日本市場の新型車装備:先進安全装備パッケージの搭載拡大

対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ、周辺視界モニターの採用増加

2015/07/16

要 約

Toyota Corolla Axio
Toyota Safety Sense Cを初搭載したToyota Corolla Axio
(Toyotaプレスリリースより)

 以下は、日本の自動車メーカーが2014年7月~2015年7月に国内販売した、新型乗用車 (軽乗用車を除く) の主要装備の概要である。本レポートで取り上げた新型乗用車は主に新モデルとフルモデルチェンジ車で、ホンダ、トヨタは各5車種、マツダ、富士重工は各3車種、レクサス2車種、日産、スズキは各1車種で、計20車種 (うち2車種は一部改良車。OEM車は含まない)。

 走行性能装備では、左右駆動輪に伝達する駆動力の配分により旋回性能を高めるトルクベクタリングの設定が拡大。衝突安全装備では、歩行者との衝突時、エンジンフード後端を瞬時に持ち上げて衝撃を緩和するポップアップフードの設定が、高級車を中心に拡大した。

 運転支援装備では、先行車に加え、歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキの搭載が拡大。また、車両の周囲の状況を真上から見たような映像で映し出す周辺視界情報提供装置 (日産アラウンドビューモニター等) の搭載も拡大した。国土交通省は予防安全性能アセスメントにおいて、2014年度から車両に対する衝突被害軽減ブレーキと車線逸脱警報、2015年度からは後方視界情報提供装置 (バックビューモニター) の評価を開始している。

 視認性確保では、ハイ/ロービームを自動で切り替えるオートマチックハイビームの採用が増加。快適・利便性装備では、車載装置と通信システムを組み合わせて様々な情報・サービスを提供するテレマティクスシステムの設定が拡大した。

日本の自動車メーカーが新型車に設定した主な先進装備

(2014年7月~2015年7月に日本で発売した新型車)
装備 設定車種
走行性能 トルクベクタリング Lexus RC F, Honda Legend, Subaru Legacy B4/WRX S4
衝突安全性 ポップアップフード Honda Legend, Nissan Fuga, Mazda Roadster
運転・駐車支援 衝突被害軽減ブレーキ
(対歩行者)
Honda StepWGN/Jade/Legend, Subaru Exiga Crossover/Legacy B4/WRX S4
周辺視界情報提供装置
(日産アラウンドビューモニター等)
Toyota Vellfire, Lexus NX, Honda StepWGN/Legend, Nissan Fuga
視認性確保 オートマチックハイビーム Toyota Sienta/Corolla Axio/Vellfire/MIRAI/Esquire,
Lexus RC F/NX, Honda Legend,
Mazda Roadster/CX-3/Demio, Subaru WRX S4
快適・利便性 テレマティクスシステム Toyota Sienta/Corolla Axio/Vellfire/MIRAI/Esquire,
Lexus RC F/NX, Honda Shuttle/StepWGN/Jade/Legend/Grace,
Nissan Fuga, Mazda Roadster/CX-3/Demio

   新型車装備レポートシリーズ
  Hyundai/Kia の新型車装備 (2015年6月)、
 ドイツ3社の新型車装備 (2014年10月掲載)、欧州メーカーの新型車装備 (2015年1月掲載)、
  米国の新型車装備 (2014年7月掲載)、
 日本の新型車装備 (2014年7月掲載)、

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