ASEANの日系部品メーカー:インドネシア、ベトナム、マレーシア他

市場拡大中のインドネシアで、部品メーカーの新規進出・能力拡大が増加

2012/06/08

要 約

 以下は、ASEAN諸国 (タイを除く) における日系自動車部品メーカーの最近動向である (収録対象は、2012年 5月下旬までの約 1年間)。

 インドネシアでは、国内市場が中期的に拡大することへの期待から、日本の自動車メーカーのみならず、米国、欧州、韓国メーカーによる生産能力拡大投資が実施ないしは計画されている。こうした動きを受けて、日系自動車部品メーカーによるインドネシアでの新規生産拠点の建設、既存工場での増産投資が相次いでいる。2011年のタイでの洪水に伴う生産拠点分散の動きも、インドネシアへの投資を後押ししている。

 ベトナムでは、日本、米国、欧州向けのほか、近隣の東南アジア諸国への輸出拠点として、新工場建設や既存工場での新商品の追加・生産能力の増強が行われている。一部のメーカーは開発拠点としての強化も図っている。

 その他の国々 (マレーシア、シンガポール、フィリピン、カンボジア) では、日系部品メーカーの動きは少ないが、各国の特性に沿った製品の生産能力増強や新会社設立が行われている。

 なお、タイでの動向は "タイの日系部品メーカー (1), (2)"に収録する。

関連レポート:日系部品メーカー動向レポート

中国(東北/華北地区)編 (2012年5月)インド編 (2011年12月)メキシコ/ブラジル編 (2011年12月)

欧州編 (2011年11月)米国編 (2011年8月)タイ編 (2011年6月)



インドネシア:豊田通商がテクノパークを立ち上げるなど、新生産拠点構築が多い

 インドネシアの自動車販売台数は、2011年通年で前年比17%増の86.9万台と過去最高を更新するとともに、タイを抜き東南アジアで首位となった。インドネシア政府は、低燃費・低価格の小型車向け税制優遇措置の導入を計画している。日本の自動車メーカー各社は、こうした政策も踏まえて、2012年から2014年にかけての生産能力増強を進めている。トヨタは12万台、日産は15万台、ホンダは12万台、ダイハツは10万台の生産能力引き上げを予定。部品メーカー各社は、こうした動きを受けて、新拠点構築・生産能力増強を行っている。

 豊田通商がジャカルタ郊外にテクノパークを立ち上げ、部品メーカーに工場用地の貸与、事務系業務のサポートなどを行う。ジェイテクトが軸受や電動パワーステアリング、鬼怒川ゴムが車体シール部品、シロキ工業がウインドレギュレータやシート部品、住友電工がワイヤーハーネスや焼結部品、八千代工業が樹脂製燃料タンク、ヨロズがサスペンション用部品、ユニプレスが車体骨格部品の工場などを新設。

インドネシア:日系自動車部品メーカーの新生産拠点の構築

(2012年 5月下旬までの約 1年間の動向。配列は企業名 50音順)
エヌティー精密:二輪・四輪車用の鍛造部品工場新設。総投資額は約10億円
 エヌティー精密は、2012年8月に二輪車・四輪車用鍛造部品(バルブに取り付けるリテーナーやリフターなど)の生産を開始する。現地日系自動車メーカー向けに冷間鍛造品のプレス成形や切削、研削を行う。鍛造プレス機、マシニングセンター(MC)、数値制御(NC)旋盤、研削盤などに約2億円を投資する。当初は、豊田通商がWest Java州Karawang県に整備するサプライヤパークの貸倉庫(床面積は約2,000平方メートル)で操業し、3年以内に自社工場を建設する。総投資額は約10億円。2015年に売上高15億円程度を目指す。
エフテック:2012年中に生産拠点の新設に向けた事前調査を開始
 エフテックは、インドネシアに生産拠点を設けるための事前調査を2012年中に始める。独自工場の新設や現地企業との連携による既存工場の活用などを検討する。ペダル生産から開始し、順次、サスペンションやサブフレームなどの足回り部品に広げる。現在は、タイからインドネシアに製品を輸出しているが、現地生産に切り替えていく方針。
鬼怒川ゴム:車体シール部品などのサテライト工場建設
 鬼怒川ゴム工業は、2011年11月に長期経営計画を発表し、その中でインドネシアでのサテライト工場の建設と2012年の操業開始予定を明らかにした。タイなどから半完成品を送り車体シール部品などの最終製品に仕上げる。グローバル展開計画の一環。建設地は不明だが、自動車メーカーの工場近くの模様。
ジェイテクト:新生産拠点で年4千万個の軸受生産と電動パワーステアリングの一貫生産を開始
 ジェイテクトの子会社 PT. JTEKT INDONESIA は、2011年12月よりWest Java州の新工場(敷地面積約10万平方メートル、建屋面積約2万平方メートル)で二輪向けと四輪向けの軸受の生産を開始した。初年度は4,000万個生産。二輪車向けが中心で、四輪車向けは数十万個規模。投資額は約65億円。
 また、電動パワーステアリング(EPS)の生産については、これまでタイやマレーシアから主要部品を輸入し、隣接の既存工場で組立工程のみ行っていた。こ の既存工場に約15億円を投じてEPSの一貫生産ラインを整備し、成型加工や熱処理工程などを内製化。2011年10月より一貫生産を開始し(建屋面積約 2万平方メートル)、拡大する市場への供給体制を強化する。
ジーテクト:初のインドネシア生産拠点を設立し、車体骨格部品、CVTの厚物精密部品生産へ
 ジーテクトは、子会社のPT.G-TEKT Indonesia Manufacturing (West Java州)を2012年に設立し、車体骨格部品を2013年1月から、無段変速機(CVT)などに使う厚物精密部品を2013年9月から生産開始する予定。資本金は約25億円、出資比率は99.9%。工場の土地面積7.31万平方メートル、建物面積1.12万平方メートル、大型トランスファープレス機などを導入する。現地生産を拡大する主要取引先のホンダ、スズキ、ジヤトコ向けに生産する。2015年度に32億円の売上高を目指す。ジーテクトのインドネシア進出はこれが初めて。また、同社のCVT用部品の海外生産も初めてとなる。
シロキ工業:ウインドレギュレータ、シート部品の工場建設、インドネシアに初進出
 シロキ工業は2011年9月、West Java州Bekasi県にPT.SHIROKI INDONESIAを設立。資本金2億円。自動車用ウインドレギュレータ、シート部品を製造・販売する。同国初の生産拠点で、工場の土地面積1.9万平方メートル、建屋5,300平方メートル、生産開始は2012年後半の予定。初期投資額は4.3億円、2016年3月までに2.4億円を追加投資する。取引先自動車メーカーの現地での増産に対応。2016年3月期の生産能力は、両部品おのおの40万-50万台分、売上高15億円を計画。
杉浦製作所:ナット・ボルト生産の工場を新設
 杉浦製作所は、West Java州Karawang県にPT.SUGIURA INDONESIAを設立し、2012年にナット・ボルトの生産を開始する予定。投資額は約10億円。供給先のトヨタ自動車やダイハツ工業の生産能力拡大計画に対応し、能力を強化し現地調達のニーズに応えるもの。2018年12月期に売上高25億円を目指す。
住友電工:WH、焼結部品の新工場を建設し、供給力・販売・サービス力を強化
 住友電工は2012年3月、自動車用ワイヤーハーネス(WH)、焼結部品、切削工具の新工場を建設すると発表。WHでは、住友電工と現地資本との既存合弁会社(West Java州)のPT. Sumi Indo Wiring Systemsに14億円を投じ建屋を増設、2015年の生産能力を現在の約3倍にする。
 焼結部品では、同州Bekasi県に合弁会社PT. Sumiden Sintered Components Indonesiaを資本金12.8億円で2012年5月に設立。25億円を投じて工場建設、2013年2月に四輪用・二輪用のエンジン部品、ミッション部品等を生産開始予定。
セーレン:自動車内装材製造の新拠点を設立へ。インドネシアに初進出
 セーレンは2012年3月、インドネシアに自動車内装材の製造子会社を設立することを前提に、West Java州のBekasi県ジャバベカ工業団地内に新工場建設用地を12年7月に取得することを発表。今後、自動車市場の拡大が期待されるアジア地域において、タイ、中国に続くアジア第3の拠点としてインドネシアに生産拠点を設けることにより、グローバル供給体制の強化を図る。新会社の資本金、事業規模等は未定。
タチエス:2011年11月からシート生産。当面は外部企業に生産委託、13年から新工場で自前生産
 タチエスは2011年11月、West Java州Karawang県にPT. TACHI-S INDONESIAを設立。資本金5.4億円。事業内容は自動車用シート、シート部品の製造販売。当初は外部企業に生産委託するが、20-30億円を投じて新工場を建設し、2013年に自社生産に切り替える計画。2015年に15万台のフル操業、40億円規模の売上を目指す。日産、ホンダなどの自動車メーカーに供給。
玉野化成:円高対応で初の海外生産。一部は中国、タイ、米国にも輸出予定
 玉野化成は、West Java州Karawang県にPT.TAMANO INDONESIAを2011年3月に設立。約7億円を投じた工場(敷地面積1.6万平方メートル、建屋6,000平方メートル)が2012年4月に稼働し、樹脂成型・加工品を生産開始。2013年1月頃から主力のウォッシャーノズルの生産を月10万個程度から開始。2014年中に能力を月30万個に引き上げ、5年内に月100万個に拡大する方針。深刻な円高の中、コスト競争力を高める必要から初の海外生産に踏み切ったもので、インドネシア向け輸出の大半を移管。中国、タイ、米国などへの輸出も想定。
東海ゴム:自動車用防振ゴムの全額出資子会社を新設
 東海ゴム工業は2011年8月、West Java州Karawang県KIM工業団地内にPT. Tokai Rubber Indonesiaを設立。資本金9.6億円。同国3つ目の生産拠点。生産品目は自動車用防振ゴムで、現地生産体制の拡充を図る(2004年から合弁会社のPT. Fukoku Tokai Rubber Indonesiaで自動車用防振ゴムを生産中)。工場の敷地面積5万平方メートル、建屋7,680平方メートル。生産開始は2012年7月、2015年度に売上高約30億円を見込む。なお、2つ目の生産拠点のPT. Tokai Rubber Auto Hose Indonesia(二輪用樹脂ホースを2012年2月から量産開始)でも、自動車用樹脂・ゴムホースの製造販売を行うことを検討中。2015年度の売上高は約9億円を見込む。
富山県金型協同組合:金型保守・材料加工の新会社設立
 金型関連の地場企業18社でつくる富山県金型協同組合が、2011年9月にジャカルタ郊外の工業団地に設立したTOYAMA PRECISION MOLDの工場が、2012年3月に稼働。生き残りのために国内市場から海外に一歩踏み出したもの。当面は取引先の自動車部品会社の金型保守や材料加工を行い、金型の新規受注につなげていく。工場敷地は2,070平方メートル、建屋は943平方メートル。建設費用の約1.5億円は会員各社で負担。組合の各社からボール盤、平面研削盤、レーザー加工機等の中古機械を持ち込み、マシニングセンター、CAD/CAMと3次元測定器などは新規購入。3年後の売上高は月700-800万円が目標。
豊田通商:ジャカルタ郊外にテクノパーク建設、25-26社の部品メーカー受け入れへ
 豊田通商は2011年9月、ジャカルタ中心部より東へ約60kmのKIM工業団地内にPT. TT Techno-Park Indonesiaを設立し、テクノパーク事業を立ち上げた。工場進出を希望する自動車部品メーカーに、土地/工場/事務所の賃貸、総務/経理/財務/人事などの事務系業務を支援することにより、進出各社の初期投資および海外進出リスクを軽減し、生産に専念できる環境整備を図る。資本金は約9.6億円。土地約15万平方メートルに建屋6棟を総投資額約40億円で建設する計画だったが、進出希望が相次ぎ、同年10月に用地約15万平方メートルを追加取得し、2棟を更に建設することを決め、合計で25、26社分を用意する。第1期の2棟を2012年6月に、2014年までに第2期から4期を完成させる予定。
名古屋特殊鋼:金型の一貫生産工場を新設、12年8月から生産開始。日本や米国にも輸出する方針
 名古屋特殊鋼は、同業の和田山精機と共同出資でPT. Meitoku-Wadayama Indonesia を2012年3月に設立。当初の出資比率は名古屋特殊鋼が9割だが最終的に6割、和田山精機が4割にする方針。所在地はジャカルタから東へ約60㎞のKawasan Industri Mitrakarawang (KIM) 工業団地内のP.T. TT Techno-Park Indonesia(豊田通商設立)。アジアに生産拠点を設けるのは初めて。2012年8月から金型の生産を開始し、2016年度までに工作機械や熱処理設備に約4億円を投資し、順次生産を増強。日系自動車メーカー、部品メーカーの金型需要の伸びに対応し、年間6億円の売上高を目指す。現地生産が軌道に乗れば、低コスト生産の金型を日本や米国に輸出し、グループ全体のコスト競争力を上げる方針。
日信工業:四輪車用・二輪車用キャストホイール製造の合弁会社設立へ
 日信工業の子会社PT.Chemco Harapan Nusantaraが、豪Alcar社の子会社PT.Alcar Wheels Indonesiaとの間で、四輪・二輪車用キャストホイールを製造・販売する合弁会社PT.Alcar Chemco Indonesiaを2012年1月にWest Java州で設立。資本金は2,000万米ドル。出資比率はAlcar側51%、Chemco側49%。2014年度に年間150万個を生産・販売する計画。四輪用はAlcarの主力市場の欧州向け、二輪用はChemcoのアジア地域向け。今後の市場拡大が予想されるインドネシアでの四輪車用分野への市場参入も目指す。
日清紡ブレーキ:自動車用ブレーキの摩擦材工場を新設
 日清紡ブレーキは、自動車用ブレーキ用摩擦材の工場を新設する(2012年4月報道)。顧客からの工場建設・進出要請に基づくもの。買収先の欧州摩擦材メーカーTMDも、インドネシアに拠点がなく生産補完が難しい。このため、日清紡グループが持つインドネシアの拠点の活用を含め検討する。
ニフコ:ファスナーなどのプラスチック製品の生産拠点を新設
 ニフコは、2011年5月に設立した輸入・販売会社PT. NIFCO INDONESIAを同年8月に増資し、合成樹脂成型品の製造販売会社に拡充した。増資後の資本金は1,000万米ドル。West Java州Karawangの工業団地に敷地2.2万平方メートル、建屋6,700平方メートルの工場を建設し、2012年中の稼働を目指す。二輪車を含む日系自動車メーカー向けにファスナーなどのプラスチック製品を供給する。
パイオラックス:自動車用・二輪車用樹脂ファスナーや燃料系部品の生産拠点を新設
 パイオラックスは2012年6月、West Java州Karawang県に子会社のPT.PIOLAX INDONESIAを設立。資本金800万米ドル。事業内容は、自動車および二輪車用の樹脂ファスナーや燃料系などの部品生産と販売。2013年秋までに、主に二輪車用から生産開始し、納入先メーカーの調達コスト低減に対応する。市場特性にあった商品展開等により、新規得意先の開拓を積極的に推進。2016年度の売上高は、約2,000万米ドルの予定。
フタバ産業:2カ所目の新工場でエキマニ、シャシー部品、ボディー部品の生産へ
 フタバ産業は2011年12月、West Java州Bekasi県に PT.Futaba Industrial Indonesiaを設立。資本金13億円。工場は2012年9月に稼働予定。主要製品はエキマニ、シャシー部品、ボディー部品。工場用地面積5万平方メートル、建屋約5,000平方メートル、投資額は15億円。トヨタ自動車、ダイハツ工業の現地生産増に対応。
丸五ゴム:エンジン周辺の防振ゴム、高機能ゴムホースを生産
 丸五ゴム工業は、2011年11月にWest Java州Karawang県の工業団地にPT.Marugo Rubber Indonesiaを設立。敷地約3.4万平方メートル、建屋面積約6,200平方メートルの工場を2012年1月に建設着工、2013年1月の稼働を予定。投資額は約10億円。エンジン周辺の防振ゴムや燃料系統に使われる高機能ゴムホースなどを生産する。稼働初年度に3億円、15年12月期に8億円の売上を目指す。
メイドー:高強度ボルトや長物・太物ボルトの工場を2013年に稼働
 メイドーは、2012年1月に全額出資で現地法人を設立。2013年2~3月にWest Java州Karawang県の工業団地内に建設中のボルト工場を稼働させる。投資額は約20億円。インドネシアでは初めての生産拠点。月産能力は約1,000トンで、足回りやエンジンなどに使う主力の高強度ボルトや長物・太物ボルトを生産し、2013年夏には本格的な納入を開始する。これまで日本から輸出していた製品を現地生産することで、コスト低減と供給の迅速化を図る。原料の鉄は、当初は日本から調達するが、顧客ニーズに応じて段階的に中国や台湾からも調達する考え。2020年の売上高目標は40億円。
八千代工業:樹脂製燃料タンク工場を新設
 八千代工業は、四輪車用樹脂製燃料タンク製造の新会社PT. Yachiyo Trimitra Indonesiaを2012年4月に設立。インドネシアでの工場設置は初めて。資本金2,350万ドル(約18.8億円)の合弁会社で八千代工業の出資比率は70%、地元企業25%、兼松5%。所在地はWest Java州。ホンダの四輪車工場から南方2㎞に位置する。ホンダが2014年に年間12万台の新工場を新設することに伴い、現地での供給体制を整備するもの。営業開始は2013年8月、年産能力は24万台の予定。将来は、ホンダ以外への供給も目指す。
ユニプレス:新会社を合弁事業に変更
 ユニプレスは、2011年 6月にWest Java州に全額出資で PT. Unipres Indonesia を設立すると発表したが、丸紅(出資比率20%)およびPT. IMG Sejahtera Langgeng(同10%) が2012年6月13日付で資本参加することに変更した旨を2012年4月に追加発表。PT. IMG Sejahtera Langgeng は、インドモービルグループの投資会社。新工場は、2012年 6月から車体骨格部品を年5万台規模 (車両ベース) で生産する。
ヨロズ:サスペンション用部品等を2013年から生産
 ヨロズは2012年1月、PT. Yorozu Automotive Indonesiaをミトラカラワン工業団地に設立。自動車用サスペンションなどの足回り部品を製造販売する。資本金は40億円相当、総投資額は約60億円。生産開始は2013年10月の予定。フル操業は2015年、売上高は36億円の見込み。

資料:各社広報資料, 各紙報道

 



インドネシア:既存拠点での能力増強・新製品の追加

 インドネシアでは、部品メーカーの製品追加・生産能力拡充の動きも活発化している。アイシン精機がオイルポンプの新生産ライン設置やクラッチの生産能力を増強、ショーワは四輪車用ギア部品の別会社を新設、豊田合成はエアバッグ機能付きハンドルの生産ラインを追加、デンソーはBekasi工場で全品目の生産能力増強や隣接地にパワートレーン新工場を建設、ユタカ技研はマフラー、ユニバンスは歯車製品、リケンはカムシャフトの生産能力を増強する。

インドネシア:日系自動車部品メーカーの生産拠点の能力増強、新商品追加、事業改編

(2012年5月下旬までの約 1年間の動向。配列は企業名 50音順)
アイシン精機:車用オイルポンプを新たに生産、クラッチの生産能力も増強
 アイシン精機は2012年9月に、West Java州Bekasi市のPT. AISIN INDONESIAの工場で生産ラインを新設し、車用オイルポンプを月間2万個生産する。投資額は約2億円。ダイハツが2012年末稼働予定の新工場で生産する小型車向けに供給する。また、2011年末に1億円を投じてクラッチの生産設備(熱処理炉)を増強。これにより月産能力が170万個から2割増加する。また、アイシン精機は、設計担当者を数人配置し、設計の現地化を推進する。
曙ブレーキ:第一、第二工場で増産体制構築
 曙ブレーキ工業は、Jakarta市の PT. Akebono Brake Astra Indonesia で増産体制を構築。第一工場からドラムブレーキの生産を隣接の第二工場に移管し、第一工場ではディスクブレーキ中心の生産とした。移管規模は月産12万個。移管後の工場全体の生産能力は変わらないが、第一工場に増設スペースを確保し、拡張余地のある第二工場と合わせて今後の増産に対応できるようにした。併せて日本から供給しているホイールシリンダーを内製化し、競争力を高める考え。2012年6月には第二工場内に事務オフィスを新設する予定。
黒田電気:電子材料販売の合弁会社を設立
 黒田電気は、West Java州Bekasi市に自動車業界向け電子部品や半導体などの電子材料を販売する合弁会社PT.KURODA ELECTRIC INDONESIAを設立し、2011年12月に営業を開始した。授権資本金100万ドル、払込資本金は50万ドル(黒田電気グループ70%、地元の部品メーカー30%出資)。販売計画は2012年度が7億円、13年度が11億円、14年度が14億円。
ケーヒン:第二工場を新設し、二輪車・汎用製品と四輪車製品製造へ
 ケーヒンは、PT. Keihin Indonesia(ジャカルタ郊外のCikampec)に約43億円を投じて第二工場を建設する。敷地8万平方メートル、建屋面積1.33万平方メートル。稼働開始は2013年8月(予定)。生産能力は非公開で、2輪車市場の成長に伴い需要が拡大している電子燃料噴射(FI)システム製品や4輪車製品を生産。2014年のフル稼働を目指す。
三桜工業:第二工場を建設し、樹脂製品、ブレージング製品を新たに生産
 三桜工業は、West Java州Bekasi県のP.T. Sanoh Indonesiaで第一工場の隣接地に第二工場を建設し、2012年末に稼働させる。樹脂製品、配管製品、金属を溶接するブレージング(ろう付け)製品を生産する。自動車メーカー各社の現地生産能力の拡充に対応するもの。
ショーワ:四輪車用ギア部品の別会社を新設し2013年から工場稼働へ
 ショーワは2012年5月、ジャカルタ郊外のBekasiの工業団地内にインドネシアでの第二拠点となる現地法人のPT SHOWA AUTOPARTS INDONESIA (仮称)を資本金15.4億円で設立すると発表(2012年4月)。従来、PT SHOWA INDONESIA MANUFACTURING で、二輪車用・四輪車用ショックアブソーバおよび四輪車用駆動ギア部品の製造、販売を行ってきた。今後インドネシアを含むアセアン地域内外の四輪車市場において、四輪車用駆動ギア部品の需要拡大が期待されることから、同事業を分離独立させ、別会社を設立した。新工場は約18億円投じて建設。敷地面積約2.5万平方メートル、建屋面積3,000平方メートル。2013年6月の稼働予定。生産能力は日あたり1,000台、年間約24万台。
鈴木スプリング:工場拡張で車用バネを増産、売上高3割増へ
 鈴木スプリング製作所は、West Java州Karawang県のPT.FUJI SPRING INDONESIAの工場を工業団地内で移転・拡張した。敷地面積は旧工場の2倍に、建屋延べ床面積は1.5倍となった。投資額は3億円。現地の日本車メーカー各社の増産計画に対応したもの。将来的には建屋を現在の2倍にする。2012年8月期の売上高は前期比3割増の6億円とする計画。
中央精機:機械加工ラインの増設で、アルミホイールの生産能力を300万本に増強
 中央精機は、West Java州のアルミホイール工場に約4-5億円を投資して機械加工ラインを1本増設し、年産能力を従来の250万本から2011年末に20%増の300万本に増強した。宇部興産がアルミホイール事業から撤退するのに伴い、トヨタ自動車向け供給分のうち、一部の生産を中央精機が引き継ぐため。また、鋳造、塗装ラインについて既存設備を改良して生産性を上げた。インドネシア工場は同社のアルミホイールの中核拠点で全量を日本に輸入している。同社では、今後、インドネシア市場向けの対応も必要となると見ている。
大同メタル:第二工場棟を建設し、増産体制整備
 大同メタルは、West Java州Bekasi県のPT.DAIDO METAL INDONESIA(自動車軸受メタルを製造・販売)で第二工場棟を建設し、2012-13年に稼働させる。海外生産体制強化の一環。
中央発條:バネの開発子会社を新設
 中央発條は2012年1月、全額出資の新会社PT. Chuhatsu Techno Indonesiaを設立した。サスペンション用バネや精密バネの開発や設計、生産設備の開発・設計・製造をスピーディに実施し、市場拡大にタイムリーに対応するため。資本金は1,000万円相当。海外での開発会社の設立は初めて。また、2011年に生産開始したPT. Chuhatsu Indonesia の新工場には、完成車メーカーの小口需要にも対応できる小規模ラインを新設し、コスト競争力を高める。
TPR:共同出資会社を解消し、独自の新会社でピストンリングを生産へ
 TPRは2011年12月、日本ピストンリングとの共同出資会社NTRI(PT.NT Piston Ring Indonesia)の合弁関係を解消することで合意したと発表。TPRが保有するNTRI株式を日本ピストンリングに全て売却する。TPRはピストンリングの単独生産拠点PT. TPR INDONESIAを2011年12月に設立し、インドネシアでのエンジン製造の生産拡大に伴う需要増に対応する。資本金は13億円相当。West Java州Bekasiの工場敷地面積は5万平方メートル。現状ではその4分の1を使えば、生産量はカバーできるとしている。生産開始は2013年3月の予定。四輪車と二輪車向けのピストンリング生産規模は2014年に2400万本の見込み。
豊田合成:エアバッグ組み込みハンドルの生産ラインを追加
 豊田合成は、P. T. Toyoda Gosei Safety Systems Indonesiaでエアバッグ組み込みハンドルの生産を2011年11月から開始した。従来はエアバッグのないハンドルだけを生産していたが、数千万円を投じ工場にエアバッグ組み付けラインを整えた。ダイハツ工業がインドネシアで生産する小型ミニバン向けに月間6,000本納入。同社の2010年の生産量は約33万本、13年に40万本の生産を見込む。
豊田鉄工:第二工場で車体骨格部品、足回り部品生産
 豊田鉄工は、Bekasi県のPT.NUSA TOYOTETSU第一工場の近くに約30億円を投じて第二工場を建設し、2012年をめどに稼働する。車体骨格部品や足回り部品を生産する。
トヨタ紡織:シートの生産能力を10万台分から14万台分に増強
 トヨタ紡織は、Bekasi県のPT. TOYOTA BOSHOKU INDONESIAの工場を増強し、シートの生産能力を現在の車両10万台分から14万台分に引き上げる。2013年に生産が始まるトヨタの新興国向け戦略小型車用のシートを受注。
ティラド:第二工場を新設し乗用車用ラジエーターを年産20万台に、第一工場は二輪専用で能力倍増
 ティラドは、PT.T.RAD INDONESIAの既存工場敷地内に第二工場を新設。2012年度後半から四輪車用ラジエーターを専用生産。年産規模は最大20万台を見込む。第一工場は二輪車用ラジエーター専用とし、生産規模を12年度に年産50万台へ倍増する。生産品目をすみ分けることで両工場の生産効率も高める。
デンソー:Bekasiの工場で全品目の能力増強、隣接地にパワートレーン部品新工場建設へ
 デンソーは、Bekasi県のPT. DENSO INDONESIAの工場でカーエアコン、ラジエーター、プラグ、フィルター等すべての部品で増産に入っている。加えて、タイで集中生産するスターターやオルタネ―ターのインドネシアでの生産を新たに検討。隣接地に1万平方メートルの土地を確保し、パワートレーン部品の新工場を建設する計画。
日本ピストンリング:共同出資会社を解消し、単独出資に。ピストンリング以外への事業拡大も検討
 日本ピストンリングは2011年12月、West Java州Karawang県のTPRとの共同出資会社NTRI(PT.NT Piston Ring Indonesia)の合弁関係を解消することで合意したと発表。TPRが保有する株式を日本ピストンリングが2012年-13年に全額取得し、自社単独の事業に切り替える。顧客への製品とサービスの提供で支障を来たさないように協議を進める。NTRIの仕事は半減し、生産能力に余力が生まれるため、ピストンリング以外の部品生産について検討する。
ミツバ:二輪車・四輪車向け電装品の生産増強
 ミツバは、Banten州のJl. Siliwangi-Kel Keroncong Kec. Jatiuwung-Tangerangに約17億円を投じ、工場の延べ床面積を20%増の4.8万平方メートルに拡張し、部品加工ラインを増設する。2012年10月に完了予定。取引先の生産拡大に対応し、二輪車と四輪車向け電装品の生産増強と構成部品の内製化を進めるもの。
ユタカ技研:マフラーの生産能力増強
 ユタカ技研は、2013年度をめどにPT. YUTAKA MANUFACTURING INDONESIAの敷地に建屋を増設し、四輪車用マフラーの生産能力を増強する。取引先のホンダの四輪車生産が増える見込みであるため。同社は、二輪車・四輪車のマフラーのほか、二輪車用ディスクブレーキ、四輪車用のAT用のトルクコンバーターを手がけている。
ユニバンス:歯車製品の一貫生産体制を整え、売上高を5倍に
 ユニバンスは2010年末に、West Java州でマニュアルトランスミッション部品等を生産する PT. Univance Indonesia の工場を 2棟増設し、建物面積をほぼ 2倍の 8,400平方メートルに拡張した。ここに日本の3工場にある余剰設備(ギア加工など)を移管。熱処理加工を現地化し歯車を一貫加工できる体制にし、2012年4、5月をめどにフル操業を目指す。さらにその先のユニット組立までを含めた一大拠点にする戦略で、20億円程度を投資する計画。現地調達率はまず50%位を目指す。売上高を2011年度の5-6億円(見込み)から、日系自動車メーカーの生産増、取り引き先の拡大により14~15年度には約5倍の30億円程度に引き上げる。歯車やシャフトの部品をインドネシアで加工し、タイに供給する計画もある。
リケン:カムシャフトの月産能力を 7割増の 5,000トンへ
 リケンは、合弁会社の PT. Pakarti Riken Indonesia (東ジャワ州) に2011年度から3年間で約 37億円を投資して、材料を溶かす溶鉱炉などの設備を導入する。2013年までにカムシャフトの月産能力を約7割増の5,000トン規模とする。日系四輪・二輪車メーカーの低価格帯の車両向けに供給する。2012年6月に新工場が稼働するため段階的に生産能力を引き上げる。

資料:各社広報資料, 各紙報道

 



ベトナム:グローバル生産拠点化への投資が増加

 ベトナムでは、自動車メーカーのグローバルでの生産増加計画を受けて、部品メーカーによる生産能力増強のための生産ライン・工場の追加建設、新会社の設立が行われている。

 内山工業はベアリング用シール部品の新生産ライン、永代化工は自動車用フロアーマット生産の第4工場、住友電工はワイヤーハーネスの第2工場を建設。ブリヂストンは乗用車用ラジアルタイヤの新工場、日本電産トーソクは自動変速機・CVT用のコントロール部品製造の新会社を設立し、加えて開発体制を強化する。

ベトナム:日系自動車部品メーカーの生産拠点の構築・増強

(2012年 5月下旬までの約 1年間の動向。配列は企業名 50音順)
内山工業:ベアリング用シール部品の生産ラインを新設
 内山工業は、ベトナム南部のBinh Duong省のUchiyama Vietnam Inc.の工場に2012年夏にベアリング用シール部品の生産ラインを設置し、人員も600人から1,000人に増やす。増産するのは磁性ゴムローター。内山工業はこのほかに中国、ポルトガル工場にも同設備を新設して海外生産を拡大し、同社の生産量を2011年度の月産670万個から2013年度に同850万個に増強する。
永代化工:自動車用フロアーマット生産の第4工場建設
 永代化工は、連結子会社のEIDAI KAKO (VIETNAM) CO.,LTD.(以下、EKV)が新工場(第4工場)を建設すると2012年4月に発表。ホーチミン市の輸出加工区工業団地内にあるEKVの第1、2、3工場では自動車用フロアーマット、産業資材関連部材などの異型(複雑な形状の)押出成形品を製造している。自動車用フロアーマットの受注増加による生産拡大を見込み、新工場を建設する。敷地面積4,987平方メートル、建屋面積1,212平方メートル(予定)、総投資額約250万米ドル(約2億円)。2012年9月に稼働予定。
住友電工:2社でワイヤーハーネス増産
 住友電工は、ベトナム北部の Hai Duong省にある子会社 Sumidenso Vietnam の第二拠点がニンザン郡で2011年に稼働。同社は、自動車用電線を製造・販売。2012年春には同省にあるSumidenso Vietnam Automotive Wireの第二工場がワイヤーハーネスを生産開始。
野口製作所:プレス部品の工場進出、2013年春に生産開始
 野口製作所は2013年春に、単独出資で設立した「ファータイルベトナム」(Bac Giang:バクザン省)で二輪車・四輪車のエンジン向け深絞りプレス部品や電装関連の小物プレス部品の生産を開始する。ASEAN諸国に進出する日系メーカーに供給する。資本金は7,800万円。工場敷地面積は1万平方メートル、建屋は2,000平方メートル。投資額は5億円。2016年までに工場を延べ床面積7,000平方メートルまで拡張する計画。初年度売上高は3億円、3年後に5-6億円に引き上げる計画。
日本電産トーソク:自動変速機、CVT用のコントロール部品製造の新会社設立、開発体制も強化
 日本電産トーソクは2012年3月、Ben Tre(ベンチェ)省にNIDEC TOSOK PRECISION VIETNAM CO., LTDを設立。資本金15.5億円。自動車用自動変速機、CVT用のコントロール部品の生産、販売を行う。工場竣工2012年9月、生産開始2013年4月。ベトナムから日本に輸出し、顧客の自動車・同部品メーカーに供給する。年間売上高は30~40億円を見込む。ベトナムには既に2製造拠点があるが、既存製品の増産と新規顧客向け製品の拡大に備えて新会社を設立。
日本電産トーソク:開発拠点での技術担当者を倍増
 日本電産トーソクは、グローバルでの開発体制強化として、ベトナムの開発拠点での技術担当者をこれまでの約40人から2012年に100人まで増やした。開発能力の強化により部品メーカーや自動車メーカーへの対応能力を高める。2013年後半以降に納入を開始する予定。
藤倉ゴム:東南アジア各国の調査・営業の中核拠点として駐在員事務所をホ-チミン市に開設
 藤倉ゴム工業の現地法人FUJIKURA COMPOSITES HAIPHONG INC.は2011年12月、営業体制を拡充するためHo Chi Minh市に駐在員事務所を開設した。事務所名はFUJIKURA COMPOSITES HAIPHONG INC. Ho Chi Minh City Representative Office。業務内容は、ベトナム国内をはじめとした、東南アジア諸国における工業用ゴム製品販売の市場調査。四輪・二輪メーカーを中心にエンジンやブレーキに使用するダイヤフラムなどのゴム製品を拡販する。
ブリヂストン:乗用車用ラジアルタイヤの新工場建設、操業開始は2014年上期
 ブリヂストンは、ベトナムでの乗用車用ラジアルタイヤ(PSR)の新工場建設と、それに伴う製造・輸出販売の新会社を2012年2月に設立。工場建設地はHaiphong市(Dinh Vu工業団地)。敷地面積約102万平方メートル、操業開始は2014年上期の予定。生産能力24,700本/日(2016年上期予定)。総投資額約355億円。同工場は、欧米や日本への市販用タイヤの輸出基地として、主として汎用タイヤを供給。当該国向けのPSRは、タイ、インドネシアの工場でも生産能力の増強を行っているが、更なる需要増に対応する必要があると判断し新工場を建設。新会社Bridgestone Tire Manufacturing Vietnam LLCの資本金は237億円。
マブチモーター:エアコンダンパー用モーターの供給能力増強
 マブチモーターは、Mabuchi Motor Danang LTD.で、自動車メーカ向けの供給が増えているエアコンダンパー用モーターの生産を年2万個規模にするなど供給能力を高める。グローバルでの自動車生産拡大や、ドアミラーやパワーシート、電動パーキングブレーキなどの搭載拡大に対応し、自動車電装機器向けモーターの増産体制を整える。

資料:各社広報資料, 各紙報道

 



マレーシア/シンガポール/フィリピン/カンボジア:各国の特性に沿った生産拠点の拡充

 マレーシアで、東洋ゴムが乗用車用タイヤ工場、河西工業が内装部品の合弁工場を設立。ポリプラスチックがポリアセタールの生産能力を拡充。シンガポールでは、旭化成ケミカルズ、住友化学、日本ゼオンの3社がそれぞれ省燃費型高性能タイヤ用S-SBRの新工場を建設。その他の国では、住友電工がフィリピンでワイヤーハーネスの3つ目の生産拠点を、カンボジアで新生産拠点を設立。古河ASは、マレーシアでワイヤーハーネスの新生産拠点を設立。

マレーシア/シンガポール/フィリピン/カンボジアでの日系自動車部品メーカーの動向

(2012年 5月下旬までの約1年間の動向。配列は企業名 50音順)

マレーシア

東洋ゴム:乗用車用タイヤ工場を設立、 年産250万本から始め2015年度に500万本体制確立
 東洋ゴム工業は、Perak(ペラ)州にタイヤ工場を建設。その準備として2011年4月にPerak州都Ipoh(イポー)市にToyo Tyre Manufacturing(Malaysia)Sdn Bhdを設立した。新工場の用地面積約48万平方メートル。第1期の投資額は約200億円。2013年4月に量産開始。乗用車、ライト・トラック用タイヤをまず年約250万本生産し、2015年度には年産約500万本体制を確立。マレーシア国内向けや近隣ASEAN諸国、その他の地域向けに供給する。将来的には、年産1,000万本規模に拡充する計画。なお、ペラ州の郊外には、同社グループのSilverstone社マレーシア工場があり、両工場によるシナジー効果を追求する。
ポリプラスチック:ポリアセタールポリマー重合設備に過去最大級の設備投資で約4倍の能力増強
 ポリプラスチックは、Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd./クアンタン工場 (Pahang州Kuantan Plant)のポリアセタールポリマー重合設備に過去最大級の設備投資を実施し、新たに9万トン/年の増設を行い、ポリアセタール(POM)の生産能力を2011年の年産3.3万トンから12.3万トンへ約4倍に引き上げる。2013年9月に設備が完成、14年初頭から商業運転を開始する予定。新生産設備は世界最高レベルの省エネルギー化を図り、コスト競争力を高めると共に、高品質な製品を供給する。当面は、主に中国華南地域へ供給するが、ASEAN諸国やインド向けの供給拠点としても活用していく。
河西工業:合弁会社を設立し、内装部品の生産販売を拡大
 河西工業は、マレーシアのTeck See Plastic Sdn. Bhd.(以下TSP )とアセアン地域における提携関係を一層強化する為、マレーシアで製造拠点を設立することに合意し、2012年4月に合弁契約に調印した。新会社のKasai Teck See (Malaysia) Sdn. Bhd.は、TSPの既存工場と設備を分割して保有し、TSPが75%、河西工業が25%を出資。事業内容は、自動車用内装部品の設計、製造、販売及び現行TSP社の商権の自動車用外装部品等の製造及び販売。プロトンほか日系メーカーへの内装部品取引事業を拡大していく予定。

シンガポール

旭化成ケミカルズ:年産能力 10万トンの省燃費型高性能タイヤ用S-SBRの新工場を建設
 旭化成ケミカルズは、シンガポール・Jurong島の省燃費型高性能タイヤ用溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の新工場は、第1系列(年産5万トン)が2013年 5月に稼働開始に向け建設を進行中。これに続く第2系列(年産 5万トン)を隣接地に100億円超を追加投資して2015年1月に稼働させる。完成後は年400億円規模の売上を見込む。同社はさらに、2017年をめどに10万トン規模の新工場をアジア地域(除く日本)で建設する方針。
住友化学:年産能力 14万トンの省燃費型高性能タイヤ用S-SBRの新工場を建設
 住友化学は、シンガポール・Jurong島に省燃費型高性能タイヤ用の溶液重合法スチレンブタジエンゴム (S-SBR) 製造プラント(年10万トン規模)を約100億円投じて新設する。2012年1月に着工し、2013年10-12月期に商業運転開始、年100億円以上の売上を目指す。年産能力は 4万トン。事業会社は、Sumitomo Chemical Asia PTE LTD。
日本ゼオン:年産能力 6-8万トンの省燃費型高性能タイヤ用S-SBRの新工場を建設
 日本ゼオンは、シンガポール・Jurong島で省燃費型高性能タイヤ用溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の新工場を建設する。第1期は2013年7月に商業生産開始。生産能力は年3~4万トン。第2期は2016年前半に操業生産開始。生産能力は年3~4万トン。

フィリピン

住友電工:3社目の拠点でワイヤーハーネスを2012年3月に生産開始
 住友電工は、フィリピンでの3つの拠点Sumi Philippines Wiring Systems Corporation(SPWS)でワイヤーハーネス(WH)の生産を2012年3月に開始した。同社は住友電工グループ 住友電装の100%出資の子会社で2011年5月に設立。所在地は、Battan州へルモサのへルモサ・エコゾーン・インダストリアル・パーク(HEIP)。生産規模については非公表としている。
古河AS:ワイヤーハーネスの製造拠点新設、2013年に操業開始
 古河ASは2012年1月に、自動車用ワイヤーハーネスの製造販売拠点のFurukawa Automotive Systems Lima Philippines Inc.(FASP)をBatangas州Lipa市LIMA TECHNOLOGY CENTERに設立した。資本金10億円(100%出資)。2013年3月に操業開始予定。工場の敷地面積5万平方メートル、建屋面積2.1万平方メートル。主に日本向けの輸出拠点となり、アジア域内でのさらなる生産拠点拡充の第一歩としている。

カンボジア

住友電工:ワイヤーハーネスの新会社で生産開始
 住友電工グループは、Sumi (Cambodia) Wiring Systems Co., Ltd.(SCWS)を2011年に首都Phnom Penhの経済特別区に設立。カンボジアでは初めての生産拠点。ワイヤーハーネスの生産を2012年4月に開始(予定)。電線やコネクターなどの部品はベトナムのグループ会社から供給する。中国での人手不足、労賃上昇に対応するため、主力のワイヤーハーネスを製造する工場をカンボジアやフィリピンに分散するもの。

資料:各社広報資料, 各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>