吉利汽車(Geely) (上):2025年までに販売台数365万台、うち海外60万台に

バッテリープロジェクトを推進、スマート製造を支える工業インターネットプラットフォームGeegaを発表

2022/09/12

要約

吉利汽車集団の販売台数

 中国民営大手自動車メーカーの吉利汽車控股有限公司(以下、吉利汽車控股/Geely)の発表によると、2021年中国国内小売販売は121.3万台、輸出台数は11.5万台で、合計販売台数は前年比0.6%増の132.8万台となった。2022年上期(1-6月)の販売台数は前年同期比2.6%減の61.4万台となった。2022年通年での販売目標は165万台を掲げる。

 吉利汽車控股は四輪/二輪、モビリティサービス、科学技術、金融、教育など幅広い事業を展開する。これらを構成するいくつかの企業は買収や合弁を通じて規模を拡大するとともに競争力をつけてきた。2022年6月に人工衛星を打ち上げ、7月には傘下企業が携帯電話会社を買収した。

 Volvo CarsやLotusを傘下に収め再建に導いた吉利汽車控股は、2020年以降は電気自動車の分野を中心に新たに自主ブランドを構築。商用車事業にも注力しトラックメーカーを買収、小型トラックから重型トラックまでの幅広い製品展開を行っている。

 2021年後半に発表されたグループの事業戦略によると、吉利汽車控股は2025年までにグループ全体で販売台数365万台を実現し海外販売60万台を目標に掲げる。また、自動運転レベル4の実現も目指す。

 本稿では、吉利汽車控股のグループの事業戦略及びCASE関連について報告する。海外展開や商用車事業については次回以降のレポートで紹介する。

 

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