米国の新型車装備:リアビューカメラ、前面衝突警報・自動ブレーキの設定拡大

GM/Ford/Chrysler が米国で発売した新型車の装備搭載状況

2014/07/29

要 約

Lincoln MKC
多数の運転支援装備を搭載するLincoln MKC
(デトロイトモーターショー2014より)

 以下は、GM, Ford, Chrysler が、2013年9月以降に米国発売した新型車 (乗用車と小型トラックの新モデルとフルモデルチェンジ車) の主要装備の設定概況である。

 走行性能装備では、トランスミッションの操作に、電子制御タイプのダイヤル式シフトセレクターが採用された。燃費向上装備では、停車すると自動的にエンジンを停止するアイドリングストップ機構の搭載が拡大している。

 衝突安全性装備では、運転席および助手席Knee airbagの搭載が拡大。Ford Mustangにはグローブボックスに組み込んだ新型助手席Knee airbagが搭載された。また、側面衝突の際に運転席と助手席の間に展開するFront center airbagの設定が始まった。

 運転支援装備では、米国運輸省により搭載を義務付けられたRear view cameraが、新型車全車に設定された (車両総重量評価 (GVWR) (*注) 1万ポンド以下の新車は、2016年5月までに対象車の10%、2017年5月までに40%、2018年5月までに100%装着のこと。詳細はこちら)。また、衝突安全試験を実施している米国道路安全保険協会 (IIHS) が、2013年から前面衝突回避システムの性能評価を開始したことを受け、Forward collision warning with auto braking (前面衝突警報と自動ブレーキ) の搭載が拡大している。

 視認性確保では、LED Headlampsの設定が拡大。自動的にヘッドランプのハイ/ロービームを切り替えるAutomatic high beam control の搭載も拡大した。

 利便性装備では、視線を前方の道路から離さずに、フロントガラスに投影された走行情報を見ることができるHead-up displayの設定が拡大。投影できる内容を、必要に応じてカスタマイズできるシステムも採用されている。また、両手に荷物を持っていても、リアバンパーの下に足を入れるだけでテールゲートを開閉できるHands-free liftgateの採用も拡大した。


 (*注) 車両総重量評価 (Gross vehicle weight rating) は、安全性確保のために自動車メーカーが設定するGVWの許容最大値。

 

GM/Ford/Chrysler が2013年9月以降に米国発売した新型車の主要装備設定

走行性能
(燃費向上を含む)
ダイヤル式シフトセレクター Chrysler 200
アイドリングストップ機構 Ford F-150, Chrysler 200 (2014年第4四半期から追加設定)
衝突安全性 Driver and front passenger's knee airbags Cadillac ELR, Cadillac CTS, Chevrolet SS,
Ford Mustang, Chrysler 200
Front center airbag Cadillac Escalade
運転支援 Rear view camera 本レポートで取り扱う全車
Forward collision warning with auto braking Cadillac Escalade, Cadillac ELR, Cadillac CTS,
Lincoln MKC, Jeep Renegade, Chrysler 200
視認性確保 LED headlamps Cadillac Escalade, Cadillac ELR, Ford F-150
Automatic high beam control Cadillac Escalade, Cadillac ELR, Cadillac CTS,
Lincoln MKC, Chrysler 200
利便性 Head-up display Cadillac Escalade, Cadillac CTS, Chevrolet SS,
Chevrolet Corvette Stingray
Hands-free liftgate Cadillac Escalade, Lincoln MKC

 新型車装備レポートシリーズ
  日本の新型車装備 (2014年7月掲載)、  Hyundai/Kia の新型車装備 (2014年3月)、
 ドイツ3社の新型車装備 (2013年11月掲載)、欧州メーカーの新型車装備 (2014年1月掲載)
  米国の新型車装備 (2013年8月掲載)

米国規制レポート「リア・カメラの100%装着時期を3年間遅らせ、2018年5月1日以降の製造モデルから」 (2014年5月掲載)

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