米新車販売、3月は1.6%減の155.6万台

・オートデータが3日に発表した3月の米国新車販売台数(速報値)は、前年同月比1.6%減の155万5,859台となった。3月の季節調整済み年率換算(SAAR)は1,662万台/年だった。1-3月の米国市場の累計販売は403万3,045台で前年同期比1.5%減となった。
・安定した労働市場、低金利、低いガソリン価格、高い消費者心理など販売を後押しする環境は続いており、需要は高水準を保っている。
・車型別の販売では、乗用車が前年同月比10.6%減だったが、ライトトラックは5.2%増と販売が増加、ピックアップとSUVの人気が継続している。
・乗用車の販売比率は2017年3月は39.3%で、2016年3月の43.3%から大きく低下した。全需は高水準ではあるが伸びが止まり、乗用車からライトトラックへ需要のシフトが続いている。
・自動車アナリストは自動車メーカーがインセンティブを増やしているとして、3月販売は前年同月比でプラスと予想したが結果的には3カ月連続の微減で米国の需要は頭打ちになったことが明確になったとしている。

米国の新車販売台数(2017年3月)

2017年
3月
2016年
3月
増減率
2017年
1-3月
2016年
1-3月
増減率
乗用車
611,999
684,695
-10.6%
1,541,895
1,743,154
-11.5%
ライトトラック
943,860
897,069
5.2%
2,491,150
2,351,647
5.9%
合計
1,555,859
1,581,764
-1.6%
4,033,045
4,094,801
-1.5%

出所:Autodata, U.S. Market Light Vehicle Deliveries - March 2017 (April 3, 2017)より抜粋

・米国メーカーの3月販売は、GMが前年同月比1.5%増、フォードは7.2%減、FCA US (クライスラー)は4.6%減となった。GMは個人向け販売が5%増になったことで販売増となった。フォードは乗用車が前年同月比で24.2%減と大幅に減少、SUVとピックアップでカバーしきれなかった。FCAは「ジープ・コンパス」のモデルチェンジ、乗用車ダッジ「ダート」とクライスラー「200」のモデル廃止発表の影響が出ている。
・日本車は、トヨタが前年同月比2.1%減、日産は3.2%増、ホンダは0.7%減、スバルは11.3%増、マツダは4.9%増、三菱は6.2%増だった。
・韓国車は、現代自動車が8.0%減、起亜は15.2%減となった。
・米国VWグループは2.6%増、ディーゼル車排気規制の不正スキャンダル解決の目処がついたVWが2.7%増、アウディが1.7%増だった。アウディは75カ月連続で前年同月比増を更新している。
・高級車では、BMWブランドが3.3%増の3万1,015台で首位、メルセデス・ベンツが3.3%増の2万9,092台で2位、レクサスが7.5%減の2万7,935台で3位だった。