ハノーバーショー2014:第65回IAA商用車ショー報告(上)
Daimlerの自動運転トラックとMANの新大型エンジンの展示
2014/10/30
- テーマ:「DRIVING FUTURE」 未来を運転する
- [Daimler]世界初の全自動運転システム搭載トラック「Future Truck 2025 Concept」を出展
- [MAN]EURO Ⅵ対応大型用トップレンジの新エンジン出展
テーマ:「DRIVING FUTURE」 未来を運転する
先進国と新興国それぞれに適合させる業界全体の技術革新推進と目標を達成させるための将来への準備……VDA(ドイツ自動車工業会)主催者趣意
・ IAAポスターの意味:環境適合性のブルー、将来的に持続可能な効率的物流とのリンクの象徴としてデータハイウエーを表す
世界最大の商業車ショー第65回IAAは世界45ヵ国、2066の出展者が集まり、322台のワールドプレミアがあった。 うち外国出展者は59%をしめ、1200社以上の出展があり、国別では中国、伊、トルコの順(大小部品メーカーが主)。 偶数年開催の会場は、いつものハノーバーメッセで、展示面積は東京ビッグサイトの3.5倍。 東京モーターショーと異なり、トラックのドライバーやその家族、オーナー、運送会社等を大切にした、BtoBの完全なビジネスショーの様相。子供が自由にトラックの運転席でハンドルやスイッチを操作する等、トラックへの親しみと理解を与える場づくりを各メーカーが努力している。
「市場」 (VDA独自動車工業会資料)
・EC圏の貨物輸送: 73%がトラック輸送。 ・ 2013年のドイツ道路貨物輸送は4534億トンkmをカバー。ドイツ市場6ton以上は3%の販売増加、特に2014年1月から5月迄に34,000(6t以上)台販売、5月末迄に12%の前年同月比増。 ・ 2013年はEURO Ⅵ規制前の駆け込み需要あり。 ・ Daimlerは大中小型商業車を、2014年1~8月で世界中で516,000台販売。尚、'14年1月のユーロⅥ規制前の駆込みで大型47,000台を販売。 ・ この数値は戸口から戸口へのトラックの利便性を物語る。
「キーワード」(大手メーカー出展に見られる訴求ポイント例)
・ TCO:'Total Cost Ownership'(総所有コスト)=トラックに関わる生涯費用と収益性とのバランスを評価。各社の商品力として技術とサービスの総合成果を訴求し、顧客の収益性向上を狙う。一例として車両稼働時間の最大確保(タイムリーなサービス性でクルマを遊ばせない)と収益確保。 ・ EuroⅥ, Efficient:2014年1月からの新排ガス基準施行を軸とした環境性適合、燃費、削減、効率性 、顧客収益確保。 ・ IT Connect,Telematics:運転席でのドライバー自己完結輸送から外部とのITコミュニケーションでより総合的な輸送状態、輸送品質の向上。テレマティクスシステム等のITツールで運行コスト/経済性確保を支援。 '輸送環境のオンライン化'、'つながるトラック'。 ・ GPS Cruise Control:予測した地形に応じて速度を制御、燃費低減、安全運行に寄与。 ・ Autonomous:車両の自律自動化運転支援システム。 車両自体が交通状況を把握・解析し、予測判断。最適な走行状態を実現させる。燃費削減、安全性や居住性を向上し、経済的輸送効果に寄与。 また、タブレットやスマホで車両走行操舵を遠隔制御出来るものも有る。 ・ 車両の大型化、空力特性向上:長いトラック(最大重量の増加)=エコトラック、 エアロダイナミックスと高エネルギー効率で持続的な燃料消費削減、 CO2削減寄与。 ・天然ガス(CNG):燃料高騰→トラック運用コストの低減化、排ガスCO2削減。Daimler、MAN、SCANIA、IVECO出展。
以下、メーカー別に報告していく、上巻ではDaimlerとMANの展示について報告し、下巻ではVolvo、SCANIA、Renaultなどの展示ついて報告する予定。
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