奇瑞(Chery):2020年までに年販100万台、うち20万台を新エネルギー車に
JLRのエンジン工場を拡充、奇瑞新エネルギー車工場の建設を加速
2017/09/11
- 要約
- 奇瑞控股の概要:JLR及びQorosと合弁、自主ブランドモデルChery、Karry、Cowin
- 2020年までに年販100万台、うち20万台を新エネルギー車に
- 海外展開:中国乗用車で14年連続No.1の輸出、生産拠点も積極的に展開
- 技術開発:新型エンジンの開発、自動運転、カーシェアリングなど大手サプライヤーと提携
- 奇瑞控股傘下の主な工場の生産能力
- 奇瑞控股傘下OEMの中国販売台数(工場出荷台数)
- LMC Automotive販売予測:奇瑞グループの販売は2019年に回復、2020年には80万台
要約
奇瑞控股集団有限会社(以下、奇瑞控股)は、安徽省蕪湖市に本社を置く自動車、自動車部品、船舶、不動産、金融等の企業を傘下に収める持株会社。傘下OEMの奇瑞汽車股肦有限公司(以下奇瑞汽車股肦)は、奇瑞(Chery)ブランドの製造/販売を行うとともに、Jaguar Land Rover(以下JLR)及び観致(Qoros)と合弁を締結している。一方、商用車を中心に手掛ける奇瑞商用車安徽有限公司(以下、奇瑞商用車)は、開端(Karry)ブランドと凱翼(Cowin)ブランドの製造/販売を行っている。
1997年1月に会社を設立した奇瑞汽車股肦は、今年創立20周年の節目を迎えた。代表的な微型車「QQ」や小型車を中心に販売台数を伸ばし、2011年の中国国内シェアは7位となるが、中国で人気の車型SUVの拡充が遅れ、2012年以降は販売台数の下落が続いた。2013年はブランドの見直しを行い、SUV瑞虎(Tiggo)シリーズやセダンの艾瑞澤 (Arrizo)シリーズを投入することで2014年から販売台数が回復。2016年はJLRブランド車の販売が好調なこともあり前年比34.9%増の69.9万台(以下、工場出荷台数)、2017年1-7月は前年同期比20.2%増の35.8万台と堅調に推移している。十三五計画(2016-2020年)期間は、奇瑞商用車傘下ブランドのKarryやCowinも含めて目標販売台数を100万台に設定。うち20万台を新エネルギー車とし、現在急ピッチで新エネルギー車の工場を建設中である。
海外展開は、中国OEMで最も多く乗用車を輸出しており、2016年時点世界80余りの国と地域に展開。生産拠点は、2016年にブラジルで中国OEM初の完成車工場(独資)を建設した。また、2017年にはイラン工場でTiggo 7をラインオフ。2017年のフランクフルトモーターショーでは、新型プラットフォームM3Xを採用したSUVのワールドプレミアが予定されている。
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