GM:2025年までにBEV 30車種を投入、次世代Ultiumバッテリーは60%コスト低減

EVによる配送システム「BrightDrop」を導入、自動運転技術でMicrosoftと協業

2021/03/24

要約

Hummer EVピックアップEdition 1
GMが2021年後半に発売する
Hummer EVピックアップEdition 1(出典:GM)

  GMの会長兼CEO Mary Barra(メアリー・バーラ)氏は、2020年11月から2021年1月にかけて多彩なEVを投入する戦略を発表した。
  2025年までにグローバルにBEV 30車種を投入、米国で販売するモデルの40%をBEVとする計画。また2035年までに新車ライトビークルにおいて、内燃エンジン車を廃止する。
  GMは、Hummer高級ピックアップ、超高級セダンCadillac Celestiqから中型/コンパクトクロスオーバーまで、幅広いセグメントのEV投入を計画している。

  GMの積極的なEV戦略を支えるのがUltiumバッテリーで、同バッテリーはBolt EVに搭載するバッテリー比でコストを40%低減する。さらに2020年代半ばに投入する次世代Ultiumバッテリーは、エネルギー密度を2倍にしてコストを60%削減できるという。

  モビリティサービス関連では、GMはCES 2021においてEV (EV600)と電動アシストされたパレット(EP1)を組み合わせた配送システム「BrightDrop」を発表した。FedEx Expressが最初の顧客となり、2021年後半に実用化する予定。
  2021年1月、クルーズ、GMとホンダの3社は、日本における自動運転モビリティサービスに向けた協業につき合意した。2021年中に、GMのBoltをベースとしたクルーズの試験車両を活用し、日本国内での技術実証の開始を目指す。
  また同月にクルーズとGMは、自動運転の実現に向けてMicrosoftと長期的・戦略的な関係を築くと発表した。

  2020年のGMの世界販売は、新型コロナウイルス蔓延の影響で、2019年比11.5%減少し682.8万台であった。しかし、2020年10-12月には需要が回復し、南米を除く世界各地域で前年同期を超え、同期の世界販売は211.6万台で前年同期比4.0%増加した。
  GMの2020年売上高は10.7%減少し、純利益は4.5%減少した。しかし需要が回復した2020年10-12月期は四半期として記録的な好業績となった。GMが重視する経営指標“EBIT-adjusted”は、2019年の84億ドル(売上高比6.1%)から2020年は97億ドル(同7.9%)に向上。同社のEVを中心とした新成長路線を支える力強い結果であったとしている。


関連レポート:
米国の燃費規制:バイデン次期政権が厳しい規制を制定し、EV化を推進(2021年1月)
OEM各社の米国事業動向(2020年)(2020年12月)
ホンダのEV戦略:日本/欧州にHonda eを投入、北米でGMと自動運転EVを開発(2020年11月)
新型コロナウイルスが自動車産業に与えた影響(2020年10月)
GM:電動化やSUV強化を推進、自動運転は足踏みか(2020年2月)
米国OEMの電動化戦略:電動車投入タイムライン(2019年9月)

 

このレポートは有料会員限定です。 残り 7 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。