーン国際モーターシンポジウム(43rd International Vienna Motor Symposium)が、オーストリア自動車技術者協会(Austrian Society of Automotive Engineers (ÖVK))の主催により、2022年4月27日から29日までオーストリアのウィーンにあるホーフブルク宮殿で開催され、26ヵ国から約900名が参加した。
同時に並行セッションで3件ずつ、70以上の講演が行われた。そのうちの1件はオンラインセッションで、会場に直接行くことができない人も参加することができた。
このシンポジウムには、自動車の駆動技術分野を専門とする、自動車産業、大学、研究機関の管理者や専門家が参加し、持続可能なモビリティのための未来志向の開発や、脱炭素化問題への取り組み方法について議論を交わした。
今年のシンポジウムでは、カーボンニュートラルなモビリティへの移行に焦点が当てられた。さらに、カーボンニュートラルエネルギーや脱化石化、e燃料、水素燃焼エンジン、燃料電池、駆動モーターやエネルギー貯蔵施設の電化、自動運転、排気ガス後処理ソリューション、新しいトランスミッション技術などについても議論が交わされた。
すべての講演の議題は公式ウェブサイトで確認できる (https://wiener-motorensymposium.at/en/programme/programme/) 。また、以前のシンポジウムの会議資料も注文できる (https://wiener-motorensymposium.at/en/conference-documents/)。
参加者には初日の夜と休憩時間に、付随する展示会の41のブースを見学する機会が設けられた。サプライヤー、サービスおよびソリューションプロバイダー、研究機関、エンジニアリングコンサルタント企業が、最新の製品、技術、コンセプトを紹介した。
会場の屋外エリアでは、参加者が展示車両の最新技術を間近で見学し、試乗して体験する機会が設けられた。
オーストリアのウィーンにあるホーフブルク宮殿のイベント会場 | 会場入口の展示車両 |
(第43回ウィーン国際モーターシンポジウム、主催:オーストリア自動車技術者協会(ÖVK)、画像:© MarkLines Europe GmbH)
シンポジウムは、ウィーン工科大学の教授でモビリティが専門のBernhard Geringer博士によって開会された。
同教授は脱炭素化に関して、要件や法律に焦点を当てるべきではなく、ソリューションに焦点を当てるべきであり、アイデアを実行に移すことが重要であると指摘した。
シンポジウム初日は、自動車技術の未来に関するパネルディスカッションで閉会した。
シンポジウムはオーストリア自動車技術者協会(ÖVK)のHelmut Eichlseder会長の講演で閉会した。この講演で同会長は、再生可能エネルギーの供給が、モビリティの全面的な脱炭素化に決定的な役割を果たすことを強調した。
来年のシンポジウムは2023年4月26~28日に開催される。論文募集の提出期間は2022年7月から9月となる。
本記事はイベントレポートの第1回であり、開会の4つの基調講演すべての概要と、VWによる閉会の基調講演を掲載している。また、シンポジウム初日の最後に開催された、将来のパワートレインに関するパネルディスカッションの概要も掲載している。
次回以降のレポートでは、専門的な講演プログラムの中から選んだ内容について報告する。
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