中国市場2022年第2四半期:中国メーカーは駆動用バッテリーの生産体制整備に注力

BMWが生産能力を拡充、ホンダとAudiが新たにEV工場を建設へ

2022/07/15

要約

华晨宝马沈阳里达工厂
華晨BMW瀋陽里達(Lydia)工場(出所:BMW)

 中国自動車工業協会(CAAM)が2022年7月11日に発表したデータによると、コロナ対策のためのロックダウンに起因した工場停止などにより、2022年1-6月の自動車販売台数は前年同期比6.6%減の1,205.7万台。内訳は、乗用車が1,035.5万台、商用車は170.2万台となった。新エネルギー車(以下、NEV)の2022年1-6月販売台数は、前年同期比115.0%増の260.0万台で市場占有率は21.6%。なお、乗用車販売台数のうちNEV乗用車の比率は24.0%となった。

 本レポートは、2022年第2四半期の中国自動車メーカー及び外資大手自動車メーカーの中国市場における主要動向について紹介する。中国メーカーは駆動用バッテリー分野の業務展開を加速している。上汽GM五菱は、生産拠点のある柳州市で駆動用バッテリー工場の建設を開始した。東風汽車集団と欣旺達(Sunwoda)はバッテリー開発企業を合弁で設立。広汽集団は次世代バッテリー技術を発表するとともに、傘下の駆動用バッテリー企業が広州市に生産拠点の建設を着工した。吉利(Geely)は、孚能科技(Farasis Energy)との合弁で駆動用バッテリー工場が重慶で建設を開始。BYDは複数の駆動用バッテリー工場プロジェクトを推進している。

 外資大手メーカーでは電動化を推進のプロジェクトが推進された。Audiブランドにおける中国初のEV工場が長春市で建設を開始した。Mercedes-Benzの中国産次世代バッテリーがラインオフし、BMWは、EVセダン「i3」を生産する瀋陽市の3番目の車両工場が操業となり、年間生産能力が83万台に拡大される。ホンダは広州にEV工場の建設を計画するとともに、電動化製品計画を発表した。日産は研究開発施設の増設及び車両改造プロジェクトを展開。この他には、現代自や上汽GMのBuickブランドなどが電動化製品計画を発表した。


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