NCAP(新車アセスメントプログラム)の概要と動向(1)
NCAPの地域比較と課題・最新動向
概要
NCAP(New Car Assessment Programme 新車アセスメントプログラム)は、欧州(Euro NCAP)、米国道路安全保険協会(IIHS)に続き、現在ではオーストラリア(ANCAP)、日本(JNCAP)、韓国(KNCAP)、中国(CNCAP)、南米(Latin NCAP)、アセアン(ASEAN NCAP)とNCAPが世界に広がり、自動車メーカーがNCAPで好成績をとる事が消費者に受け入れられる為に必須であると力を入れている。
各NCAPの状況を下表に示す。(赤字は最近の変化点)
| 国・地域 | プログラム | 前面衝突 | 側面衝突 | 後部衝突 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| フルラップ衝突 | オフセット衝突 | MPDB衝突 | MDB衝突** | ポール衝突 | Far Side衝突*** | |||
| 米国 | US NCAP | 56km/h | - | 62km/h | 32km/h | - | ||
| IIHS* | - | 64km/h | 60km/h | - | 16km/h | |||
| 欧州 | Euro NCAP | 50km/h | 50km/h x 2 | 60km/h | 32km/h | Sled or 実車 | 24.5km/h | |
| 日本 | JNCAP | 55km/h | 64km/h | 55km/h | - | 20km/h | ||
| オーストラリア | ANCAP | 50km/h | 50km/h x 2 | 60km/h | 29km/h | Sled | 24.5km/h | |
| 韓国 | KNCAP | 56km/h | 64km/h | 55km/h | 32km/h | 16km/h | ||
| 中国 | CNCAP | 50km/h | 64km/h | 50km/h | - | 20km/h | ||
| C-IASI | - | 64km/h | 50km/h | - | 16km/h | |||
| 南米 | Latin NCAP | - | 64km/h | 50km/h | 29km/h | - | ||
| アセアン | ASEAN NCAP | - | 64km/h | 50km/h | - | - | ||
注:* 米国ではUS NCAPのほか、IIHS(Insurance Institute for Highway Safety 米国道路安全保険協会)の安全評価がある。IIHSはオーバーラップ量40%と25%の2種類のオフセット衝突を実施している。
 ** MDB(Moving Deformable Barrier)衝突
*** Far Side衝突、SledテストはMDBとPoleの衝突パルスで行う。
Euro NCAPはセンターエアバッグなどの対策がされていると時はFar SideテストをMDBまたはPoleで行う。
出所:各NCAP、IIHSの評価基準より作成
 更に交通事故削減を目的とした国際的慈善団体Towards Zero Foundationが主要プロジェクトとしてGlobal NCAPを推進。新興市揚でのNCAP実施のサポートや、NCAPのベストプラクティス共有の為の世界会議の開催等を行っていて、最近では国連の交通安全推進運動“Decade of Action for Road Safety”(*注)と連動した動きも見せている。
(*注)国連は、WHOが数年ごとにGlobal Status Report on Road Safetyとして世界の交通事故の統計・推計を発表しているが、それだけでなく世界の交通安全向上の行動計画 “Decade of Action for Road Safety 2021-2030”を国連総会で採択し、Global NCAPはそれに協力する形をとっている。
現在、大部分の車が殆どのNCAPで最高ランクの評価を得ており、消費者情報の目的である差別化がはっきりしなくなっている為、各NCAP共に積極的に新項目を取り入れている。その動きはEuro NCAPが最も激しい。
今回のNCAPレポートは2回に分け、Part 1では各NCAPの特徴、問題点、そしてEuro NCAPのRoadmap2030に代表される将来動向を解説。Part 2で新項目を含むテスト法の詳細と各NCAPの比較を行う。
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