Faurecia SE 2018年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年 12月期 |
2017年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 17,524.7 | 16,962.1 | 3.3 | 1) |
営業利益 | 1,273.9 | 1,157.6 | 10.0 | 2) |
部門別売上高 | ||||
-シート | 7,437.9 | 7,129.1 | 4.3 | - |
-内装システム | 5,471.7 | 5,367.4 | 1.9 | - |
-クリーンモビリティ | 4,615.1 | 4,465.6 | 3.3 | - |
要因
1) 売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比3.3%増の17,524.7百万ユーロ。3つの全ての事業グループが、若干のマイナス為替影響を受けながらも大きく売り上げを伸ばした。
2) 営業利益
-2018年12月期の売上高は、前年比10.0%増の1,273.9百万ユーロ。同社の営業利益と利益率は、3つの事業グループ全体で上昇した。
買収
Parrot Automotive
-同社は、スケジュールを前倒しし、Parrot Automotiveの全株式を取得することでParrotと合意したと発表した。これにより、Parrot Automotiveによるアンドロイドベースのインフォテインメントシステムの開発やさまざまなコネクテッドシステム・インテリア機能を統合したオープンプラットフォームの開発が加速され、快適な姿勢や温度、イマーシブ(没入型)サウンド体験、新たなヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)といったユーザー経験の導入が容易になるという。取引は、2017年にFaureciaがParrot Automotiveに資本参加した時に付けられた企業価値100百万ユーロにて行われ、2018年第3四半期に完了する見通し。(2018年7月6日付プレスリリースより)
-同社は、Parrot Faurecia Automotiveの全株式の取得が完了したと発表した。両社は2018年7月5日、FaureciaがParrot Faurecia Automotiveの株式100%を取得することで同意した。(2018年10月1日付 プレスリリースより)
クラリオン
-日立製作所は26日、連結子会社のクラリオンを同社に売却すると発表した。フォルシアの子会社であるエナップシスエスエーエスが行う公開買付に日立が所有する63.8%のクラリオン株を応募する契約を締結した。譲渡価格は899億円。1月の公開買い付け開始を予定する。業績が悪化する子会社を売却し、収益改善を図る。(2018年10月27日付日刊自動車新聞より)
-クラリオンの川端敦社長兼CEOは、日刊自動車新聞社の取材に応じ、仏フォルシアとの本格的な相乗効果を3年前後で創出する考えを示した。カーナビ事業の低迷で苦戦する中、独フォルクスワーゲン (VW) などの欧州メーカーに強く内装部品を手がけるフォルシアと協業し、反転攻勢を図る。「既存顧客には提案力がより高まる効果を期待してほしい」と強調した。(2018年11月15日付日刊自動車新聞より)
事業再編
-同社は、8月30日にメキシコRamos Arizpeのシート工場を閉鎖してPuebla工場へ生産移管すると発表した。今回の計画は7月27日に従業員に公表されており、同社は移管により事業の地理的再編と効率化を図るとしている。また、Ramos Arizpeで内装部品を製造する工場については影響を及ぼさないという。同社はメキシコ国内に14カ所の工場、共用サービスセンター、2カ所の研究開発センターを保有しており、従業員数は総勢10,000名を超える。過去2年間でメキシコでの3工場開設に200百万ドル超を投資しており、そのうちの1つで3月に86.2百万ドルを投じてSan Jose Iturbideに開設した工場ではエミッションコントロールシステムを生産している。(2018年8月13日付 Mexico-Nowより)
-同社は、取締役会が「欧州会社 (Societas Europaea、SE)」への企業形態の変更を2018年5月に開催予定の年次株主総会で提案することを決定したと発表した。欧州会社への変更により、欧州を拠点とするFaureciaの企業規模がよりよく反映されるという。欧州は、同社の売上の約半分を占める。欧州には110の生産拠点と13のR&Dセンターがあり、グループ全体で約4万5,000人(うち1万人はフランス)を雇用している。今回の変更による本社や従業員、株主への影響はない見通し。同社の新本社ビルはフランスのNanterreに建設中で、2018年後半に完成する予定。(2018年2月16日付プレスリリースより)
合弁事業
-同社は、柳州五菱汽車工業有限公司[Liuzhou Wuling Automobile Industry Co., Ltd.]と中国に折半出資の合弁会社を設立すると発表した。新会社名はFaurecia (Liuzhou) Emissions Control Technologies Co., Ltd.。2023年に600百万元の売上を目指す。新会社は柳州市柳東、柳州市河西、重慶市、青島市の4工場を統合し、五菱工業の全ての排出管理システム事業をカバーする。この合弁会社を通じて、Faureciaと五菱工業は、排出ガス管理システムの分野における包括的な戦略的協力を開始し、上汽通用五菱汽車(SGMW)およびその子会社向けの画期的なクリーンモビリティソリューションを開発するために双方のリソースを活用するという。(2018年10月25日付プレスリリースより)
その他の最新動向
-TactoTekは、同社が自動車用射出成形構造エレクトロニクス(IMSE)ソリューションを設計、製造するためのライセンス契約に合意したと発表した。IMSEソリューションは、表面材に耐久性のある樹脂や天然木などを使用し、プリント回路と電子部品を樹脂内に統合した3D射出成形製品で、FaureciaはこのIMSEソリューションに継続的な投資を行っている。TactoTekは2011年にフィンランドOuluで創業、自動車メーカーやサプライヤーにIMSE技術のライセンスを提供するビジネスモデルを展開している。(2018年12月19日付プレスリリースより)
-同社は、インストルメントパネルやドアパネルなどで構成する「インテリア事業」の日系自動車メーカー向け売上高を2024年に2倍に引き上げる。18年4月にR&Dセンターを横浜市に開設し、顧客のニーズに迅速に対応できる開発体制を構築。来春の子会社化を予定するクラリオンの技術を活用し、内装部品の提案力を高める。同社は、24年に日系メーカー向け売上高を現在の約1.5倍にあたる30億ユーロ (3850億円) に引き上げる計画。インテリア事業の成長ドライブの一つに位置付ける。(2018年12月12日付日刊自動車新聞より)
-同社は、グループの日系自動車メーカー向け事業売上高を2024年に30億ユーロ(約3800億円)にまで引き上げる。現在の同事業の売上高は21億ユーロ(約2700億円)で、約1.5倍に増やす計画。日本法人フォルシア・ジャパンが人員体制を強化するのに加え、日本で触媒コンバーターを生産するなどして受注を拡大し、売り上げを伸ばす。自動車産業の変革で日系自動車各社は系列にとらわれない調達方針を打ち出しており、フォルシアは性能やコストの面で競争力の高い部品を供給できるメガサプライヤーの強みを生かし、日系自動車メーカーとの取引拡大を図る。 (2018年6月22日付日刊自動車新聞より)
-同社は、内燃機関車の排ガス制御や電気自動車 (EV) 、燃料電池車 (FCV) 向けのソリューションを提案する「クリーンモビリティ事業」で日系自動車メーカー向けの事業を拡大する。日系企業と提携して、2020年に触媒コンバーターの生産を日本で始めるほか、クリーンモビリティ事業のR&D (研究開発) 拠点を日本に設けることも検討する。現在、グループのクリーンモビリティ事業の製品で、日系自動車メーカー向けの世界シェアは4%となっているが、生産、開発体制を強化することにより25年に20%に引き上げる。(2018年5月22日付日刊自動車新聞より)
受注
-同社は、排気管「Resonance Free Pipe (RFP)」が、GMのピックアップトラック「Chevrolet Silverado」と「GMC Sierra」に採用されたと発表した。RFPは、共鳴装置をなくすことで軽量・小型化を実現。ピックアップトラックや小型商用車での使用に適し、燃費効率の向上やCO2排出量の削減に貢献する。米インディアナ州Fort WayneとメキシコSilaoで生産される。RFPは、米国の自動車専門誌「Automotive News」が主催する「2019 Automotive News PACE Awards」のファイナリストに選出されている。(2018年11月6日付 プレスリリースより)
-同社は、BMWグループから大規模案件を受注したと発表した。単一受注としては、過去最大の案件となる。7車種向けジャストインタイムアッセンブリーや、「MINI」、BMW「2 Series」などを含む10モデル向けシートフレームなど、合計600万台超の車両に製品を供給する予定。インターフェースの数を減らし複雑さを解消するため、BMWは垂直的統合戦略を打ち立て、フレーム、カバー、フォームなどの主要部品をFaureciaに委託したという。(2018年3月28日付プレスリリースより)
-同社は、天然素材の麻を原料とする軽量バイオマテリアル「NAFILean」を採用するOEMが増加していると発表した。同社は、エネルギー効率の向上やCO2排出量の削減といった、環境負荷の低減を目指し「NAFILean」を開発。PSAのPeugeotを皮切りに、現在ではAlfa Romeoの「Giulia」やRenaultの「Megane」、Jaguar Land Roverの「E-Pace」といったOEM 6社に加え、中国のEVスタートアップBytonの電気自動車SUVにも採用されている。新たなモデルへの採用も見込まれることから、Faureciaはバイオマテリアルの生産量を今後3年間に3倍に拡大する計画。(2018年3月14日付プレスリリースより)
-同社は、中国のEVスタートアップであるBytonが「CES 2018」に出展した初のコンセプトカーに、Faureciaと提携して設計されたコックピットが採用されていると発表した。このクロスオーバーEVは、米国での販売に先立ち、中国で2019年に発売される予定。Faureciaは、トリムカバーからフォーム、アセンブリまで、フロントとリアシートを供給。シートは世界初の回転機能付きで、乗員が常に快適に過ごせるようインテリアの配置を工夫した。Faureciaは、インストルメントパネルなどのコックピットのほかの要素も供給しているという。(2018年1月24日付プレスリリースより)
受賞
-同社は、Renaultグループの「2018 Groupe Renault Suppliers」イベントで、「Innovation賞」を受賞したと発表した。Faureciaの「Cockpit of the Future」技術と、都市部でのレベル4の自動運転車の実用化を目指すRenaultの2025年ビジョンへの貢献が評価された。また、FaureciaのルーマニアPitesti工場が、「Excellence Manufacturing」賞を受賞した。同工場は、Dacia向けにインストルメントパネルやドアパネル、吸音・ソフトトリムを生産している。(2018年6月26日付 プレスリリースより)
-同社は、傘下のFaurecia Koreaが現代・起亜から「Best Supplier 2017」と「Quality 5 STAR」認証を獲得したと発表した。「Best Supplier」賞は、製品の品質や研究・開発、物流面で優れたサプライヤーに贈られる。グローバルサプライヤーが選ばれるのは珍しく、Faurecia Koreaが受賞したのは今回が初めて。「5 STAR」認証の獲得は、メーカーの品質に対する最高の名誉。Faurecia Koreaは、傑出したパフォーマンスと高品質な経営管理システムが評価された。(2018年1月30日付けプレスリリースより)
-武漢佛吉亜通達排気系統有限公司[Wuhan Faurecia Tongda Exhaust System Co., Ltd.]は、神龍汽車有限公司[Dongfeng-Peugeot-Citroen Automobile Co., Ltd.]からサプライヤーの最高賞である特別貢献賞を受賞したと発表した。同社のほか東風彼欧汽車外飾系統有限公司[Dongfeng Plastic Omnium Automotive Exterior Systems Co., Ltd.]、上海納鉄福伝動系統銷售有限公司[Shanghai GKN Drive Line Sale Company Co., Ltd.]などが同賞を受賞した。武漢佛吉亜通達は、Faureciaと万向通達股份有限公司[Wanxiang Tongda Co., Ltd.]の折半出資による合弁会社。(2018年1月29日付けプレスリリースより)
見通し
-2019年12月期、同社は売上の伸びを自動車生産の伸びの1.5%から3.5%ポイント上回る値となると予想している。
-同社は、2025年の売上高を対2020年比8%の年平均成長率(CAGR)となる300億ユーロを目指すと発表した。これらには、新規ビジネスであるサスティナブル・モビリティ、スマートライフ事業の売上高68億ユーロが含まれるという。2017年から2020年にかけてはCAGR 7%の200億ユーロ超え、中国市場では倍増となる45億ユーロを達成するとしている。同社はすでに15億ユーロ規模のスマートライフ関連の受注を獲得しており、これらの売上高は2025年には42億ユーロに達すると見込んでいる。(2018年5月15日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
合計 | 1,093.1 | 1,152.3 | 1,021.5 |
売上に占める割合 (%) | 6.2 | 5.7 | 5.5 |
研究開発体制
-7,300名のエンジニアおよび技術者が、35カ所のR&Dセンターに在籍。
研究開発拠点
-同社は、横浜にシート、内装、クリーンモビリティ事業用の技術センターを開設したと発表した。同社は顧客との親密性と技術提携を強化し、自動車を通じたスマートライフやサスティナブル・モビリティのための技術開発を推進するとしている。新センターは日本の自動車メーカーとの関係強化により、未来のコックピットやパワートレイン電動化の技術革新をサポートするという。(2018年4月10日付プレスリリースより)
-同社は、2018年1月に米Silicon Valleyの技術センターでセミナーを開催し、イノベーション・エコシステムの強化は2018年の最優先課題とするビジョンを発表した。2日間のイベントには、未来のモビリティを創造するスタートアップや大学、技術者などを招待。自動車産業との間をつなぐとともに、新技術に関する意見交換などが行われたという。(2018年3月6日付プレスリリースより)
研究開発活動
企業コンセプト「Cockpit of the Future concept」への投資
-同社は、フランスの研究所のESP Consultingへの出資を発表した。ESP Consultingは、さまざまな状況で人間の健康とパフォーマンスを最適化するために認知科学を使用する研究所。今回の出資により、同社は疲労やストレスを軽減し、乗り物酔いしにくい快適なコックピットソリューションの開発を強化するという。(2018年12月19日付プレスリリースより)
-イスラエルのVayyar Imagingは、レーダーセンサーが同社の自動車用コックピットに採用されたと発表した。両社は製品の量産準備のため協業する予定で、技術統合により車内を常に監視し、利便性と安全性の向上を目指す。Vayyar独自の高解像度センサーは、デザインの美しさを損なうことなく、さまざまな場所に隠れていても客室全体をカバーするほど強力だという。(2018年10月2日付プレスリリースより)
-同社は、米スタートアップSubpacに投資し、個別化された、多用途でコネクテッドな「未来のコックピット」のためのFaureciaグループ内エコシステムを強化すると発表した。Silicon Valleyを拠点とするSubpacが開発したハードウェアとソフトウェアのプラットフォームは、低周波を人体に直接届けることで、イマーシブ(没入型)でカスタマイズされた音楽やメディア体験を提供する。Faureciaは、オーディオシステムの一部として、この技術をシートに統合する予定。また、Subpacプラットフォームは、運転者の安全向上にも貢献。ADAS(先進運転システム)の重要な要素として作用し、ドライバーとひそかに交信することで、道路や周りの環境へのより早い対応を実現するという。(2018年7月24日付プレスリリースより)
-同社は、シリコンバレーのスタートアップPowersphyrへの投資を発表した。Powersphyrは、自動車、消費者、産業市場に焦点を当てたワイヤレス充電ソリューションに特化した企業。サスティナブル・モビリティとスマートライフの実現に向けたイノベーション戦略の一環として投資を決定したという。(2018年5月9日付プレスリリースより)
その他の活動
-Mexico-Nowは、同社が技術的な自動車ソリューションに焦点を当てた新興企業を最大20社サポートするため、ビジネスアクセラレーターEmprenderockとメキシコの企業コーディネーター協議会 (Businesses Coordinator Council)と提携したと報じた。このパイロットプログラムでは、先進的な材料開発から環境影響緩和および安全性向上に至るまで、自動車用のプロジェクトに焦点を当てるとしている。プログラムの第1段階は既に始まっており、11月2日に終了する予定。Faureciaによると、最も有望なアイデアが5つ選ばれ、8,400ドルの投資とビジネススポンサーシップが得られるという。Faureciaは、これら新興企業の一部を長期的な生産チェーンの実際のプロジェクトに統合する計画。(2018年10月8日付 Mexico-Nowより)
-同社は、フランスのスタートアップのEnogiaへの出資を発表した。エネルギー回収技術の強化が狙い。Enogiaは2009年設立、従業員数30名でMarseilleに本拠を置く。熱を回収して電気に変換する密閉コンパクト高速タービンの開発を行う。Enogiaの技術は商用車、トラックおよび海上輸送や発電機などの高馬力エンジンに適しており、Faureciaはこれらの市場での成長を目指すという。(2018年3月16日付プレスリリースより)
技術提携
-HELLAは、同社と車内照明ソリューション開発で戦略的パートナーシップを結ぶと発表した。両社は照明とダイナミックライティングシステムの分野で共同開発し、よりドライバーの好みに合わせたコックピット環境の確立を目指すという。2018年パリ・モーターショーにおいて、両社は快適性を追求した全方位ライトをコックピットに統合したソリューションを出展した。(2018年11月21日付プレスリリースより)
-同社は、業界リーダー、新興企業、学術機関との提携を含むエコシステムを確立したと発表した。同社は2018年パリ・モーターショーに最新技術を出展する。Faureciaは、HELLAが開発した技術を、より快適でダイナミックで多目的な環境用アンビエントライトを製造するため、コックピットに統合した。両社はドライバーの情報と安全性を強化する自動運転用の照明機能開発に取り組んでいる。Faureciaはまた、ZFと共同でフロントおよびリアシートの安全性を高める新しいフレームのコンセプトモデル「Advanced Versatile Structure(AVS)」を開発した。さらに、STELIA Aerospace Compositesとタンク、フランスのスタートアップのAd-Ventaと水素供給を管理する高圧バルブシステム、French Alternative EnergiesおよびAtomic Energy Commissionらと燃料電池スタックなど研究・技術専門家などと総価値の80%に当たる3つの重要部品の高性能ソリューションを開発している。(2018年10月3日付プレスリリースより)
-Solvayは、Premium AEROTEC、Faurecia Clean Mobilityとともに熱可塑性複合材料の大量生産を可能にする材料およびプロセス技術の開発に焦点を当てた業界初の民間コンソーシアムIRG CosiMo(Industry Research Group: Composites for Sustainable Mobility)を発足したと発表した。成長著しい自動車および宇宙航空分野のコンポジットの採用、産業化に取り組む。Premium AEROTEC、Faurecia Clean Mobility、ITA AugsburgはドイツBavariaのCampus Carbon 4.0プログラムで予定されているプロジェクトコンソーシアムにも参画する。(2018年8月2日付プレスリリースより)
-同社は、第一汽車集団との戦略的提携に合意したと発表した。両社は共同で、紅旗ブランド車のコックピットソリューションおよびサービスを開発する予定。また、紅旗の産業デザインと同ブランドの感性品質についても協業する。そのほか、多目的な予測型コネクテッドシートソリューションの開発や、バッテリー、燃料電池システム、軽量化製品分野のゼロエミッション部品および大気環境改良技術の開発にも共同で取り組むという。(2018年6月11日付プレスリリースより)
-同社は、フランスの国立科学研究センター (CNRS) や国立情報学自動制御研究所 (Inria)、PSL大学、Amazon、Criteo、Facebook、Google、Microsoft、NAVER LABS、Nokia Bell Labs、PSA Group、SUEZ、Valeoと共同で、人工知能(AI) を研究する「PRAIRIE Institute」を仏パリに設立すると発表した。国際的な科学界が自由に活用できるAI基礎知識の発展、実用化に向けた具体的な問題の解決、AI分野におけるトレーニングへの貢献の3つを柱に、AI分野で世界のリーダーを目指すという。(2018年3月30日付プレスリリースより)
-同社は、アジア地域の大気汚染改善に向け、クリーン・エア・アジア (CAA) と提携すると発表した。クリーンな都市を実現するシステムを提供するとともに、そうしたシステムに対する産業界の認識を高めるのが目的。Faureciaは、環境マネージメントシステムやエコドライブ・排出ガス削減に関する専門技術を提供して、CAAの「クリーンな物流・運輸」計画をサポートするほか、都市レベルでの大気汚染削減に向け、企業や自治体などの取り組みも支援する予定。 (2018年3月7日付プレスリリースより)
-同社とAccentureは、先進モビリティ分野の開発で提携の了解覚書(MOU)を締結したと発表した。提携期間は5年で、両社の技術を統合し、コネクテッドカーや自動運転車の開発に共同で出資する。当初は、車内の乗員経験向上に向けた認識技術と、乗員の健康増進に向けたサービスの2分野に重点を置く。また、人工知能 (AI) や先端分析、拡張現実、バーチャルリアリティ、ブロックチェーン、量子計算といった技術を活用し、Faureciaのデジタル化を一層前進させるとしている。(2018年1月5日付プレスリリースより)
製品開発
Qtを採用したParrot Faureciaのデジタルコックピットサーバー
-同社グループ傘下のParrot Faurecia Automotiveは、次世代デジタルインストルメントクラスターのHMI技術にQtを採用したと発表した。Parrotは、Advanced Cockpit ServerにAndroid OSベースの車載インフォテインメントシステムとQtベースのHMI技術を搭載する。Qtのデバイス作成フレームワークとツールチェーンは、最新のクラスター機能やマルチOS統合のための豊富な機能を備えており、デザイナーのビジョンからターゲット実装までの迅速な反復開発を可能にするという。Advanced Cockpit Serverはオープンでスケーラブルかつ無線で簡単にアップグレードできる製品で、2019年下半期から欧州自動車メーカー向けに生産を開始する予定。(2018年12月17日付プレスリリースより)
CES 2018での展示製品
-同社は2019年1月開催のCES 2019に最新技術を出展すると発表した。同社はStelia Compositesとフランスの原子力・代替エネルギー庁(CEA)との提携により開発した商用車用ソリューション対応の燃料タンクおよび燃料電池スタック技術を出展する。また、車内にある様々な機能をスタイルに統合した「スマート・サーフェス」や、座席の乗員ごとに異なる音楽を聴けることを通じて快適な音響体験を実現する「ノイズキャンセル技術」、Mahleとの共同開発によるスマートで効率的な熱管理ソリューションも公開。さらにZFと開発した、自動運転車のすべてのシートポジションと向きで個々の快適性と安全性を最適化する新しいフロントシートおよびリヤシート構造を持つソリューションも発表予定。このほか、Accentureとの提携によって開発されたカメラ、センサー、人工知能を統合したエレクトロニクスシステムなども出展する。(2018年11月22日付プレスリリースより)
音声アシスタントシステム
-同社子会社のParrot Faurecia Automotiveは、インフォテインメント、ナビゲーション、シート機能を備えたシームレスな接続性と快適性を確保する音声アシスタントの最新技術をパリ・モーターショーに出展したと発表した。Parrot Faureciaは、同社のソフトウェア開発とエレクトロニクス設計における独自のノウハウと、Faureciaの内装システムを統合した音声起動のコックピット・デモンストレーターを発表した。オフラインとオンラインの両方の音声アシスタントを統合できるという。(2018年10月4日付プレスリリースより)
パリ・モーターショーでの展示製品
-同社はフランスParisで開催されるパリモーターショー2018で、2つの戦略的分野「Smart Life on Board」と「持続可能なモビリティ」をテーマに、最新技術を披露すると発表した。「Smart Life on Board」では、ZFと共同開発した「Advanced Versatile Seat Structure」を世界初公開。フロントとリアシート向けに新たなフレームコンセプトを開発し、すべてのシートに高い安全性を提供する。また、独自のイマーシブ(没入型)サウンド体験も世界初公開。革新的なサウンドサーフェスアクティベーション技術と先進ソフトウェアアルゴリズムを量産車に組み込み、スピーカーを使用することなくイマーシブサウンド体験を提供する。「持続的なモビリティ」では、システム統合における豊富な経験とStelia Composites、CEA、Ad-Ventaとの提携を活用し、燃料タンクと燃料セルスタック技術を小型・商用車向け包括的ソリューションに統合。また、ドライバーの運転を分析し、排出ガスを削減するために個別のアドバイスを与える「Clean Drive App」なども紹介する。(2018年9月17日付プレスリリースより)
SoCとハイパーバイザを採用したParrot Faureciaのマルチディスプレイ·コックピット
-ルネサスエレクトロニクスと車載用ハイパーバイザ市場をリードするOpenSynergyは、ルネサスのSoC「R-Car H3」とOpenSynergyのハイパーバイザ「COQOS Hypervisor SDK」が、Parrot Faurecia Automotiveのセーフ·マルチディスプレイ·コックピットに採用されたと発表した。R-Car H3上のCOQOS HypervisorゲストOSには、Androidの最新バージョンが搭載され、AndroidベースのIVI(車載インフォテインメント)と、メータなどの安全に関わるインスツルメント・クラスタ機能をLinuxベースで実行できる。COQOS Hypervisor SDKはR-Car H3のGPUをAndroidとLinuxで共有化してアプリケーションを複数のディプレイに自由に表示、多様で柔軟なコックピットシステムを実現する。(2018年9月12日付プレスリリースより)
IAA国際商用車ショーでの展示製品
-同社はドイツHanoverで開催されるIAA国際商用車ショーで、燃費や大気質を向上し、ゼロエミッションやドライバーの快適さを追求する最新技術を披露すると発表した。高圧タンク・スタックを最適化し、先進燃料電池技術の実用化を目指す同社は、Stelia Aerospace Compositesと提携し、軽量でコスト効率のよい350・700barの高圧水素タンクを開発中。IAAでは、NOxを最大99%除去できる、パワフルで重量を最適化したバス・トラック用NOx除去システム「ASDS」や、電子エネルギーを用いて排ガスを暖めて触媒を活性化する最先端の電熱触媒(EHC) 技術に加え、CARBやユーロ7といった新たな排ガス規制に準拠した超低NOX化技術も紹介する。(2018年8月30日付プレスリリースより)
自動運転向けディスプレイコンセプト
-ZFと同社は、ハンドルやペダルのないレベル4の自動運転向けディスプレイコンセプト「Trendsetting Cockpit」を開発したと発表した。柔軟性が高く、運転中の動作を簡略化するものという。小型商用車向けの同コンセプトは、手動運転時も含めて、ドライバーがフロントシートの左右どちら側に座るのかをセンターコンソールの制御レバーで選択できる。手動運転時には、制御レバーを利用して、アクセルやブレーキ、方向変更が指1本で行える。中央に配置されたタッチスクリーンで、ウィンカーやクラクション、ワイパーなどを左右どちら側からも操作可能。従来の操作や表示装置の代わりに、ダッシュボード上の左右に2つのモニターを統合した。(2018年6月26日付 プレスリリースより)
OpenSynergyのスケーラブルプラットフォームを組み込むParrot Faureciaの新型インフォテインメントシステム
-同社が戦略的投資を行うParrot Faurecia Automotiveは、パナソニック子会社のOpenSynergyとの提携を発表した。Parrot Faureciaの新型インフォテインメントシステム「8X00」をOpenSynergyのスケーラブルプラットフォーム「COQOS Hypervisor SDK」に組み込む。「8X00」は複数のオペレーションシステムを同時に実行し、安全機能とAndroidを効果的に分離することができるという。OpenSynergyはドイツに本拠を置き、次世代車両向けの車載ソフトウェア開発を専門とする企業で、ハイパーバイザーおよびBluetoothに特化した車両通信ソフトウェアなどを供給する。(2018年6月19日付プレスリリースより)
Hannover Messeでの展示製品
-同社は、ドイツで開催される国際産業技術見本市「Hannover Messe」で、燃料電池技術を披露すると発表した。自動車産業のゼロエミッション・モビリティへの進化をサポートするものという。同社は、自動車産業向け燃料電池技術の向上と産業化に向け、高圧水素貯蔵タンクとスタックを最適化。システム統合における幅広い経験を活かし、貯蔵・圧力制御と燃料電池スタックを包括的なソリューションに統合した。メッセには、高圧水素貯蔵システムと燃料電池スタックが出品される予定。(2018年4月19日付プレスリリースより)
部門別設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
シート | 218.5 | 219.5 | 179.1 |
内装システム | 224.7 | 262.3 | 224.0 |
クリーンモビリティ | 204.2 | 240.4 | 215.9 |
その他 | 25.4 | 21.6 | 49.6 |
合計 | 672.8 | 743.8 | 668.6 |
地域別設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
フランス | 99.7 | 114.8 | 112.2 |
ドイツ | 22.5 | 37.8 | 28.9 |
その他欧州 | 211.3 | 206.2 | 190.5 |
北米 | 166.8 | 177.4 | 148.2 |
南米 | 14.9 | 18.7 | 18.4 |
アジア | 154.8 | 177.1 | 165.9 |
その他 | 2.8 | 11.8 | 4.5 |
合計 | 672.8 | 743.8 | 668.6 |
海外投資
<日本>
-同社は、神奈川県大和市に新工場を開設すると発表した。これまで日本国内では、日系部品メーカーとの合弁会社で一部製品を生産していたが、同社単独での国内生産拠点は今回が初めて。投資額は12億7千万円。2020年4月に稼働し、日系自動車メーカーから受注した触媒コンバーターを生産する。同社は10月26日に日系メーカーとの関係が深いクラリオンの子会社化を発表。日系メーカー向けの事業拡大を加速させる。新工場は、排ガス部品やサーマルマネジメントシステム、電気自動車用・燃料電池車用部品で構成するクリーンモビリティ事業向けの拠点。敷地面積は約7千平方メートル。従業員は120人を予定する。350平方メートル超のソーラーパネルを設ける。(2018年11月24日付日刊自動車新聞より)
<米国>
-同社のInterior Systems事業部は、米国テネシー州Spring Hillに30百万ドルを投じて工場を新設すると発表した。145,000平方メートルの新工場ではドアパネルAssyを製造する予定。(2018年8月28日付 Tennessee Department of Economic Developmentプレスリリースより)
-同社グループ傘下で米ミシガン州Auburn Hillsに本拠を置くFaurecia Interiorsが11百万ドルを投じてオハイオ州Toledo に73,000平方フィートの生産工場を新設すると発表した。新工場は2019年4月に生産を開始し、数カ月以内にフル稼働する予定。このプロジェクトは州および地域レベルでの最終承認を条件としている。Toledo にあるFCAのJeepの工場に近接する新工場では、最新技術を駆使してインストルメントパネルを製造する。Faurecia Interiorsの2017年の売上高は53億ドルで、カナダ、メキシコ、米国50カ所の拠点に約20,000名の従業員が従事している。(2018年7月12日付プレスリリースより)
<インド>
-同社は、グループ傘下のFaurecia Interior SystemsがインドAndhra Pradesh州AmmavarupalliのKia Motors IndiaのVendor Parkに工場を新設すると発表した。500百万ルピーを投じて新設される工場は広さ15,000平方メートルで、400名の雇用を見込む。2019年第1四半期の操業を予定しており、Kia Mobis向けインストルメントパネルを日産1,000個製造する計画。(Based on press release from Faurecia)
<韓国>
-同社は2018年5月25日、韓国の京畿道との間で「京畿道-Faurecia追加投資協定」を締結した。同協定に基づきFaurecia Koreaは、華城長安外国人投資専用団地に約600万ドルを投資し、9,685平方メートル規模の生産設備を増設する。2019年までに商用車排ガス低減技術製品の生産システムを構築する計画。(2018年5月26日付各種リリースより)
<メキシコ>
-同社は、メキシコGuanajuato州San Jose Iturbideに86.2百万ドルを投じてメキシコ15番目の工場を開設したと発表した。広さ110,000平方メートルの施設で、GMおよびFCA向け排気システムを製造する。2016年9月着工、第1フェーズの操業は2017年11月に開始している。2018年末にフル稼働する予定。(2018年3月16日付 Mexico-Nowより)