ダイハツムーヴ分解調査(下):直線的骨格で合理性を追求した車体構造
高い車体剛性が衝突安全性、操縦安定性、乗り心地、静粛性向上に寄与
2015/03/05
- 要 約
- エンジンコンパートメント構造
- ダッシュパネル/フロントピラー構造
- フロントフロア/フロントシート取り付け部構造
- リアフロア/リヤシート・リヤサスペンション取り付け部構造
要 約
ダイハツムーヴの分解調査(公益財団法人ひろしま産業振興機構主催ベンチマーク活動、2015年1月21日~27日)の内容をダイハツムーヴ分解調査(上):コンパクトカーに匹敵する装備と部品仕様 (2015.2.16 No.1378)、ダイハツムーヴ分解調査(中):独自技術で燃費と動力性能を競うエンジンパワートレーン(2015.2.27 No.1380) に続きレポートする。今回はダイハツムーヴXターボVS仕様(5代目/2014年製:注1)の、車体構造について解説する。
ダイハツムーヴ5代目の車体構造は、軽自動車の枠内ギリギリのサイズ(注2)で最大限のスペースを確保しながら、曲りのない直線的な骨格構造をとっている。これは合理的な車体構造で、軽量ながら高い車体剛性を実現している。この結果、剛性の高い車体構造は衝突安全性や操縦安定性、乗り心地、静粛性の向上に寄与していると思われる。
フロントサイドメンバーは太く大きな断面積で強度剛性を確保しながら、最大舵角転舵時のフロントタイヤ前側の近傍で断面積を変化させて、衝突時にメンバーが折れ曲がって衝撃を吸収する構造になっている。フロントピラーは、フロントコーナーウィンドウの周囲で断面積を拡げ、エンジンコンパートメントとキャビン部の結合部剛性を高めている。これは前面衝突時の衝撃入力時にキャビン側の変形を抑える構造として有利で、この高い車体剛性は多くの性能向上に寄与していると思われる。
(注1) フルモデルチェンジした6代目ムーヴが2014年12月に発売されている。
(注2) 日本の軽自動車規格:車両サイズ=全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下
過去の分解レポート:
ダイハツムーヴ (2015年2月掲載) VW Polo (2014年11/12月掲載) 日産 ノート (2014年9月掲載) ホンダ アコードハイブリッド (2014年2月掲載) |
ホンダ フィットハイブリッド (2013年12月掲載) トヨタ アクア (2012年11月掲載) 日産 リーフ トヨタ プリウス (2010年3月掲載) |
ダイハツムーヴ(2014年モデル)の主な車両仕様
車両仕様 | 車両/グレード | ダイハツムーヴXターボVS(特別仕様車)+OptionスマートセレクションSA |
車両価格 | 133万円+Option 6万円 | |
車両サイズ | 全長3,395mm X 全幅1,475mm X 全高1,620mm | |
車両重量 | 820kg | |
乗車定員 | 4名 | |
エンジン | KF型直列3気筒インタークーラーターボ | |
トランスミッション | トルクコンバーター+ロックアップ機構付きCVT | |
JC08モード燃費 | 25.20km/L |
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