中欧6カ国:スロバキアでは 超小型車VW up! の生産が急拡大
ハンガリーではDaimlerがB-Classを生産開始、ポーランドではFiat/GMの生産が減少
2012/07/31
- 要 約
- 2012年上期の生産はスロバキアが51%増、ポーランドが26%減
- 2012年上期の乗用車販売は5%増の36.7万台
- 主要自動車メーカーの生産拠点
- チェコ: 現代自動車の2012年上期生産は3%増、Toyota/PSAは23%減
- ポーランド: Fiat 工場の減産が響き、2012年上期の同国生産は26%減
- スロバキア: VW up!/Skoda Citigo/SEAT Miiの生産開始
- ルーマニア: Fordが小型MPV B-MAXの生産を開始
- ハンガリー: Daimlerが新工場でB-Classの生産開始
- スロベニア: Renaultが欧州販売の不振によりNovo Mesto工場の人員削減
- セルビアではFiatが生産能力増強、ブルガリアでは長城汽車が新工場稼働
要 約
以下は、中欧6カ国 (チェコ、ポーランド、スロバキア、ルーマニア、ハンガリー、スロベニア) で生産する自動車メーカー各社の動向である (Fiat が生産能力を増強したセルビアと、長城汽車が工場を新設したブルガリアについても触れる)。
中欧6カ国では、2007年から自動車生産が300万台を超え、2009年の経済危機で一時減少したものの、2010年には342万台に達した。しかし2011年には、信用不安の影響で、最大の輸出先である欧州での販売が減少し、生産台数は339万台に微減。2012年上期も、前年同期比2%減の177万台となった。
国別の生産状況では明暗が分かれ、スロバキアはVWの超小型車 up! や起亜自動車のSUV Sportage の工場があり、2012年上期の生産が大幅に増加した。一方、ポーランドは、欧州での販売減少の影響を強く受けたFiatやFSO (GM車を生産) の工場があり、生産が減少。Skodaや現代自動車の拠点を有するチェコの生産は微減だが、中欧諸国の中で最大の生産規模は維持した。
平均賃金がドイツの5分の1と言われる中欧諸国は、自動車生産拠点としての重要性を増しており、西欧諸国からの生産移管も進んでいる。最近、新たに中欧で拠点を構築したOEMは、2012年3月にハンガリーの新工場で新型B-Classの生産を開始したDaimlerと、同年2月にブルガリアのKD工場を正式稼動させた長城汽車。また、生産能力の増強計画では、Audiが2013年までにハンガリーでの年産能力を12.5万台に (2011年実績は4.1万台)、Fiatがセルビア工場を改修して年産能力を20万台 (同1.0万台) に引き上げる。
関連レポート:中欧6カ国 (2011年7月掲載)
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