Continental AG 2014年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ユーロ)
  2014年
12月期
2013年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 34,505.7 33,331.0 3.5 1)
EBITDA 5,133.8 5,095.0 0.8 -
シャシー・安全
売上高 7,514.9 7,269.2 3.4 2)
EBITDA 1,018.1 990.2 2.8 -
パワートレイン
売上高 6,494.3 6,260.3 3.7 3)
EBITDA 443.3 650.2 (31.8) -
インテリア
売上高 7,002.5 6,605.7 6.0 4)
EBITDA 946.3 850.2 11.3 -
タイヤ
売上高 9,784.4 9,583.2 2.1 5)
EBITDA 2,280.8 2,137.7 6.7 -
ContiTech
売上高 3,931.2 3,878.3 1.4 6)
EBITDA 551.8 576.3 (4.3) -


要因
1) 全社
-2014年12月期の売上は、前年比3.5%増。乗用車および小型商用車の生産が増加したこと、製品ミックスが寄与。一部、減収要因として為替差損が発生したが、自動車グループ部門のNAFTAおよび中国で大幅な売上増等が売上高を押し上げた。

2) シャシー・安全
-同部門の売上高は、前年比3.4%増。電子制御ブレーキシステム、ブレーキブースター、エアバッグコントローユニット等が売上増に貢献。その中でも特に、先進運転支援システム関連製品の売上高は前年比40%増を見せた。

3) パワートレイン
-同部門の売上高は、前年比3.7%増。各事業ユニットの事業概況は以下の通り:

  • 燃料・排気マネージメント事業:アジアでの規制強化に伴う排気センサーの需要増に伴う本業での成長、他にもEmitecの買収効果により増収。
  • エンジンシステム事業:エンジン制御システムおよびターボチャージャーの売上が伸びたものの、インジェクター、ポンプの販売減の影響を受けた。
  • ハイブリッド・電気自動車事業:車載電力供給システムで販売を伸ばした一方、電動モーターおよびバッテリーシステムが低迷した。

4) インテリア
-同部門の売上高は、前年比6.0%増。各事業ユニットの事業概況は以下の通り:

  • 車体・安全対策事業:シート制御機器、照明制御システム、車体制御システムが大きく伸長。
  • インフォテインメント・コネクティビティ事業:アジアおよび米国においてマルチメディアシステムの売上が増加した一方、各種接続機器やテレマティクス関連製品の売上が減少。
  • 商用車・アフターマーケット事業:ブレーキシステムの新製品、タイヤ空気圧監視システム (TPMS)、補修部品の需要が増加。
  • 計装機器・HMI事業:インストメーターが過去最大の伸びを見せ、事業ユニット全体として増収を達成。

5) タイヤ
-同部門の売上高は、前年比2.1%の増加。乗用車・小型トラック用OEタイヤの売上は昨年と同水準で推移したが、アフターマーケット向けは全ての地域において増収を確保。また、商用車向けタイヤも売上増を見せた。

6) ContiTech
-同部門の売上高は、前年比1.4%の増加。産業市場向けの売上が減少したものの、自動車OEMおよびアフターマーケット向けの売上がカバーし、部門としては増収。

企業買収

Benecke-KalikoによるMecaseat関連拠点の買収
-ContiTech傘下のBenecke-Kalikoは、南欧・東欧地域における自動車内装用フォイルの生産を拡大する。同社はベルギーのMecaseat Groupが保有する2拠点を買収した。今回買収したMecaseatの2拠点は、スペインPamplonaを本拠とするGorviとポーランドWagrowiecに位置するMecapol。この2社は、2014年11月1日付に遡ってBenecke-Kalikoの100%子会社となる。2拠点の従業員数は合わせて150名。Gorviは、スペイン、フランス、北アフリカ向けに製品を供給し、Mecapolは東欧やロシアの顧客向けにフォイルや装飾材料を納入している。(2014年11月17日付プレスリリースより)

Emitec

-Emitecを完全子会社化。Emitecはこれまで、GKNとの折半出資による合弁会社だった。買収額は46百万ポンド。手続きは2014年7月31日付で完了し、EmitecはContinentalのパワートレイン部門に統合された。今後、Emitecは同部門で新たに燃料・排ガスマネージメント (Fuel & Exhaust Management) 事業ユニットを構成することになる。同社製品は引き続き、「Emitec」の名称で販売される予定。Continentalは、中国・安徽省の蕪湖 (Wuhu) 拠点で年内にEmitec製品の生産を開始するとしている。(2014年7月31日付プレスリリースより)

Zytek Automotive
-英国のFradleyに本拠を置く合弁会社Zytek Automotiveを完全子会社化。Continentalはこれまで、Zytekの株式50%を保有していた。Zytekは今後、英国でContinental Engineering Services (CES) の傘下として、CESの一貫したサービスや技術ポートフォリオを利用し、シャシー、インテリア、パワートレインなどの分野でエンジニアリングサービスを提供していく。Zytekは、乗用車および商用車向けに、従来の駆動システムのほか、電気・ハイブリッド駆動システムなどを開発している。(2014年4月3日付プレスリリースより)

Veyance Technologies Inc.
-米国のWashington D.C.を本拠とするCarlyleグループより、オハイオ州FairlawnにあるVeyance Technologiesを買収することで合意したと発表。買収金額は約14億ユーロ。Veyance Technologiesは、ゴム・プラスチック製品でグローバルに事業を展開しており、2013年の売上高は約15億ユーロ。そのうち約90%は、自動車以外の産業向け。主要製品は、コンベヤーベルト、ホース、パワートランスミッションベルト、エアスプリングなど。(2014年2月10日付プレスリリースより)

再編

SK Innovationとの合弁解消
-韓国のSK Innovation Co., Ltd.との合弁事業SK Continental E-motion Pte. Ltd. (シンガポール) を2014年末に解消。SK Continental E-motionは自動車市場向けにリチウムイオンバッテリーを生産していたが、電気自動車の需要が低迷していることを受け今回の合弁解消に至った。

海外事業

<インド>
-新開発の高級乗用車用タイヤ「ContiMaxContact MC5」および「ContiComfortContact CC5」をインドで発売開始。

<米国>
-2014年3月から米国テキサス州のSeguin工場において、先進運転支援システム (ADAS) 向け短距離レーダーセンサーの生産を開始すると発表した。まず、生産ライン1本を稼働するが、米国の自動車メーカーからの需要に対応するため追加の生産ラインも準備している。2016年には、同拠点で約300万個のレーダーセンサーを生産する計画。(2014年3月26日付プレスリリースより)

受注

-同社はデンソーとともに、トヨタ自動車が2015年から市場導入する予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティ・センス」の協力サプライヤーに選定された。単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた高性能のPパッケージはデンソー、単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた普及型のCパッケージは同社とトヨタ自動車が共同開発した。

-チェコのTrutnov工場において、Fordの1.0L EcoBoostガソリンエンジン向けにターボチャージャーの生産を開始したと発表。これまで、同ターボチャージャーは、提携先であるSchaefflerのドイツLahr工場で生産していた。Trutnov工場の従業員数は約780名で、EGR、高圧ポンプ、高圧センサー、アクチュエーター用の部品を生産している。(2014年9月25日付プレスリリースより)

-夏用タイヤがMaserati 「Ghibli」の新車装着用タイヤに認定。同モデル向けに、18インチから21インチの8サイズの「ContiSportContact 5」を生産する。基本バージョンにはタイヤサイズ235/50 R 18 97 Yが装着され、より強力なエンジンを搭載したモデルには、19・20・21インチのタイヤが装着される。基本バージョンより強力な最大301kW (410馬力) のエンジンを搭載したモデルのタイヤサイズは、フロントが245/35 ZR 21 96 Y XL、リアが285/30 ZR 21 100 Y XLとなる。(2014年7月2日付プレスリリースより)

-第3世代のトラック・バス用タイヤが、MANのモデルに標準採用されたと発表。トラックのステアリングアクスル用「Conti EcoPlus HS3」および駆動アクスル用「Conti EcoPlus HD3」は、初めて全てのMANのモデル向けの認証を得た。バス用タイヤに関しては、長距離バス用「Conti Coach HA3」と地域バス用「Conti CityPlus」が、MANとNeoplanのモデルに装着される予定。(2014年4月28日付プレスリリースより)

-高級車向け夏用タイヤ3種類が、Volkswagenより純正タイヤとして認定。「Golf 7」には15インチおよび16インチの「ContiEcoContact 5」と「ContiPremiumContact 5」が装着。また、「CC」には17インチの「ContiSportContact 5」と「ContiEcoContact 5」が採用された。今後は、「Beetle」にも20インチの「ContiSportContact 5」が装着されるという。Continentalは、Volkswagen向けの生産をドイツKorbachを含む欧州の複数のタイヤ生産拠点で行っている。なお、「Beetle」向けの「ContiSportContact 5」は、米国のMount Vernon工場で生産している。(2014年1月27日付プレスリリースより)

受賞

-圧力センサーに基づく歩行者保護システム (PPS pSAT) が「2014 Automotive News PACE Award」を受賞。同社はこの歩行者保護システムをDaimlerと共同で開発。2011年より量産を行っている。(2014年4月9日付プレスリリースより)

-Daimlerより「Special Award for Innovation」を受賞。新型の「Mercedes-Benz C-Class」に採用されたタッチパッドが評価されたもの。このタッチパッドはセンターコンソールに統合され、道路から注意をそらすことなく簡単に操作することができる。また、さまざまな言語での手書き文字入力や触覚フィードバックなどの機能も装備されているという。(2014年2月28日付プレスリリースより)

見通し

全社売上高
-同社は、2015年12月期の売上高を360億ユーロと予測。

日本市場
-同社のElmar Degenhart会長は、2020年に日系自動車メーカーに対する売上高を13年比で倍増となる40億ユーロ(約2800億円)まで高める目標を明らかにした。燃料噴射装置やトランスミッション用アクチュエーターなどパワートレーン事業で受注を伸ばしていく。日本法人の従業員数も今後1年間で200人増の1300人体制まで拡大する。(2014年9月19日付日刊自動車新聞より)

シャシー・安全部門
-同部門の受注において、先進運転支援システム向けのプロジェクトの割合が、現在の約30%から今後3年以内に50%に拡大する見込みと発表。(2014年5月20日付プレスリリースより)

タイヤ部門
-同部門は2016年までにグローバルのタイヤ年産能力を2,000万本超引き上げる可能性があると発表。同社にとって最大の投資計画は、現時点で総額10億ユーロを超えているという。(2014年3月3日付プレスリリースより)

研究開発費

 (単位:百万ユーロ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
シャシー・安全 629.5 535.3 500.2
パワートレイン 635.1 561.8 529.0
インテリア 570.9 492.0 446.1
タイヤ 216.9 204.7 195.1
ContiTech 85.3 84.6 74.4
合計 2,137.7 1,878.4 1,744.8

研究開発体制

-2014年12月末現在、27カ国・127拠点で研究開発を実施。

研究開発拠点

-シンガポールの研究開発センターContinental Automotive Singaporeを拡張。29.7百万シンガポールドル (18.3百万ユーロ) を投じて建設した建物は、床面積が5,000平方メートルで従業員約450名の勤務が可能。「計装機器・HMI」、「インフォテインメント・コネクティビティ」、「車体・安全」、「商用車・アフターマーケット」のインテリア部門の4事業のほか、ContiTechおよびタイヤ部門の研究開発室や管理室が入居する。(2014年11月27日付プレスリリースより)

-英国のイーストサセックス州Lewesに新たに自動車研究開発センターを開設。同拠点では、車両の周囲360度を検知するサラウンドビューシステムを開発している。今回、新たに建設した「Pannett's Building」は、オフィス、ミーティングルーム、作業室のほか、サラウンドビューシステム搭載車のショールームを備える。2014年末までに、同拠点の従業員数は60名になる見込み。(2014年11月12日付プレスリリースより)

-タイヤ部門における研究・開発能力の拡大に向け、スロバキアのPuchov拠点にタイヤ技術センターを開設。このプロジェクトへの投資額は約7.5百万ユーロで、これは2011年にタイヤ部門が発表した10億ユーロの成長投資プログラムの一環となる。技術センターの従業員数は、2016年までに約15%増加する見込み。(2014年11月5日付プレスリリースより)

-パワートレイン部門傘下のセンサー・アクチュエーター事業ユニットが、チェコのOstravaで能力開発センターを開設。新センターでは、センサー・アクチュエーターに関するグローバル規模の研究開発を行う。これらの製品の開発はこれまで、Ostravaから南に40kmの距離に位置するFrenstat拠点で行っていた。Frenstat拠点は、同社の自動車部品グループ3部門の製品を生産する大規模な生産拠点で、センサー・アクチュエーター事業を中心に生産部門を拡大している。これに伴い、開発部門をOstravaに移転することとなった。新センターは、床面積約5,000平方メートルの研究室・オフィスの複合施設内に位置する。移転完了時には、約160名が新センターに勤務することになるという。中期的には、200名まで増員する計画。(2014年5月8日付プレスリリースより)

-ドイツのRegensburg拠点において燃料研究所を新たに設立。さまざまな燃料の性質がエンジンの部品や機能に与える影響を研究する。ディーゼル、ガソリン、バイオ燃料、鉱油、添加剤などの燃料の最適な利用方法を研究することで、さらなる排出ガス低減を目指す。この研究所への投資額は50万ユーロ。エンジンシステム部門に加え、同社の他の事業部門も同研究所を使用することになるという。(2014年1月17日付プレスリリースより)

研究開発活動

-日本で自動運転車の公道実験を始めると発表した。北海道から開始し、東名高速道路や東北自動車道といった高速道路、都市部での実験も行う。同社が自動運転車の公道実験を行うのは米国に続いて2カ国目となる。公道実験は2015年いっぱいかけて行う。その後は車両を変えて継続していく予定。実験車は完全無人運転車ではなく、ドライバーがハンドルを握って車両をモニターするタイプ。量産されている各種センサーを搭載し、自動運転向けにロジックを統合することにより、交通渋滞や工事箇所など、様々な交通状況に対応する。(2014年10月3日付日刊自動車新聞より)

-高度道路交通システム (ITS) 分野に取り組む新たな事業部門「Continental Intelligent Transportation Systems, LLC」を設置すると発。ITおよび自動車業界の専門家による国際チームで、米国カリフォルニア州のSilicon Valleyに本拠を置く。今回のプロジェクトは、車を「Internet of Everything」の実現に不可欠なものにしようとする同社の戦略の一環となる。交通事故の撲滅、エネルギー消費の最小化、車の快適性・利便性の最大化、車同士でのリアルタイムの情報交換などを主な目的としている。(2014年8月18日付プレスリリースより)

-同社は、「ACTIVE:Advanced Combustion Turbocharge Inline Variable Valvetrain Engine」プロジェクトに参加する。このプロジェクトには、英国政府および自動車業界から数百万ポンドが投じられる。参加するのは、同国に拠点を置く11の技術関連団体。Fordの1.0L EcoBoostエンジンに注力し、CO2の大幅な低減に向けた次世代の低炭素技術の導入を目指す。これらの技術には、先進ターボチャージャーシステムや燃焼システム、さまざまなバルブトレイン技術などが含まれる。Fordとそのパートナーが取り組む1億ポンドのプロジェクトには、EcoBoostエンジンのアップグレードに向けて英国政府から13.1百万ポンドの助成金が授与される予定。今回、同プロジェクトに参加する11団体に含まれるのは、Ford、Schaeffler UK、UEES (Unipart Eberspaecher Exhaust Systems) など。(2014年5月23日付プレスリリースより)

-コンティネンタル・オートモーティブ・ジャパンは、日本で自動運転技術を開発する専門組織を立ち上げる。日系自動車メーカーが先進安全機能の開発に関して外資系サプライヤーとの連携を強めている状況に対応する。量産開発や日系メーカー特有のニーズに対応した開発を担う。まず2014年後半に最新技術を反映した試作車を公開する。日本語で技術を説明する体制も構築する。拠点は横浜市の同社エンジニアリングセンターに置く。併せて千葉県旭市、および北海道紋別市のテストコースを一部改良する。(2014年3月27日付日刊自動車新聞より)

技術提携

IBMおよび地図・位置情報サービス会社のHEREとの共同開発
-米国のLas Vegasで開催される国際家電ショー「CES 2015」において、eHorizonの新技術として「dynamic eHorizon」を展示する。eHorizonは、IBMおよび地図・位置情報サービス会社のHEREと共同で開発したもの。今回展示する「dynamic eHorizon」は、リアルタイムのデジタル地図が入ったHEREの位置情報クラウドサービスと、IBMのカークラウド接続サービスに接続できる。IBMのビッグデータ (Big Data) とアナリティクス (Analytics) を使用することで、天候や事故、交通渋滞などの変化する事象を考慮したフリート運用が可能となる。Continentalの推定では、Scaniaのトラックを使用するフリートオペレーターは、このeHorizonを使用することで2012年から累計で6,300リットル超 (86百万ユーロ相当) のディーゼル燃料をすでに節約しているという。(2014年12月10日付プレスリリースより)

3Dサウンドシステムの開発
-ContinentalとAuro Technologiesは、Continentalの60年にわたるカーラジオ分野における経験やマルチメディアに関する膨大なノウハウと、Auro Technologiesの音響技術「Auro-3D」を活かして、車載インフォテインメントシステムで本格的な3Dサウンドを実現すると発表。Auro-3D形式は、Barcoが最初に「Auro 11.1」としてデジタルシネマ技術に採用したもの。フォーマットの機能は拡張が可能なため、音源はモノラルから立体音響まで、スピーカーの配置も基本的なものから「Auro 22.1」用の配置まで、Continentalの顧客のニーズに沿った設定が可能になるとしている。(2014年7月29日付プレスリリースより)

ガソリンエンジン向けマイルドハイブリッドシステム
-Schaefflerとガソリンエンジン向けのマイルドハイブリッドシステムを共同開発。リチウムイオン電池を用いたContinentalの48ボルトのシステムに、Schaefflerの電子クラッチ (eクラッチ) を組み合わせた。燃費はベースエンジンよりも17%改善した。(2014年6月24日付日刊自動車新聞より)

ハイブリッド車のデモカー
-Schaefflerと、小型ガソリンエンジンを搭載した乗用車のハイブリッド化において新たな側面を見せるデモカーを開発。この共同プロジェクトにより開発したデモカー「Gasoline Technology Car (GTC)」は、ベースとなる車両に比べて燃料消費とCO2排出を15%低減する。同時に、2017~18年に施行される欧州排出ガス基準「Euro 6c」にも対応できるという。(2014年3月18日付プレスリリースより)

コネクテッドカー
-地図・位置情報サービスの大手HEREと、コネクテッドカーの実現に向けて両社の提携を強化すると発表した。Electronic Horizon (eHorizon) 技術や将来的な自動運転機能、高度道路交通システム (ITS) などを中心に取り組む。まず、ContinentalのElectronic Horizonプラットフォーム向けに高度で正確な地図作製技術を開発する。これにより、路上の車の位置を10~20センチの精度まで正確に特定することができるという。Continentalは今後、HEREのデータとクラウドサービスをベースにしたElectronic Horizon技術を完成させ、自動車メーカー向けにグローバルに展開する計画。このシステムは、同社が2020年までに実現したいとしている高度自動運転機能の基盤にもなるという。(2014年1月14日付プレスリリースより)

製品開発

クラウド連携LEDヘッドランプ
-2016年にクラウドで得た道路情報を反映させたLEDヘッドランプの照射技術を実用化する。まずはカーブや道路工事などの静的情報を活用する。将来的には対向車や天候などの動的情報も反映したシステムの実用化を目指す。同社では今後普及が見込まれる車載通信機能を用いた制御技術の開発を加速しており、ヘッドランプシステムもその一環となる。安全性の高い照射システムとして自動車メーカーへ提案していく。(2014年12月25日付日刊自動車新聞より)

スマートフォン用車載ターミナル
-スマートフォン用の車載ターミナルを開発。ワイヤレスで車両との通信や充電などが可能となる。モジュラー設計としており、メーカーや車種ごとに搭載する機能を選択することができる。2015年から量産を開始する。同製品はワイヤレス通信を採用しており、運転席周りに設置したボックスにスマホを置くだけで接続が可能となる。近距離無線通信を経由して接続する車両との通信では、ラジオ局や空調設定、シートポジションなど、個人設定を記憶することができる。充電システムは、ワイヤレス充電の標準化を推進する「ワイヤレス・パワー・コンソーシアム」の認証「Qi」(チー) を採用した。(2014年10月29日付日刊自動車新聞より)

Audiのデュアルクラッチトランスミッション向けコントロールユニット
-Audiの新型7速Sトロニックデュアルクラッチトランスミッション向けに、コントロールユニットを新たに開発。この新型コントロールユニットは、小型化したパッケージに多くの機能を統合しながら、トランスミッションの燃料効率、動的性能、素早いギアチェンジを実現する。また、安全性に関しても、自動車用機能安全規格「ISO 26262」における安全度水準ASIL (Automotive Safety Integrity Level) でレベルDを取得した。Continentalは、数カ月以内に新型コントロールユニットの量産を開始する計画。(2014年8月5日付プレスリリースより)

-コンパクトカー向けドラムブレーキ用電動パーキングブレーキ
-コンパクトカー向けにドラムブレーキ用電動パーキングブレーキ (EPB) のコンセプトを開発。コンパクトカーは従来、リアアクスルに取り付けられたドラムブレーキに内蔵されるメカニカルパーキングブレーキで対応していた。このシステムは、制御ソフトウェアのほかに、ドラムブレーキのベースパネルに統合された2個のアクチュエーターで構成。EPBのアクチュエーターを電気で作動させるエレクトロニクスは、横滑り防止装置 (ESC) に統合されている。同社は、この電動パーキングブレーキの量産を2017年に開始する計画。この電気機械式システムの機能は今後、小型トラックやSUVで使用されるデュオサーボブレーキにも適用が可能になるという。(2014年7月23日付プレスリリースより)

コンバイナーHUD
-車載ヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) 向けにヘッドアップディスプレイ (HUD) の製品ラインを拡大している。同社は今回、HUDの小型バージョンであるコンバイナーHUDを発表した。コンバイナーとよばれる小型の透明なプラスチックの板が、フロントガラスの代わりに情報を映し出す。フロントガラスHUDに比べて、設置スペースが半分以下になる。また、フロントガラスHUDはミッドサイズ以上の車両に装備されるが、コンバイナーHUDはより小型の車両にも搭載が可能だという。Continentalは、2015年にこのコンバイナーHUDの生産を開始する計画。(2014年7月22日付プレスリリースより)

アルミ製タービンハウジング付きターボチャージャー
-アルミ製タービンハウジング付きターボチャージャーの量産を開始したと発表。2014年春から、BMW 「MINI Hatch」に搭載の3気筒ガソリンエンジン向けに納入している。このターボチャージャーは、アルミを使用したことで従来製品に比べて30%の軽量化を実現。また、二重壁のアルミ製ハウジングにより、冷却水ジャケットで最も高温になるエリアを取り囲むことができる。これにより、ハウジングの表面温度は外側を120℃以下、内側を350℃以下に維持することができるという。(2014年7月15日付プレスリリースより)

AR (拡張現実)-HUD
-同社のヘッドアップディスプレイ (HUD) をさらに進化させたAR (拡張現実)-HUDを発表。このAR-HUDは、車両前方の道路状況に仮想情報を補足するもの。従来のHUDをベースに開発したもので、この製品では運転状況に合わせて正確に情報が表示される。ナビゲーションの場合、外の景色に映し出されるバーチャルの記号がドライバーに行き先を指示する。また、アダプティブクルーズコントロール (ACC) による車間距離制御作動時には、検知した前方の車両をマーキングし、目立たせることができる。Continentalは、このAR-HUDの生産を2017年に開始する計画で準備を進めているという。(2014年7月14日付プレスリリースより)

都市部における高度運転支援システム
-コンティネンタル・オートモーティブは、都市部における高度運転支援システムを発表。道幅減少、対向車、車線変更、最適速度に対応する4機能で構成。車載センサーなどの情報に加えて、信号機など交通インフラとの通信も行う。これによりスムーズな都市交通を実現しながら交通事故削減につなげる。同システムでは、車両の角に設置した四つの短距離センサーや、車両前方をカバーする長距離レーダーとステレオカメラで車両周囲の状況を把握し、全方位の視界を確保する。これにより道幅の減少や、対向車の確認、車線内の走行位置を把握し、ブレーキやアクセル、ステアリング操作を支援する。 (2014年6月10日付日刊自動車新聞より)

タイヤ空気圧センサー
-トレッドの溝の深さからタイヤ交換が必要なタイミングを検知する新型のタイヤ空気圧センサーを開発。このセンサーに使われるソフトウェアは、徐々に変化するタイヤの回転特性からトレッドの深さを予測する。この新機能は、同社の電子タイヤ情報システム (eTIS) に搭載され、2017年に発売の新モデルに採用される見込み。(2014年5月7日付プレスリリースより)

テレマティクスシステムからのデータを用いた交通情報サービス
-自動車メーカーが独自に展開するテレマティクスシステムからプローブ情報の提供を受けて、情報の精度を高める新サービスの提案を各自動車メーカー向けに開始。情報量が大幅に増えるため、交通状況や道路環境の変化をより緻密に認識できるようになる。非競争領域の情報を業界全体で共有し、渋滞や事故の削減につなげる考え。日本を含む世界の主要な先進国で展開する。トヨタ自動車のG-BOOKや日産自動車のカーウイングス、ホンダのインターナビなどからの情報提供を受けて、より高精度な渋滞情報を自動車メーカーやユーザーに提供する。将来的にはワイパーの動きから降雨、外気温とABSの作動から路面凍結が検知できるようになるとしている。自動車メーカーは自社のテレマティクス搭載車を増やすことなく、より高精度な交通情報をユーザーに提供できるようになる。(2014年3月28日付日刊自動車新聞より)

高速テレマティクスモジュール
-新型の高速テレマティクスモジュールを開発した。この次世代ソリューションは、4G LTEモバイルネットワークが使用できる場合に、最大100Mbpsの高速通信を提供する。携帯通信網、GPS、無線LANなどさまざまな周波数の設定を拡張可能な1つの小型ハードウェアモジュールに統合することにより、同社のLTEモジュールは世界中で使用が可能になるという。搭載されるテレマティクス機能には、車両とスマートフォンの接続、オン/オフボードナビゲーション、セーフティー&セキュリティサービス (高機能事故自動通報、リモート診断、プレミアム路上アシスタンス)、後部座席エンターテイメントシステム用Wi-Fiスポットなどが含まれる。この新型テレマティクスモジュールは、2016年はじめに大量生産が可能となる見込み。(2014年3月27日付プレスリリースより)

LEDライトコントロールユニット
-照明機能を1カ所で制御できるLEDライトコントロールユニットの開発に取り組んでいる。ドイツの自動車メーカーが開発したフルLEDヘッドランプは、すべての照明機能にLEDを使用している。ヘッドランプ内に取りつけられたLEDは、状況に合わせて道路を適切に照らすために、独立して制御されている。Continentalが開発したライトコントロールユニットは、高速道路や郊外の道路用の特殊ランプ、ロービーム/ハイビームライト、曲がり角や交差点などを照らすライトなどすべての機能を瞬時に制御できるという。(2014年3月14日付プレスリリースより)

ホイール速度センサーと電動パーキングブレーキケーブルの統合
-ホイール速度センサーと電動パーキングブレーキ (EPB) ケーブルを1本のハーネスに統合。これにより、個々の部品を使用する場合に比べて、開発・部品・組立コストの削減につながるという。2015年より、日本の自動車メーカー向けに量産を開始する計画。(2014年1月29日付プレスリリースより)

設備投資額

 (単位:百万ユーロ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
シャシー・安全 411.6 401.7 383.8
パワートレイン 428.0 360.5 395.0
インテリア 286.1 253.3 257.1
タイヤ 724.3 798.6 830.2
ContiTech 190.6 166.0 151.0
その他 4.8 1.0 2.3
合計 2,045.4 1,981.1 2,019.4



国内投資

-ドイツのKorbach工場内に技術センター「High Performance Technology Center (HPTC)」を着工したと発表。「工場内の工場 (factory within a factory)」となる生産施設は、面積が約12,000平方メートル。2015年5月末までに建屋が完成し、2016年7月に稼働を開始する予定。このHPTCでは、スーパーカー向けの高性能タイヤを生産するとともに、他のContinentalのタイヤ工場への導入に先駆けて生産プロセスの開発および最適化を進める。HPTCへの投資額は45百万ユーロ。従業員約60名を雇用し、通常稼働時には約35万本のタイヤを生産することが可能になるという。(2014年9月11日付プレスリリースより)

海外投資

<中国>
-ContiTech傘下のBenecke-Kalikoグループは、中国の常州拠点に設備投資を行なう計画。この設備投資はBenecke-Kalikoグループの単独投資案件としては過去最大規模になるという。自動車市場向けに環境配慮型表面素材を2015年末から生産する予定。

-ContiTechの中国子会社「康迪泰伝動系統集団 [ContiTech Power Transmission Group]」は三門工場を開業。この工場は2014年1月、台州富聚膠帯製造有限公司 [Taizhou Fuju Rubber Belt Manufacture Co., Ltd.] を買収して「康迪泰伝動系統 (三門) 有限公司 [ContiTech Power Transmission (Sanmen) Co., Ltd.] として開設したもの。敷地面積は33,000平方メートル。ContiTechのパワートレイングループにとって中国に開設した2ヵ所目の工場となる。主にVベルト、V型リブベルト、タイミングベルトなどを生産する。(2014年12月30日付けプレスリリースより)

-ContiTechの中国子会社「康迪泰大洋管件 (長春) 有限公司 [ContiTech Grand Ocean Fluid (Changchun) Co., Ltd.] は杭州 (Hangzhou) に分工場を開設。この工場はContiTechの流体技術事業ユニットが中国に開設した4ヶ所目の生産拠点。敷地面積は2,000平方メートル。2015年3月よりFord向けにエアコン用ホースラインを生産する。(2014年11月30日付けプレスリリースより)

-中国の安徽省蕪湖 (Wuhu) にある子会社Continental Automotive Interior (Wuhu) が第2工場を開設したと発表。土地と建物への初期投資額は、33百万ユーロ。新工場は、2015年第1四半期にフル稼働となる予定。土地面積は120,000平方メートルで、当初の床面積は46,000平方メートル。生産施設、研究開発センター、研究室、倉庫などを備え、計器・運転支援/HMI事業に注力する。2015年末までに、研究開発エンジニア約215名を含む約1,500名の従業員が新工場で勤務する予定。また、同時期までに42本の生産ラインを導入する計画。(2014年11月17日付プレスリリースより)

-中国におけるトランスミッションコントロールユニットの急速な需要拡大に対応するため、Continentalは天津工場に新たに生産ラインを建設する。この新ラインは「EAST」プラットフォーム専用で、主に中国自動車メーカー向けに納入する予定。(2014年5月21日付プレスリリースより)

<インド>
-Modipuramにある既存のタイヤ生産拠点に乗用車・小型トラック用タイヤの新工場を建設。初期の年産能力は年間80万本で、さらに増強が可能になるという。(2014年11月20日付プレスリリースより)

<米国>
-今後数年間にわたって、米国バージニア州のNewport News工場に約150百万ドルを投じると発表。複数の生産ラインを新設することで、新たに500名を増員し、従業員数を倍増する計画。今回のプロジェクトには、ターボチャージャーの生産立ち上げ、既存のガソリンエンジン用の高圧インジェクター、燃料レール、ポンプの組立ラインにおける生産能力増強が含まれる。Continentalが米国でターボチャージャーの生産を行うのは、今回が初めてとなる。(2014年8月26日付プレスリリースより)

-2014年3月末に、米国ノースカロライナ州に位置するFletcher工場の拡張を完了。投資額は35百万ドル。8,200平方メートルを拡張し、生産スペース、倉庫、製造インフラ、加工・組立装置などを追加した。また、今後従業員40名を新たに雇用する計画。今回の拡張により、電動パーキングブレーキを現地生産し、生産能力の拡大を目指す。同工場は、Continentalのシャシー・安全 (Chassis & Safety) 部門の油圧ブレーキシステム (Hydraulic Brake Systems) 事業ユニットにより運営されている。(2014年3月31日付プレスリリースより)

-Continental Tire the Americas (CTA) は、米国サウスカロライナ州のSumterでタイヤ工場を新たに開設。第1期では、2017年までに年産能力を約500万本とする計画。また、フル稼働となる第2期では2021年までに約800万本まで引き上げる予定。新工場への総投資額は500百万ドル超、従業員数は約1,600名増員となる見込み。(2014年1月28日付プレスリリースより)

<ロシア>
-ロシアKalugaにある生産拠点で、自動車部品部門が新工場を開設。投資額は24百万ユーロ。生産能力は、エンジンコントロールユニットが100万個、燃料供給ユニットが50万個、燃料レールシステムが50万個。同拠点はKaluga South工業団地内にあり、近隣にはVolkswagen、Volvo Trucks、PSAなどの工場が位置する。建設期間16カ月の新工場は、面積が7,200平方メートル。2014年はじめに燃料供給ユニットの生産を開始した。その後、エンジンコントロールユニットおよび燃料レールシステムの生産も順次開始している。2016年までに、同拠点の自動車部品部門の従業員数は約330名まで増加する見込み。(2014年6月5日付プレスリリースより)