デトロイトモーターショー2017(1):米国メーカーの展示取材

米国メーカーの展示は無難な印象で、人気のSUVセグメントの車種に集中

2017/02/06

要約

View of Ford’s exhibit area
Fordの展示エリア
Chevrolet Traverse
Chevrolet Traverse

 2017年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー2017)は2017年1月9日から22日まで開催された(一般公開は14~22日)。来場者は80万6,554人で、4年連続80万人を超えた。

 今年のデトロイトモーターショーを取り巻く主要な関心事項は、自動車業界が米国の新大統領とどう付き合って行くかを見定めることである。トランプ大統領が、メキシコから車を輸入しているメーカーをツイッターで批判したため、多数のメーカーが米国への過去および将来の投資について時間を割いて説明を行った。Fordは、ショーの開催前に、将来の数車種の電動車の生産をミシガン州Flat Rock組立工場で行うと発表した。また、記者会見では、Ford BroncoとRangerの次期型車も米国で生産すると発表。GMとFCAは米国の生産工場にそれぞれ10億ドルを投資すると発表した。さらに、デトロイトモーターショー閉幕直後、米国3社のCEOは揃ってホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領と様々な問題について会談を行った。

 このような事情のためか、米国メーカーの展示は従来より無難な印象で、成長している米国のSUV市場に対応する車種と従来車種に集中していた。新たな技術やスタイルのコンセプトやシステムも出展されたが、重点が置かれていたのは、成功が見込まれる車種および過去に成功していた車種であった。GMは新型SUVのChevrolet TraverseとGMC Terrainを初公開し、FordはF-150とMustangの改良モデルを出展。一方、FCAには初公開モデルがなく、過去の展示会で発表したモデルを展示した。

 本レポートはデトロイトモーターショー2017を取材した3本のレポートの1本目で、GM、Ford、FCAなど米国メーカーが出展したモデルを紹介する。今後掲載するレポートでは、欧州メーカーおよびアジアメーカーが開発したモデルを取り上げる。

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