商用車の自動運転に関連する特許出願動向

遠隔操作、配送システムなど

2025/10/31

要約
商用車の自動運転に関連する特許出願動向
遠隔操作（トヨタ自動車）
配送システム（日本電気）
バース管理（三菱地所）

要約

　本レポートは、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社（TTDC）が提供している「技術情報配信サービス-swimy」の特許情報をもとに、昨今の⾃動⾞業界を取り巻く技術トピックスに関するレポートをMarkLinesが作成した。TTDCは、知的財産（IP）事業と計測制御事業を展開。知的財産（IP）事業では世界の⾃動⾞開発に関する情報収集と解析を⾏い、研究企画のコンサルティングをはじめ、外国特許の出願や技術翻訳を実施している。

　米国や中国では、すでに一部地域においてレベル４のロボタクシーや自動運転トラックが商用サービスとして稼働している。日本国内でも自動運転車両の実証実験が各地で進められており、タクシーや商用車への自動運転技術の社会実装が進展している。ロボタクシーとは、自動運転技術を活用した無人のタクシーサービスであり、運転手を必要とせず、自律的に目的地まで移動することが可能な車両を指すものである。

　このような背景を踏まえ、2015年以降に公開された特許情報をもとに技術動向を調査した。

出典：経済産業省　「モビリティDX戦略」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/jido_soko/pdf/mobilitydxsenryaku2025.pdf

　特許出願件数は2017年に最も多く、以降は減少傾向が見られる。特許出願件数の上位企業に注目すると、トヨタ自動車が最も突出しており、次いで本田技研工業、日産自動車、パナソニックインテレクチュアルプロパティコーポレーションオブアメリカ、デンソーの順に多く出願している。各企業の年ごとの特許出願件数の推移を比較すると、トヨタ自動車が常に多く出願していることが分かる。また、他の上位企業については、2017年～2019年にかけて出願件数が多い傾向にあったが、2020年以降は全体的に減少傾向にある。

　技術分野では、「経路計画」、「運行管理」に関する特許が特に多く、次いで「配送システム」「遠隔操作」に関する出願が多いことが分かる。

トヨタテクニカルディベロップメント株式会社