奇瑞汽車:海外企業との合弁事業を推進
新興国や途上国を中心に輸出やKD生産も拡大
2012/04/27
要 約
奇瑞汽車は1997年に安徽省蕪湖市で設立された中国最大の自主ブランドメーカー。「奇瑞(Chery)」、「旗雲(Cowin)」、「瑞麒(Riich)」、「威麟(Rely)」、「開瑞(Karry)」の5ブランドを擁し、自主ブランド乗用車市場で例年トップの販売実績を上げている。
2011年は中国メーカーの自主ブランド乗用車市場が低迷した影響で、奇瑞汽車の通年販売台数も前年比5.9%減の64.2万台に落ち込んだ。しかし市場シェアは維持しており、同市場で11年連続となる販売台数第1位を獲得した。
奇瑞汽車は2011年から2012年初めにかけて、海外企業との合弁事業を積極的に推進した。2011年11月にIsrael Corporationとの合弁会社が、欧州市場への投入を視野に入れた新ブランド「観致(Qoros)」を発表。2012年3月にはJaguar Land Roverとの間で合弁設立に関する提携協議書が締結された。
輸出やKD生産による海外市場の開拓も進展している。2011年には欧米市場参入の足掛りとして初めてオーストラリアへの輸出を開始したほか、需要が拡大しているブラジルに中国メーカーとしては初となるCKD工場を着工した。奇瑞汽車は2011年に前年比72.8%増の15.9万台を輸出し、乗用車輸出市場で9年連続となる第1位を獲得している。