BYD:2021年の乗用車販売は75%増の73万台、自主開発のNEV技術を確立し量産へ
ブレードバッテリー、PHV技術のDM-i、電動プラットフォームe3.0などを発表
2022/03/01
- 要約
- 会社概要 : NEVの乗用車販売は中国トップ、部品子会社は独立へ
- 電動化と知能化: 進化したEVプラットフォーム、ブレードバッテリー、ハイブリッドシステム、コネクテッドシステムを発表
- 提携/海外動向:トヨタやDaimlerとEVを製造、ノルウェーを起点に欧州市場へ進出
- 商用車:海外市場を積極的に開拓、日野、英ADLと提携合意
- 「科学技術・グリーン・明日」のBYDブランドの新たな主張、ゼロエミッションを推進、ゼロカーボンパークの建設を目指す
- BYDの中国販売台数(工場出荷台数)
- LMC Automotive販売予測: BYDの2025年のライトビークル販売は122万台
要約
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中国自主ブランドの新エネルギー車(以下、NEV)代表格のBYDの2021年乗用車販売台数は前年比75.4%増の73.0万台。NEV販売台数は前年同比231.6%増の59.4万台で、中国NEV販売の16.8%を占める。内訳は、BEVが前年比145.0%増の32.1万台、PHVは前年比467.6%増の27.3万台。特に自主開発したDM-i プラグインハイブリッド技術を搭載したモデルが好調だった。中国乗用車協会(CPCA)の発表によると、2022年1月のBYDのNEVの販売台数は9.3万台でTeslaの6万台を超えてトップになった。
海外では新型コロナ禍の影響を受け、商用車の販売は前年比5.61%減の1万台となった。このうちバスは0.6万台。なお、商用車は世界の50余りの国と地域、300余りの都市で展開しており、英国におけるEV商用車市場シェアは60%以上、ロンドンでは80%以上に達している。
BYDは革新的研究開発力と垂直統合型の部品生産体制を展開し、バッテリー、モーター、PCUなどのコア部品の自主開発を行っている。2020年に傘下サプライヤーの弗迪電池(FinDreams Battery)は開発から設計、生産までを自社で行ったリン酸リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を発表。また、2021年1月にはPHV技術の「DM-i」を発表した。外資との提携では2019年にトヨタと長期提携関係を結びEVの合弁会社を設立した。
2022年2月にBYDグループは新しいロゴを発表した。当ロゴは電子、新エネルギー、軌道交通と自動車産業(主に商用車、フォークリフト)に使用する。乗用車セグメントは、引き続きそれぞれのブランドロゴを使用する。
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