ハノーバーショー:第66回IAA国際商用車ショー報告(上)

「新しいモビリティーワールド物流」:メルセデス・ベンツ、スカニア、イベコ

2016/10/31

アイデアによって駆動されるIAA商用車ショー

「IAAポスターの意味」(VDA=ドイツ自動車工業会による)

 テーマ「Ideen sind unser Antrieb=(アイデアが我々の駆動力)」のもとに、現代的で革新的な「接続性」/「デジタル化」/「安全」を青色のフロントガラス相当のヘッドアップディスプレイ上に、接続された情報システムのイメージとして表現。未来へ進化するバン/トラック/バス車両のデジタルな相互作用の世界を提示している。

「IAAショー全体」


 例年になく夏の暑い空気がまだ残るハノーバーで世界最大の商業車ショーが2016年9月末に開催された。27万平方メートル(東京モーターショーが開かれる、東京ビッグサイトの3.5倍)のメッセ会場に52カ国から約2013社の出展者、330台以上のワールドプレミア、100台以上の欧州プレミアが登場した(前回と同等)。外国からの出展比率は61%に上り、大小部品メーカーが多く、主に中国/イタリア/オランダ/トルコ等から出展。訪問客層は欧州の他、中国、今回はとりわけ東南アジアやインドからのビジネス客が目立った。中国からの来場者はどこのショーでも女性の開発関係者が多く部品の写真やメモを熱心に取っていた。

 「ダイムラー」グループは一つの大ホールを貸し切っての恒例の大展示だが、今回フルモデルチェンジされたキャブを展示した「スカニア」はいつも以上の大賑わいであった。プレスデーを除き写真撮影は開場を待って駆け足しで現場に一番で行かなければ良い写真取りは出来ない状態であった。

「欧州のトラック輸送状況と市場」


 一往復平均1,000km前後を走る日本の長距離トラックは夜間走行が多く、昼の幹線道路やサービスエリアではあまりトラックを見かけない。東西南北にはりめぐらされたアウトバーンや欧州の主要幹線道路では2,000〜3,000km走行に及ぶ長距離トラックが多く、昼夜関係なく走行し昼も仮眠する姿が多く見られる。(写真は、北は北欧から、南はイタリアまで南北に伸びる幹線道路の一部「アウトバーン7号線」にて。)

「トラック市場」

(VDAドイツ自動車工業会資料、詳細は弊社データを参照ください)

  • EC圏内では貨物輸送の約76%がトラック輸送であり比率は高まっている。ドイツでは毎日平均160万台以上のトラックが走行。
  • (2015年)西欧の6トン以上のトラック登録台数は259,000台、(前年比+14%)(日本約90,000台)。スペイン, オランダが20%以上の伸び。(今年のドイツ大型トラックは87,000台以上を予測)。
  • (2015年)ドイツのトラック輸送は4,657億トンkm。(日本約2,158億トンkm)

2014年のハノーバーショー取材レポート
上:Daimlerの自動運転トラックとMANの新大型エンジンの展示
下:Volvo、SCANIA、RenaultとZFの展示

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