GM:電動化やSUV強化を推進、自動運転は足踏みか

北米での生産体制の再編、主要市場でのEVを始めとする商品戦略/投資計画

2020/02/20

要約

Our electric future is now
GMは電動化へのコミットを掲げている(出典:GM)

  GMは2019年、前年末に発表した北米主力工場のリストラ計画を実行に移し、併せてライトトラックや電動化を軸とする新商品、生産設備への投資計画を明らかにした。さらに2020年2月の2019年決算を伝えるプレスリリースでは冒頭で「オール・エレクトリックの未来へ進む」と電動化へのコミットを高らかに掲げ、乗用車中心の主力製造拠点であったDetroit-Hamtramck工場の電動車専門工場への転換、HummerブランドのEVとしての復活などを確認した。2023年までに電動車を20モデル投入、2030年までにCadillacのほぼ100%を電動モデルにする、といった方針を打ち出すと共に、バッテリー生産や充電ネットワークへの投資も進めている。さらに、SUVやピックアップトラックのラインアップ強化が販売と収益を支える商品戦略の柱となる。

  ただ、もうひとつの看板であった2019年内の自動運転車Cruise AVによるライドシェア事業開始は実現していない。2020年1月にシェアリング用自動運転EVのCruise Originの計画が発表されたが、サービス事業の計画は明らかでない。またMavenブランドによるカーシェア事業も一部の市場で撤退するなど、将来モビリティに向けては足踏みも見られた。

  北米以外では、中国市場での積極的な新製品、ブラジル工場への投資に取り組む一方で、ロシアやインドから生産撤退を進めるなど、市場と事業性を選別した資源シフトに取り組む。GMの2019年のグローバル販売台数は、中国市場での販売減と2019年9月から40日に及んだ米国でのストライキによる生産減が影響し、8.0%減の772万台に留まった。米国の販売は2.3%減となったが、ライトトラックは4.4%の増加となり、同車型の米国ライトビークル販売に占める割合は86%に達した。2019年決算では、調整後EBITが28.8%減の83.9億ドル(ストライキの影響分36億ドル織り込み済)、純利益は16.0%減の67.3億ドルとなった。

  本レポートでは、北米での生産体制の再編、主要市場でのEVを始めとする商品戦略、投資活動の展開と発表など、2019年以降のGMの動きに焦点を当てると共に、グローバルな生産・販売状況と見通しについて報告する。

 

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