インドの日系部品メーカー:工場新設、生産能力拡充、開発拠点としての強化

アイシン精機、新日鉄、デンソー、東海ゴム、日本精工、日本電産、ニフコなどの動向

2012/11/19

要 約

 インドの2011年度 (2011年4月~2012年3月) の自動車生産台数は404万台、新車販売台数は343万台、自動車輸出台数は60万台。生産・販売台数規模は共に世界第6位に成長し、2012年度の新車販売は377万台が見込まれている。新車販売の伸び率は2011年度、2012年度は1ケタ台へ鈍化しているが、中長期的には中間所得層の増加に伴う需要拡大が見込まれている。

 このため、自動車メーカー各社は完成車の生産能力の増強を進めている。インド最大手のMaruti SuzukiはMehsana工場の建設と既存工場の増強で、2015-16年までに生産能力を50万台増やし、全体で200万台とする。トヨタは既存2工場で10万台増強し、2013年の年産能力を31万台に引き上げる。日産はRenaultとの合弁工場の生産能力を2012年に倍増し年40万台とした 。

 こうした動きに対応して、日系部品メーカーの現地への新規進出や既存工場の生産能力増強、生産品目の拡大、インドを開発拠点として強化する動きなどが見られる。地域としては、New Delhiおよびその近隣のHaryana州、Rajasthan州などの北部(Maruti Suzuki、ホンダなどの工場がある)、Chennai市があるTamil Nadu州(日産・Renault、現代自動車、フォードなどの工場がある)やBangalore市があるKarnataka州(トヨタの工場がある)などの南部、Mumbai市やPune市があるMaharashtra州(タタ、VW、GMなどの工場がある)やGujarat州(Tataや建設中のスズキ/フォードの工場がある)の中部と、全国に広がっている。部品メーカーによっては、南北両拠点を同時並行で強化するケースや、一部の部品をインドに生産移管する計画もある。 

 以下は、インドにおける日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2012年11月初までの約1年間)。

India Map
日系自動車メーカーの主なインド拠点

関連レポート:日系部品メーカー動向レポート

メキシコ・ブラジル編 (2012年9月)、中国(華中地区/西南地区)編 (2012年7月)、中国(華南地区-広東省)編 (2012年7月)、

中国(華東地区)編 (2012年6月)、中国 (東北/華北地区)編 (2012年5月)、米国編 (2012年7月)、

欧州編 (2011年11月)、ASEAN  (インドネシア、ベトナム、マレーシア他) 編 (2012年6月)、

タイ編 その一 (2012年6月)/ その二(2012年7月)



生産拠点の構築:アイシン精機、河西工業、日本電産などが新規進出、曙ブレーキ、ジヤトコ現地生産を検討

曙ブレーキ:インド進出を検討。ただし、単独進出は考えず

 曙ブレーキ工業は2012年11月、2015 年度を最終年度とする新中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2013」を発表。その中で、新興国ニーズに対応する低コストブレーキの開発、地産地消/現地開発・現地調達を重点政策として掲げ、インド進出の検討を明記。信元久隆会長兼社長は、現地生産化の「検討を進めている。新興国は絶対的な可能性がある半面、労働問題を始めとしてリスクも高い。単独で出ることは考えていない」としている。

アドヴィックス:北部と南部に2子会社設立、ブレーキ基幹部品を生産へ

 アイシン精機の子会社アドヴィックスは、インド北部と南部に開発評価機能を備えた生産・販売会社の設立を決定(2012年4月)。いずれも、ブレーキ基幹部品のブレーキブースターを生産する。北部の新会社はADVICS Manufacturing Haryana Private Ltd.(Haryana州)で2012年7月設立。資本金約8億円。スズキやホンダ、現地メーカーからの受注を目指す。生産開始は2013年6月の予定。南部の新会社はADVICS Manufacturing Karnataka Private Ltd.(Karnataka州)で2013年1月設立予定。資本金約4億円。トヨタの生産能力増強に対応する。近隣の日産、欧州メーカーからの受注も目指すという。

カネミツ:プーリー(滑車)生産の合弁会社設立

 カネミツは、2012年7月に合弁会社JBM Kanemitsu Pulleys Private Limited(Haryana州)を設立。資本金約1.1億円。出資比率は、インドの自動車部品大手のNeel Metal Products Ltd 51%、カネミツ22%、カネミツのタイ現地法人22%、JFE商事5%。2013年中にも自動車用プーリーを生産販売する。生産量は未定。

河西工業:合弁会社設立、新工場は2013年3月稼働予定

 河西工業は、2012年2月にスペインの自動車部品大手GRUPO ANTOLIN-IRAUSA, S.A.と、インドでの合弁会社ANTOLIN KASAI TEK CHENNAI PRIVATE LIMITED(Tamil Nadu州Chennai市)を設立。資本金は約12億円(折半出資)。新工場は2013年3月の稼働予定。ドアトリムなどの内装部品を日産などに供給。

鬼怒川ゴム:自動車用ゴム・樹脂部品をインドで生産開始予定

 鬼怒川ゴムは、2011年7月に韓国の和承R&A社とインドにおける自動車用ゴム・樹脂部品生産の業務提携で合意。当初は、和承R&A現地子会社(HWASEUNG HSI AUTOMOTIVED: Chennai市)での車体シール部品やホース部品を委託生産する予定であった。しかし、現地の税制に対応するため、和承R&Aへの委託は一部工程にとどめ、隣接地に鬼怒川ゴムが現地工場を建設して最終成形/組立を行うことへ変更。取引先への納品は2014年に開始予定。

協和合金: MTの構成部品を生産開始

 協和合金は、インドで手動変速機(MT)部品のシンクロナイザーリングを2012年9月にも生産開始。同社は、2011年11月にインドの部品メーカー・Natesan Synchroconesと合弁会社Kyowa Natesan Synchrocones(Tamil Nadu州Chennai市)の設立で調印。資本金は約4.5億円、出資比率は協和合金51%、Natesan 49%。当初は貸し工場で操業。2013年4月に合弁会社の自社工場を稼働予定。

クラリオン: カーナビ、車載オーディオの現地生産検討

 クラリオンは、中期経営計画(2013年3月期~2015年3月期)でインドなど新興市場向け戦略を強化する。既存OEM商権拡大、新規OEM商権獲得、現法化推進のほか、現地生産も視野に入れている。2012年3月期には、インド駐在員事務所を開設した。商品ではカーナビ、車載オーディオの現地生産を本格的に検討する。まず、現地メーカーに生産を委託し、その後に進出する予定。(2011年11月報道)

光生アルミ: アルミニウムホイールの合弁会社新設

 光生アルミニューム工業は、合弁会社KOSEI MINDA ALUMINUM CO., Ltd.(Tamil Nadu州Chennai市)で2012年10月にアルミニウムホイールを生産開始。当面は日産マイクラ向けに月2.5万本を生産し、今後、ルノー、トヨタ、VW等への供給も計画し、2014年には月5万本生産に引き上げる。これらの総投資額は、工場建設と設備増強で84億ルピー(約120億円)の見込み。

三條機械:エンジンの鍛造部品生産会社設立

 三條機械製作所は、2012年5月に鍛造部品生産の子会社SANJO FORGE INDIA PRIVATE LIMITED(Rajasthan州)を設立。総額約15億円をかけて新工場を建設し、2013年10月の生産開始を計画。主にコネクティングロッドを生産し、ホンダやスズキ向けに供給していく。将来は、インド系、現代自動車などからの受注も目指す。本格的量産開始は2016年度の計画。海外工場は、中国広東省に続いて2ヵ所目。

ジヤトコ:インドでのCVT生産を検討

 ジヤトコは、メキシコや中国など新興国での無段変速機(CVT)事業の拡大を進めている。タイでは2013年半ばに年50万台の新工場が稼働し、2015年には同70万台に引き上げる。インドでのCVT生産も検討するという。(2012年1月報道)

住江織物:インド子会社での内装材生産を開始

 住江織物のインド子会社Suminoe Teijin Techno Krishna India Pvt. Ltd.(Haryana州)の工場が、2012年3月に稼働開始。主にシートやドアトリムといった内装材を生産。6カ国目の海外生産拠点。

セーレン:生産拠点設立へ

 セーレンは2012年5月、インドの子会社SEIREN INDIA PRIVATE LIMITED(Karnataka州)の設立(2012年3月)を発表した。成長著しいインド市場に本格参入し、自動車内装材およびエアバッグ事業を行い、セーレンのグローバルサプライ拠点の拡充・強化を図るもの。新会社の資本金は約4.8億円。工場建設の投資額は30億円(2012~2014年の第一次投資)、2013年8月に生産開始予定。将来的には、ファッション衣料、産業資材等の事業展開も検討。

日鍛バルブ:インドに小型エンジンバルブの工場新設

 日鍛バルブは2012年8月、現地子会社Nittan India Tech Private Limited(仮称: Maharashtra州Nashik市)を2012年12月に設立すると発表。資本金は約6億円。事業内容は各種小型エンジンバルブの製造・販売。二輪車および四輪車での需要拡大を見込んだもの。日本とインドのFTA 締結による関税ゼロの利点を生かし、OEM 生産の拠点としての活用も視野に入れている。

日本電産:インドで初めての工場を建設、車載用モーターを生産

 日本電産は、インドにEPSやエンジン冷却用ファン、パワーウインドーなどの車載用モーターを生産する工場を新設する。総投資額は約100億円。2013年12月の稼働を計画。工場建設地は、New Delhi近郊のNeemrana工業団地(Rajasthan州)での用地取得で基本合意している。シンガポール子会社を通じて現地法人を設立し、工場の運営は旧エマソンなど買収で獲得した事業部隊に任せるとみられる。

日本メタルガスケット: 合弁会社設立、シリンダー用ガスケットを生産

 日本メタルガスケットは、合弁会社Sanker JP Selling Technology (Tamil Nadu州Chennai市)を設立。既存工場を取得して、プレス機、ゴムコーティングや熱処理の設備などを設置。2012年5月に、エンジンのシリンダー用ガスケットなどを日系メーカー向けに生産開始。人員は20人程度で始め、1年後には30~40人まで増やす。2年後には生産量130万個、売上高4.8億円を見込む。

パイオラックス:インドで初の工場が生産開始 、樹脂ファスナーを生産

 パイオラックスは、2012年3月に現地子会社PIOLAX INDIA PRIVATE LIMITED(Andhra Pradesh州SriCity工業団地)の新工場を完成。同年9月に操業開始。日産、ホンダ、スズキ向けの樹脂ファスナーを生産。「工場では中古設備の設置や現地設備メーカー、現地材の調達などでコストを抑える。将来は、燃料系の部品生産も計画。日系だけでなくタタ自動車への売り込みも行っている」(2012年3月、島津社長)。2012~14年度の中期経営計画では、インドを含むアジア各国での生産能力を順次増強するとしている。

三ツ星ベルト: インドで初の工場で生産開始

 三ツ星ベルトは、インドで初の子会社MITSUBOSHI BELTING-INDIA PRIVATE LIMITED(Maharashtra州)の工場での2012年3月に生産開始。当初予定を半年繰り上げて、四輪車と二輪車用ベルトの供給体制を構築するもの。同工場では、綾部生産システム開発センターで開発した新方式を採用し、工場面積を従来比で約3分の1とした。

山下ゴム:全額出資の子会社設立、防振ゴム製品の工場は2013年4月稼働予定

 山下ゴムは、2011年10月に全額出資のY-TEC INDIA PTE. LTD.(Haryana州)を設立。資本金は約2.3億円。自動車向け防振ゴム製品の新工場は、約20億円を投じて、New Delhi南西のRajasthan州に建設中で、2013年4月の生産開始を計画。主に、日系自動車メーカーのインド工場向けに出荷するが、埼玉工場の日本国内、欧州向け生産ラインの一部もインドに移管するという。(2012年2月報道)

ユーシン: 2011年に設立した現地法人で新工場の立地を検討

 ユーシンは、2011年8月にインド国内の自動車メーカー、自動車部品メーカーへの開発拠点として90%出資のU-SHIN INDIA PRIVATE LIMITED(Haryana州)を設立。資本金は10億ルピー。新工場建設の立地の検討を進めており、1年以内の完成を目指している。投資額は30-40億円。2011年11月に開設したインドR&Dセンターとの連携で、現地での新しい設計に対応し、受注を目指している。(2012年6月報道)

横浜ゴム:新工場建設、2014年7月の操業開始を計画

 横浜ゴムは2012年3月、New Delhiに隣接するHaryana州に乗用車タイヤを生産するBahadurgarh 工場を建設すると発表。2007年4月に全額出資で設立したYokohama India Pvt. Ltd.(New Delhi市)の生産拠点。工場建設の投資額は約44億円。生産能力は年70万本。操業開始は2014年7月の計画。小規模生産から始め需要を見極めながら生産量を増やす。

 

 



生産能力の増強と生産品目拡大:愛三工業、エクセディ、デンソー、TBK、東海ゴム、ニッパツ、ニフコ、武蔵精密が新工場を建設

愛三工業:南部にエンジン機能部品の第二工場建設へ

 愛三工業は、2013年の稼働をめどに、南部Tamil Nadu州Chennai市にインドでの第二工場を建設する。主力の燃料ポンプモジュールやスロットルボディを生産する。インドネシアから輸出しているものを、現地生産に切り替える。稼働当初の年産能力はおのおの約10万個を想定。生産増強を進めているトヨタ自動車など日系メーカー向け供給体制を強化するもの。(2012年2月報道)

芦森工業:2、3年後にエアバッグ生産予定

 芦森工業は、インド工場( Ashimori India Private Limited, Rajasthan州)でシートベルトの量産を2011年7月から開始し、マルチ・スズキ・インディアに供給している。2、3年後には、エアバッグも納入する予定(缶文雄社長、2012年4月報道)。

エイチワン:金型設備の増強へ

 エイチワンは、2013年度のアジア(インド、タイなど)設備投資を前期比56%増の33.4億円に拡大させる。インドの子会社H‐ONE India PVT.,Ltd.(Uttar Pradesh州)では、金型設備を増強する。(2012年5月報道)

エクセディ:全額出資の新会社を設立、クラッチおよび重要部品の摩擦材生産へ

 エクセディは、2011年9月にインド南部で日系メーカー向けの二輪・四輪用クラッチやフェーシングを生産するEXEDY Clutch India Private Limited(Karnataka州Bangalore市)を設立。インドでは2つ目の子会社で、工場としては3つ目。2013年1月に稼働し、当初は二輪用クラッチを生産。2014年1月からMT式の四輪用クラッチ用の摩擦材を生産、ほぼ同時期に四輪用クラッチの生産も始める。この摩擦材は、既存の合弁子会社EXEDY India Ltd.の北部と中部の2つの工場にも供給する。なお、海外での摩擦材生産拠点は、タイ、中国・上海に続く3つ目。

カルソニックカンセイ:熱交換器などの構成部品生産へ

 カルソニックカンセイは、合弁会社のCalsonic Kansei Motherson Auto Products(Haryana州)で、空調室内ユニット(HVAC)とコンプレッサー、ボディ・コントロール・モジュールを組み立て販売しているが、2013年11月から熱交換器(コンデンサー、ラジエーター)の生産を開始し、インドでの生産は第2段階に入る。これにより、構成部品の輸送コストや生産コストを低減する。既存工場の拡張等を含む設備投資額は20~30億円。

ケーヒン:インド工場のCNG車用ガス・インジェクターの生産能力を増強し、生産の中心地に

 ケーヒンは、Haryana州Gurgaon市近郊のKeihin Automotive Systems India Pvt. Ltd.で2012年からCNGインジェクターの生産を開始した。今後、現地工場の生産設備を増強し、インドでの生産能力を2012年の年間10万本から同100万本に増強する。CNGインジェクターは日本の工場でも生産しており、日本とインドの2カ国で年間100万本の生産能力がある。2013、14年をめどに日本の生産設備をインドに移設し、インドを中心に生産する体制にする。

ショーワ:四輪車用部品の生産を縮小し、二輪車用部品の生産拡大へ

 ショーワは2012年1月、インド子会社のSHOWA INDIA PRIVATE LIMITED(Haryana州)での四輪車用パワーステアリング事業を縮小し、拡大が期待される二輪車用部品の生産販売を同年3月から開始することを発表した。これに続き、同社は2012年7月に、現状の二輪車用部品の生産能力1,400千本/年を7,280千本/年に引き上げるために、建屋の増築・設備の増強投資を行う旨を発表した。

新日鉄:鋼管の一貫製造体制構築を一年前倒しし、2013年から実施

 新日本製鉄(当時)は2012年2月、連結子会社のNippon Steel Pipe India Private Limited (Rajasthan州)での、自動車向け鋼管の造管から伸管・熱処理・部品加工に至る一貫製造体制の構築を、当初予定の2014年から1年前倒しして2013年にすると発表した。インドでの自動車や二輪車の生産台数が予想以上に増加しているため、供給体制を強化するものという。

ダイヤモンド電機:段階的な生産能力増加方式を導入

 ダイヤモンド電機は、インド子会社のDE Diamond Electric India Pvt. Ltd.(Haryana州)の工場を増築し、自動車用点火コイル等の生産能力を引き上げる。ただし、従来は1生産ライン200万個単位での増強だったが、1ライン50-60万個単位に下げ、需要に応じた段階的な増加方式に切り替える。また、中国、インド、タイの工場では設計や生産の標準化も進め、相互補完体制も確立する。部材の現地調達も増やす。(2012年7月報道)

テイ・エステック:シート工場建設を検討

 テイ・エステックは、ホンダの生産拡大などに対応して、四輪車用シートの世界生産能力を2012年の300万台から2014‐15年までに500万台に引き上げる。この一環で、インドの工場でも能力増強を図る。インドには、TS TECH SUN (INDIA) LIMITED(Utter Pradesh州)と、TS TECH SUN RAJASTHAN PVT.LTD(Rajasthan州)の2つの連結子会社がある。

TBK: 合弁会社の出資比率引き上げで子会社化、新工場を建設

 TBKは、2011年8月に合弁会社のTBK India Private Ltd.(Maharashtra州)への出資比率を従来の49%から60%に引き上げ子会社化した。これに伴い、約10億円を投じて新工場を建設し、2012年9月に大型トラック用ウォーターポンプやオイルポンプを生産開始。同工場では、現地市場向けのほか、欧州での大型メーカー向けの拡販を計画。2012年の売上は7億円を見込んでいる。

デンソー:インド北部に6つ目の工場建設、小型モーターなど生産

 デンソーは2012年5月、DENSO HARYANA Pvt. Ltd.(Haryana州) の第2工場としてJhajjar Plantの建設を発表。ワイパーやパワーウインドー用などの小型モーター、エンジン・ クーリングモジュールを生産し、マルチスズキなどの日系メーカーやタタをはじめとする地場メーカーなどインド北部に生産拠点を持つ顧客を中心に供給する。投資額は約42億円。2012年5月に着工し、2013年7月から生産を開始する計画。

東海ゴム:自動車用防振ゴムの新工場を建設へ

 東海ゴムは2012年4月、New Delhi近郊に自動車用防振ゴムの新工場を建設し、2013 年11 月の量産開始を決定したことを発表。インドで3カ所目の生産拠点。防振ゴムを生産する既存工場は南部にあり、北部への製品輸送には、輸送コストや安定供給で課題があった。総投資額は約14億円。

豊田合成:ボディーシーリング部材の一貫生産体制構築

 豊田合成は、2012年5月からToyoda Gosei Minda India Pvt.(Rajasthan州)で、ボディーシーリング部材の一貫生産を開始。ゴムの材料配合設備や押出成型機を新たに導入し、最終組み付けまでの全工程を現地で完結する。押出成形品を現地生産に切り替えて輸送コストを減らし、コスト競争力を高めるため。(2011年12月発表)

ニッパツ:第二工場を建設しコンパクトラインを導入、既存工場も能力増強

 ニッパツは、生産量を柔軟に調整できるコンパクトラインを、2014、15年をめどに新設する工場や生産能力を増強する工場に導入する。インドでは、南部Tamil Nadu州Chennai市近郊のスリシティに建設するNHK Spring India Ltd.の第2工場で導入する計画。同工場では、2014年からコイルばねを年間330万本、2015年からスタビライザーを同150万本生産する計画。また、既設のManesar工場(Haryana州)では、コイルばねの生産能力を1.5倍に増強し、2012年10月から年間830万本とする。

日本精機:2つ目のインド子会社設立、2014年から計器の量産開始

 日本精機は2012年2月、2つ目のインド子会社NS Instruments India Private Limited(Tamil Nadu州Chennai市)を設立した。授権資本金は約7.2億円。事業内容は、四輪車および二輪車用計器の製造・販売。新工場の予定地はAndhra Pradesh州。総投資額は今後数年間で約6.9億円。2013年7月に竣工、2014年1月から量産開始の計画。2017年には四輪車用計器を年間60万台以上、二輪車用計器を同150万台以上生産する計画。新工場建設に先立ち、外部工場を一部借りて2013年初頭に二輪車用計器の生産を開始する。

日本精工:現地子会社への増資により軸受の生産能力を2倍に

 日本精工は、2012年1月に子会社のNSK-ABC BEARINGS(Tamil Nadu州)に約24億円増資し、出資比率を91%から96.7%に引き上げた。これにより、自動車軸受の生産能力を2倍に増強する。

日本ピストンリング: バルブシート生産販売の新会社設立

 日本ピストンリングは、2011年12月にNPR Manufacturing India Private Limited(Tamil Nadu州Chennai市)を設立し、2013年1月(予定)から焼結製バルブシートを生産する。タイの子会社で生産するインド向けバルブシートの一部を移管することで月産3万個を生産。当初は賃貸工場に設備を導入、投資を抑えて生産を拡大し、2-3年後に工場建設を検討する。タイとインドでは、エタノール対応エンジン向けバルブシートの生産能力を2014年度に現行比1.9倍に増強する。

ニフコ: 南北2つの子会社に第2工場の建設など事業拡大のために増資

 ニフコは2012年1月、Nifco South India Manufacturing Private Ltd.(Tamil Nadu州Chennai市)に南部での工場建設を目的とする7.38億ルピー(約11億円)の増資を行うと発表。同工場はインドで2ヵ所目。2013年初めの生産開始を目指し、約13億円を投じる。製品は自動車用樹脂ファスナー。また、インド北部をカバーする子会社のNifco India Private Limited(Haryana州Gurgaon市)にも、事業拡大や財務基盤強化を目的に2度の増資(2012年1月に1.5億ルピー=約2.37億円、同年8月に5,000万ルピー=約7,500万円)を行った。同社でも合成樹脂成形品の製造・販売を行っている。

ハイレックス: 第2工場を拡張し、コントロールケーブルの生産能力を3割強引き上げ

 ハイレックスでは、中国とインドで自動車用コントロールケーブルの生産拠点を増強し、供給体制を強化する。インドでは、HI-LEX INDIA(Haryana州)に約7-8億円を投じて第2工場を拡張し、生産ラインを追加する。2012年5月に着工し、2013年5月の完成予定。生産能力を2012年の年間約500万本から3割強引き上げる。(2012年4月報道)

武蔵精密: 既存工場で新たに四輪車用部品を生産開始、二輪車用の新工場も建設中

 武蔵精密工業は、全額出資のMusashi Auto Parts India Pvt. Ltd.(Haryana州)の既存工場で、二輪車用部品に加えて四輪車用部品の生産を2012年9月に開始した。ホンダからの新興国向け小型車「ブリオ」用のエンジン、MT、足廻り用の鍛造部品の受注に対応したもの。生産量は輸出分を含めて年間15万台分を計画。今後は、駆動系部品も生産する。一方、二輪車用部品については、需要の拡大に対応して南部のBangaloreに新工場を建設中で、2013年3月に稼働させる計画。(2012年6月の報道)

リケン:工場の建て替え・設備入れ替えなどでピストンリングの生産能力を増強

 リケンは、現地合弁会社SHRIRAM PISTONS & RINGS Ltd. (New Delhi市)の「工場の建て替えや設備の入れ替えを進めており、既に建屋の新設を完了。今後3年間でピストンリングの生産能力の増強を図る予定だったが、予想よりも需要が伸びているため計画を前倒しするよう準備を進めている」(2012年2月、岡野教忠社長)。

 

 



開発体制の新設・強化:デンソーはテクニカルセンター開設、豊田合成は開発業務開始、カルソニックカンセイは開発体制強化

カルソニックカンセイ:開発体制強化、外部リソースの活用

 カルソニックカンセイは、海外での開発体制強化の一環として、インドでは自社の開発人員に加え、開発や工程設計の受託企業へ一部の工程を発注する。外部リソースの活用で、現地ニーズへの素早い対応、投資の圧縮、コスト低減、即戦力の活用などを図れるとしている。(2012年7月報道)

ティラド:インド合弁子会社の開発機能を強化、設計を委託

 ティラドは、インドの開発拠点(Maharashtra州Pune市)での機能を拡充し、日本での自動車ラジエーターの設計業務の一部をインドに委託する。具体的には2012年内に、タタ自動車子会社との合弁会社(Tata Toyo Radiator)に図面作製などの単純な業務を順次切り替える。同社の機能拡充に伴い、現地採用のエンジニア数を増やす。インド人技術者に設計の経験を積ませることで、開発機能の強化を狙う。

デンソー: 2012年3月にテクニカルセンター開設

 デンソーは2012年3月に、世界6カ所目となるテクニカルセンターをDENSO INTERNATIONAL INDIA PVT. LTD.(Haryana州Gurgaon市)内に開設した。開発業務の現地化を進める。

豊田合成:インド工場で設計開発業務を開始

 豊田合成は、2012年中にToyoda Gosei Minda India Pvt. Ltd.(Rajasthan州) の工場で設計開発業務を開始する。まずエアバッグから始め、日本から常駐の設計開発担当者を配置し、現地人材も採用して数人規模でスタートする。製品の評価設備も導入し、現地ニーズに合った部品を迅速に開発できる体制を構築して、現地での受注拡大につなげる。(2012年1月報道)

資料:各社広報資料, 各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>