マレーシア: 2014年の販売見通しは2.2%増の67万台
新たな国家自動車政策を発表、東南アジアにおける省エネルギー車の生産拠点化へ
2014/02/18
- 要 約
- 2013年の販売台数は65.6万台、生産台数は60.1万台で、ともに過去最高
- マレーシアの乗用車生産:2013年はホンダと日産が生産拡大、三菱が現地生産を開始
- 新たな国家自動車政策 (2014年1月発表)
- Proton:コングロマリットDRB-HICOM の傘下へ、ホンダとも協業
- Perodua:Viva, Alza, Myviの廉価版を投入
- 日本メーカー:トヨタ、ホンダ、日産、三菱、マツダ、スズキ、いすゞの動き
- 他の外資メーカー:BMW, VW, Peugeot, Volvo Car, Ford, Kia, Tataの動向
- LMC Automotive 生産予測:マレーシアの生産台数は2017年に69.5万台へ
要 約
マレーシアの2013年の自動車販売台数は前年比4.5%増の65.6万台、生産台数は5.6%増の60.1万台で、いずれも過去最高を記録。マレーシア自動車協会 (MAA) は、世界経済の回復と国内経済の成長を背景に、2014年の販売も67万台に伸びると予測している。しかし、インフレや融資規制の強化の影響により、伸び率は2.2%と鈍化する見込み。
マレーシア政府は2014年1月に新たな国家自動車政策を発表した。2020年に乗用車の生産台数を125万台、輸出を25万台とする目標を設定。マレーシアを東南アジアにおける省エネルギー車の生産拠点とする計画や自動車価格の引き下げ方針を示した。
生産能力拡充の動きでは、2014年中にPerodua、マツダ、日野が新工場を稼働する計画。ホンダは既存工場にラインを増設し、日産車を生産する現地組立メーカーのTan Chongは既存工場に新設備を導入して、生産能力を引き上げる。
国民車メーカーのProtonは2012年4月にコングロマリットのDRB-HICOMの傘下に入り、経営を立て直している。2013年末にはホンダと協業で、公用車用セダンの新型車を投入した。また、2013年に量販小型車のSagaやPersonaの廉価版を発売。Peroduaも、販売する全3モデルの廉価版を投入して、販売拡大を図っている。
外資メーカー各社は、好調なマレーシア市場に積極的に新型車を投入。輸入乗用車には75~105%の物品税が課されるため、現地組立メーカーと提携して現地生産の拡大にも努めている。
LMC Automotive社は2013年12月時点では、マレーシア市場について以下のように予測している。マレーシアの2013年のlight vehicle販売は前年比3.3%増の644,800台。「2014年は、家計消費は引き続き増加するが、物価上昇、補助金削減による燃料費高騰、金利コストの増加等により、その伸び率は低下する。政府消費と民間需要の伸びが減速する一方、輸出は堅調に推移するだろう。」その結果、2014年のlight vehicle販売は5.9%増の682,800台となる見込み。LMCA社の予測によると、2015年以降も販売は引き続き増加し、2017年には753,900台に達する見通し。ただし、米連邦準備制度理事会 (FRB) の量的金融緩和の縮小により、株価と為替の動きが不安定となり、新興国市場に対するリスクが増大していることは不安要因である。
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