パリモーターショー2022:HMI展示概要 (1)
中国系メーカーのEV・新興EVブランドがディスプレイを中心としたHMIをアピール
要約
パリモーターショー2022(Mondial de l'Automobile)が10月17日-23日にパリで開催された。同ショーは1898年に始まった歴史のあるモーターショーで近年ではフランクフルトと交互に開催される隔年開催となっていた。しかし2020年はコロナ禍で中止されていたため、今回は2018年以来4年ぶりの開催であった。開催前にドイツ、日本、韓国の主要メーカーが出展しないことが発表され、出展企業数も前回の約260社から120社弱に減少するため寂しいショーになることが予想されていた。しかし、フタをあけてみれば中国やベトナムからの参加や新興企業の展示で大いに盛り上がり、特に週末は子連れの家族で人が溢れ大盛況に感じられた。
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| パリモーターショー2022 会場入口 | 平日の会場内風景(週末はさらに家族連れで混み合っていた) | 
本稿では今回のショーで展示されていた車両のHMIについて前編と後編に分割して報告する(表1)。前編は日本では見る機会の少ない中国車、ベトナム車の他に中国車をベースとした新ブランドの車両や超小型コミューターEVのHMIについて報告する。後編はフランス車(Renaultグループのダチアを含む)のHMIについて報告する。
本レポートで取り扱っているブランド/メーカー名一覧
| 取り扱っているブランド/メーカー名 | |
|---|---|
| 前編 | BYD、WEY/ORA(長城汽車)、Seres、VinFast、MG(上海汽車)、Sportequipe、Mobilize、Hopium、NamX、Aixam-Mega、Silence、City Transformer、XEV | 
| 後編 | Renault、Dacia、Peugeot、DS Automobiles、Jeep、Ford | 
 今回のショーでの中国メーカーのプレゼンテーションでは東洋的な雰囲気は抑えられており、観客の多くはどこの国の製品かわからなかったと思われる。通常であれば聞き慣れないブランドには拒否感をもたれることが多いが、今回はEV、水素関連で多くの新興企業が出展していたため、新しいブランドでも大きな違和感なく受け入れられているように感じられた。なおベトナムのVinFastだけは民族色の感じられる展示であり印象的だった。
今回は日独韓のOEMは参加しなかったが、大量の中国車や新興企業の出展でショーが盛り上がり、選手交代の時代が来たのか?という感覚にとらわれた。ネット時代でショーの価値が低下しているため出展を控える企業が多いが、それが逆に新興メーカーにはアピールのよい機会になっているように思われる。今回のパリショーはポストコロナ禍の新時代を感じさせるショーであった。10年後に過去を振り返ったときに、「2022年が時代の変わり目だったね」と言われるかもしれない。
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