PSA:欧州外市場での販売比率を2015年に50%、2020年に2/3に拡大
GMがPSA株を7%取得、包括的な業務提携を締結
2012/06/12
- 要 約
- 新興国市場:中国、中南米、ロシア、インドでの動き
- モデル計画:上級モデルのCitroen DS5, Peugeot 4008/Citroen C4 Aircrossを投入
- フリーキャッシュフローの改善を目指す2012 Action Plan
- 他社との協業により開発・調達コストを削減
- 2011年の世界販売は1.5%減の355万台、2012年1-3月は14.3%減の79万台
- 自動車部門は2011年に0.9億Euroの営業赤字、2012年1-3月の売上高は13.7%減
要 約
PSAの2011年の販売台数は、信用不安の影響で欧州販売が減少し、前年比1.5%減の354.9万台。売上高は、上級モデルの増加により6.9%増の599.1億Euroとなったが、営業利益は26.8%減の13.2億Euro。自動車部門は価格競争の激化、東日本大震災の影響、原材料の高騰などにより、0.9億Euroの営業赤字を計上した (2010年は6.2億Euroの黒字)。
PSAは今後、欧州外市場での販売拡大、上級モデルや商品力を高めた小型車の投入、調達・固定費の削減、他社との協業等により、業績改善を目指す。
欧州外市場については、2011年に42%だった販売比率を、2015年までに50%、2020年までに3分の2にまで拡大するとして、新興国事業に注力している。特に中国では、2つの合弁会社(神龍汽車と長安PSA)で生産能力を拡充しており、2015年には合計95万台の年産体制を整備する見通し。
モデル計画では、Peugeot/Citroenの両ブランドとも上級モデルを投入し、販売構成を改善する。また、2012年には、Peugeotの最量販モデル207の後継車として、車両を大幅軽量化した低燃費の208を投入。4車種のディーゼルハイブリッド車も発売する(ディーゼルハイブリッド車の発売は世界初)。
PSAは、2011年に16億Euroのマイナスとなったフリーキャッシュフローを改善するため、2012年にはキャッシュ確保の対策を講じる。具体的には、調達・固定費の削減で10億Euro、資産売却により15億Euroを確保するほか、設備投資・R&D費を低減する。
開発・調達コストの削減のためには、他社との協業も進める。GMとは、2012年2月に資本・業務提携を結ぶことで合意。GMがPSA株の7%を取得し、両社はプラットフォーム・部品・モジュールの共通化や、グローバルな共同部品調達を行う計画。また、BMWとは、2011年10月に電動車両のコンポーネントを開発・生産する合弁会社を設立した。
関連レポート:PSA (2011年7月掲載)
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