欧米自動車メーカーの中国戦略とその進展
BMW、Mercedes-Benz、GMの上海モーターショー出展状況
2025/06/25
- 要約
- BMW:次世代コンセプトカー、中国向けスマートコックピットシステム
- Mercedes-Benz:コンセプトカー「Vision V」と新型BEV「CLA L」
- GM:Cadillac「LYRIQ-V」、Buick新型スーパー融合アーキテクチャとNEVサブブランド
要約
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Mercedes-BenzのラグジュアリーMPVコンセプトカーVision V |
欧米の主要自動車メーカーは中国市場において現地戦略をさらに深化させており、インテリジェント化と電動化への転換を加速するとともに、上海モーターショー2025では最新の技術成果と製品ラインアップを一堂に展示していた。
BMWグループは2025年3月に中国で「360度フルチェーンAI戦略」を始動し、研究開発、生産、運営、ユーザー体験などの各段階におけるAIの全面的な活用を推進する。次世代モデルには自社開発のAIシステムをいち早く搭載するとともに、2026年の国産化を計画している。上海モーターショーでは、次世代のコンセプトカー「BMW VDX(Vision Driving Experience)」を世界初公開するとともに、「Vision Neue Klasse X」を中国で初公開し、インテリジェント化と製品構成を披露した。
中国での生産と研究開発を開始より20年目となるMercedes-Benzは、引き続き現地への投資を拡大している。今回のショーでは、EVプラットフォーム「VAN.EA」をベースとしたラグジュアリーMPVコンセプトカー「Vision V」を世界初公開するとともに、中国市場向けに開発したロングホイールベース版のBEV「CLA L」を発表した。当モデルは、自社開発のMB.OSを搭載している。
GMと上汽の合弁の上汽GMは、2025年から2026年にかけて、BEV、PHEV、レンジエクステンダーEVの10車種以上のNEVモデルをリリースし、製品の全面的な電動化を推進すると発表した。今回のショーでGMは「より良く、より新しく」をテーマに、Cadillac、BuickブランドなどのNEVモデルとスマートモデルを展示した。注目はCadillac「LYRIQ-V」の中国初公開、BuickのNEVファミリー「GL8」の新モデル、サブブランド「至境(Electra)」コンセプトカー、「逍遥(Xiaoyao)」アーキテクチャ技術などで、転換を加速する全体戦略の方向性を示した。
本レポートはBMW、Mercedes-Benz、GMの上海モーターショー2025の出展情報を中心に中国戦略の進捗や技術ハイライトをまとめた。
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