現代自動車:2025-26年にEV 年販100万台を目指す
自動運転・ロボットなど先端技術に投資、Purpose Built Vehicle(PBV)市場に参入
2021/08/05
- 要約
- 現代自:自動車メーカーからモビリティソリューション企業に変革
- E-GMPベースで多様なEVを投入
- 空飛ぶクルマ市場に参入、ロボット、自動運転に取り組む
- 現代自の燃料電池車戦略
- 起亜自:EV、Purpose Built Vehicles(PBV)とモビリティに注力、社名・ロゴも変更
- 現代自グループ:2020年代は長期的に業績低迷
- LMC Automotive販売予測: 現代自グループの2024年販売は850万台
要約
現代自動車グループの現代自と起亜自は、2020年後半から2021年初めにかけて、自動車業界のパラダイムシフトに合わせて、戦略の方向性を大幅に修正すると発表した。現代自グループを、自動車メーカーから“Smart Mobility Solution Provider”へ変革させるとしている。
特に強化するのはEV分野で、現代・Genesis・起亜ブランドで共有するE-GMP(Electric-Global Modular Platform)を開発。現代自の同プラットフォームベース第1号モデルとなるIONIQ 5を、2021年に韓国、欧州、米国市場に投入する。起亜自は、2022年にEV6を米国市場に投入する。現代自グループとして、2025~2026年までにEV 23モデルを投入し、年間100万台強を販売する計画(現代自は2025年までに12モデルで56万台販売、起亜自は2026年までに11モデルで50万台販売)。
現代自は、2020~2025年の6年間に60.1兆ウォンを投資し、2025年自動車部門の営業利益率8%を目指している(2020年の実績は3.2%)。
EV分野の強化に加えて、現代自はCES 2020で紹介した空飛ぶクルマ(Urban Air Mobility:UAM)市場に参入する。さらに、自動運転、ロボット技術で専門メーカーと提携、燃料電池にも注力し、車以外に船舶、電車、UAMなど幅広い分野での活用を目指す。
起亜自も、EVとPurpose Built Vehicle(PBV)を中心に事業を再編する。PBVは、ロジスティクス・配送での変化に着目し、現在はユーザーが車を購入後に用途に応じて行っている改装や架装を取り込んで効率化し、自動車メーカーが多様な用途に応じた車両ラインアップを揃えて提供するという発想。PBV市場は現在、世界需要の5%に過ぎないが2030年には25%に達すると見ており、起亜自は同年に100万台のPBVを販売して、世界NO. 1の地位を確立するとしている。
起亜自は2025年までの6年間に29兆ウォンを投資して、既存分野の強化と新事業への参入を図る計画。社名を“Kia Motors Corporation”から“Motors”を外して“Kia Corporation.”に変更し、新しいロゴも作成した。
E-GMPベースで開発した現代自のIONIQ 5(左)と起亜自のEV6(右) |
(出典:現代自動車、起亜自動車)
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