日本のHV/EV用電池メーカー:各社が国内で増産、海外生産も開始

日本4社とGM、Fordのリチウムイオン電池搭載車拡大に対応

2012/10/29

要 約

eQ
2012年12月以降に発売するトヨタ "eQ"、パナソニック製12kWhの
リチウムイオン電池を搭載し、世界最高「電費」104Wh/kmを実現した

以下は、日本のHV/EV用電池メーカー(以下車載用電池メーカーと呼ぶ)の開発・生産・供給の状況と、今後の計画の概要である。なお、リチウムイオン電池を使用するアイドリングストップ用電池も含めた。

 2012年現在、電動車両の販売台数はニッケル水素電池を搭載するトヨタとホンダのHV(Hybrid electric vehicle)が中心であり、トヨタが80.5%出資するプライムアースEVエナジーは、ニッケル水素電池を中心に2012年9月に累計生産500万台分を達成した。

 2011年末まで、日本自動車メーカーが販売するリチウムイオン電池搭載車は6車種(注)であったが、2012年から国内外の自動車メーカーが、リチウムイオン電池を搭載するHV、EV(Electric vehicle)、PHV(Plug-in hybrid electric vehicle)を相次いで発売していく。

 これに対応し、車載用電池メーカー各社が設備増強を進めており、リチウムエナジージャパンとブルーエナジーが、設備を大幅増強する。

 さらに海外での生産も開始される。日産は2012年末から米国と英国でリチウムイオン電池を量産する。日立ビークルエナジーは、米国で電池モジュールの生産を計画している。パナソニックはスロバキアでニッケル水素電池を生産する。

 トヨタとホンダは、米国と中国で、電池やモーターなど基幹部品を含め、EV/HVを現地生産する計画を発表している。パナソニックは、中国で車載用電池生産を検討している。今後、海外の顧客と緊密に連携しながら開発・生産することが必要となり、また円高の影響を避けるため、電池を含む電動車両の基幹部品の海外生産が増加する見込み。

 車載用電池分野に新たに参入するメーカーとしては、エリーパワー(スズキと提携する)、IHI(提携する米国のA123 Systemsは破産法適用を申請したが、自動車用電池部門はJohnson Controlsに引き継がれる)、村田製作所(エナックスから技術を導入済み)、ソニーなどが発表または報道されている。

 なお、現在電動車両を発売しているトヨタ、日産、ホンダ、三菱自動車は、それぞれ出資する電池メーカーを抱えているが、自社系列外の電池メーカーからも調達している。コストを低減し、また車種の特性に合わせた電池を選定する狙いとされる。


 (注)6車種は、三菱i-MiEV/MINICAB MiEV、日産Leaf、Fuga、ホンダCivic(販売は海外のみ)、トヨタPriusα(3列シート車)の6車種。


関連レポート:
トヨタグループのHV/EV計画(2012年8月掲載)
日産、ホンダ、三菱自、スズキのEV/HV/PHV投入計画(2012年9月掲載)

車載用電池メーカーの、国内・海外での主要な増産計画

時期 概要
国内 LEJ 2013年春  栗東工場第二期工事が完了し、LEJ全社で三菱 i-MiEV換算で年間約15万台分の生産能力を構築する。
ブルーエナジー 2012年秋  ホンダAccord HV/PHVの発売に備え、京都府長田野工場の生産能力を、年500万セルから1,500万セルに3倍増する。
海外 日産 2012年10月  米国Smyrna工場で、リチウムイオン電池を最大年20万台分生産する。
2012年末  英国Sunderland工場で、リチウムイオン電池を最大年6万台分生産する。
日立ビークル
エナジー
2012年11月
から試作
 米国ケンタッキー州Harrodsburg工場で、リチウムイオン電池モジュールの生産を開始する。GMのeAssist搭載車と日産のFF車HVに供給するとされる。
パナソニック (早ければ)
2012年秋
 2012年秋にも、スロバキアの工場で、ニッケル水素電池を生産し、VWグループに供給する(セルは日本から輸送し、現地で完成品にする)。
検討中  パナソニックは、既に中国の3工場で民生用リチウムイオン電池を生産している。車載用電池の生産を検討中とされる。

(注)LEJ:リチウムエナジージャパン(GSユアサが51%、三菱自動車が4.4%出資)、ブルーエナジー:(GSユアサが51%、ホンダが49%出資)、日立ビークルエナジー(日立製作所が65%出資)。

日本自動車メーカー4社とGM/Fordは、リチウムイオン電池を複数社から調達

トヨタ 車両 Prius α Prius PHV EV "eQ"
電池調達先 PEVE/パナソニック パナソニック パナソニック
日産 車両 Leaf Fuga/Cima HV 前輪駆動HV
電池調達先 AESC AESC 日立ビークルエナジー
ホンダ 車両 Civic HV Fit EV CR-Z HV Accord HV/PHV
電池調達先 ブルーエナジー 東芝 ブルーエナジー ブルーエナジー
三菱自動車 車両 i-MiEV MINICAB-MiEV MINICAB MiEV TRUCK
電池調達先 LEJ/東芝 LEJ/東芝 東芝
GM 車両 Chevrolet Volt eAssist搭載車 Chevrolet Spark EV
電池調達先 LG Chem 日立ビークルエナジー A123 Systems
Ford 車両 Focus EV C-Max HV/PHV Fusion HV/PHV Lincoln MKZ HV
電池調達先 LG Chem パナソニック パナソニック パナソニック

(注)PEVE:プライムアースEVエナジー(トヨタが80.5%出資)、AESC:オートモーティブエナジーサプライ(日産が51%出資)。



プライムアースEVエナジー:2012年9月に、累計生産台数500万台分を達成

 プライムアースEVエナジー(PEVE)は、2011年8月にPriusαの2列シート車用ニッケル水素電池および3列シート車に搭載するリチウムイオン電池のフル生産を開始した。2011年11月に、小型HV "Aqua"向けニッケル水素電池の生産を開始した。

 PEVEは世界最大の車載用電池メーカーで、2011年11月に累計生産400万台分、2012年9月に500万台分を達成した。

 



パナソニック:海外のFord、Tesla Motors、VWグループにも供給

 パナソニックは、三洋電機を統合して車載用電池事業を強化し、現在トヨタ、Ford、Tesla Motors、VWグループにリチウムイオン電池を、ホンダにニッケル水素電池を供給している。

パナソニック:トヨタPrius PHV、EV "eQ"に供給

トヨタのPrius PHVと
eQに供給
 パナソニックは、トヨタが2012年1月に発売したPrius PHV、12月以降に発売するEV "eQ"に、旧三洋電機が開発したリチウムイオン電池を供給する。HVには出力型の電池が求められるが、PHV/EVには容量型の電池が必要で、この面に優れる旧三洋電機の電池をベースに開発した。
 Prius PHVにリチウムイオン電池を供給。容量4.4kWh、一充電走行距離は24.4~26.4km、PHV複合燃料消費率は57.2~61.0km/L(JC08モード)。
 EV "eQ"に搭載される電池は、容量 12kWhと小型だが、世界最高の「電費」104Wh/kmを実現。一充電走行距離100km、最高速度125km/h、またAC200Vで約3時間という短時間で満充電が可能。

 

Ford/Tesla Motorsにリチウムイオン電池を供給

Fordの4車種  パナソニックは、2012年秋~2013年初めに米国のFordが発売する、HV 2車種(FusionとC-Max)およびPHV 2車種(Fusion EnergiとC-Max Energi)合計4車種に、角型リチウムイオン電池を供給する。電池は、輸送時の効率と信頼性の向上のため、電池スタック(複数電池の集合体)形状で供給する。
 Fordには、旧三洋電機が2004年からFord Escape HVにニッケル水素電池を供給し、その後Ford Fusion/Lincoln MKZ HVにも同電池を供給してきた。
Tesla Motorsの
Model S
 パナソニックは、米国のTesla Motorsの最初のモデル "Roadster"に続き、2番目のモデル "Model S"に、前モデルと同じ18650型リチウムイオン電池を4年間で8万台分以上供給する(2011年10月発表)。Model Sに搭載する電池は、Roadster搭載品に比べエネルギー密度を約3割高めた。パナソニックは2009年に、Tesla Motorsに30百万ドルを出資している。

 

VWグループに供給、スロバキアでニッケル水素電池を生産

AudiのHVに供給  パナソニック(旧三洋電機部門)は、Audiが2011年末から2012年に発売したQ5/A8/A6 Hybridに、容量1.3kWhのリチウムイオン電池を供給している。3車種のHVは、リチウムイオン電池、2000cc直噴ターボエンジン、33kWのモーターという共通のHVシステムを搭載する。
スロバキアでニッケル水素電池を生産  パナソニックは、早ければ2012年秋にも、スロバキアの首都Bratislava市(VWの完成車工場がある)に新工場を建設し、HV用ニッケル水素電池を生産してVWグループのVW Touareg、Porsche Cayenne、Porsche PanameraのHVに供給する。パナソニックにとって、初の電動車両用電池海外生産となる。 パナソニックは、VWのHVに旧三洋電機が開発したニッケル水素電池を供給してきた。
 当初は、セルを国内で生産して輸出し、現地工場でセルに制御回路や電装部品を組み付けて完成させる。これまでは、技術流出を防ぐ狙いもあり国内工場で集中生産してきたが、電池の設計などで取引先と緊密な連携をとる必要があり、海外生産に踏み切るとされる。
パナソニック:VWグループのSEATとEV用リチウムイオン電池を共同開発
SEATのEV向けに
開発
 2011年11月、パナソニック(旧三洋電機)、スペインのSEAT、スペインの部品メーカーFicosaの3社は、SEATが開発し1~2年後をめどに発売するEVに搭載するリチウムイオン電池を共同開発することで合意した。パナソニックが電池セルおよびパック生産を担当し、Ficosaがバルセロナの同社工場で最終の組立を行う。

 

車載用リチウムイオン電池の中国生産を検討

民生用リチウムイオン
電池を増産
 パナソニックは2012年7月に、中国蘇州工場のリチウムイオン電池新工場竣工式を行った。民生用リチウムイオン電池、各種電池パック等を生産する。既存の無錫、北京工場も強化し、民生用リチウムイオン電池の中国での世界生産比率を、2011年度の2割から2013年度に50%に高める計画。
車載用電池の
生産も検討
 これまでは、より付加価値の高いHV用など電動車両用電池については、今後も国内生産を重視するとされていた。しかし、取引先のトヨタやVWが、HV/EVの中国での現地生産を表明しており、中国での現地生産を検討中。早ければ2014年にも生産を開始する計画とされる(2012年1月の報道)。

 

 



日産:2012年末に、米英両国でリチウムイオン電池の生産を開始

 日産は米国Smyrna工場で、2012年10月からLeafに搭載するリチウムイオン電池の生産を開始(最大20万台分の能力を構築)、12月からEV Leafを生産する(年間最大15万台)。日産は、DOEからの低利融資14億ドルを含め、総額16億ドルを投資する。

 日産Leafの米国販売台数(2011年9,674台、2012年1~9月5,212台)からすると強気の数字だが、日産は「中長期的展望」に基づく投資だとしている。また、これまでは日本からの出荷のみであり、円高の影響を最小化するためLeaf輸出車の生産を抑えてきたこともあり、現地生産による効果を期待している。

 英国Sunderland工場では、2012年末にリチウムイオン電池の生産を開始して(年産能力6万台分)日産とRenaultに供給し、2013年2月にLeafの生産(年産能力5万台)を開始する。総投資額は420百万ポンド(約546億円)で、European Investment Bankから220百万ユーロの低利融資を受けている。

 

NEC:EVの走行距離を30%延ばす電極と電解液を開発

 NECは、EVの走行距離を30%延ばすことが可能な正極と電解液を開発した。2年以内に実用化し、日産と合弁のオートモーティブ・エナジー・サプライに供給する。

 新開発の電極は、GSユアサにも供給する。

正極材料  従来のスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)の一部をニッケルに置換したLi(Ni0.5Mn1.5)O4を採用することで、3.8Vから4.5Vへの高電圧化が可能になり、その結果エネルギー密度を約150Wh/kgから200Wh/kgに高めることができた。現行EVの走行距離が200kmとすると、電池重量が同じ場合、走行距離を260kmへ30%延長することが可能。
電解液  開発した正極材料に従来のカーボネート系の溶媒を組み合わせると、電圧が高すぎて電解液の酸化分解が起こり、電池の寿命が低下する。このため、NECはフッ素化溶媒を開発し、酸化分解を抑制することに成功した。

 

 



日立ビークルエナジー:米国でリチウムイオン電池モジュールを生産

 

米国工場で電池
モジュールを生産
 日立ビークルエナジーは、米国ケンタッキー州Harrodsburgの日立オートモティブシステム工場敷地内に新工場棟を建設し、リチウムイオン電池モジュール生産用のラインを導入。2012年11月から試作を開始する。電池セルは当面日本から輸出するが、海外での生産も検討する。
 日立ビークルエナジーのリチウムイオン電池は、PHV向けも開発しているが、HV向けが中心。GMが2011年以降Buick LaCrosse/RegalとChevrolet Malibuに設定したマイルドHVシステム "eAssist"にリチウムイオン電池を供給している。また日産が2013年に米国で発売するFF車HVに搭載するリチウムイオン電池も、Harrodsburg工場から出荷するとされる(下記ご参照ください)。
日産FF車HVシステム  日産は、2013年に米国で発売するFF車HVのAltima、Pathfinderなどに、日立製リチウムイオン電池を採用する。日産は、EV Leafや後輪駆動HVのFuga(Infiniti M)/Cimaにはオートモーティブ・エナジー・サプライから調達しているが、調達先を多様化してコスト低減とリスク分散を図るとされる。
 日立が新たに日産に供給するリチウムイオン電池は、出力密度を4,500W/kgに高めた第4世代品であろうと報道されている(GMに供給している電池は第3世代品で出力密度は3,000W/kg)。

 

 



リチウムエナジージャパン:2013年春に、i-MiEV年約15万台分の生産能力を構築

 リチウムエナジージャパン(GSユアサ、三菱自動車、三菱商事が出資)は、2012年3月に栗東工場第一期工事が完了し、三菱i-MiEV 5万台分の生産能力を構築、2013年春に第二期工事が完了しi-MiEV 年7.5万台分の生産能力を構築する。既存の草津、京都工場分を含めLEV50電池に換算して約1,250万セル(約15万台分)となり、世界最大級の生産能力を構築する。

 国内外の自動車メーカーのEV、PHV向けに供給するとしている。

草津工場(滋賀県) 京都工場 栗東工場(滋賀県)
(第一期)
栗東工場(第二期)
年間最大生産能力
(i-MiEV換算台数)
6,800台 11,000台 50,000台 75,000台
設備投資額 約75億円 約67億円 約375億円 約300億円
出荷開始 2009年6月 2010年12月 2012年3月 2013年春

(注)LEJがリチウムイオン電池を供給する三菱自動車は、2012年度に軽トラックEVとOutlander PHVを発売、さらに2014~2016年度に7車種の電動車両を発売する。LEJは、三菱自動車以外の自動車メーカーからも受注したとされる。

 

 



ブルーエナジー:ホンダAccord HV/PHV投入に合わせて、生産を3倍増

 ホンダとGSユアサが2009年4月に共同で設立した(株)ブルーエナジーは、京都府福知山市に長田野工場を建設し、2011年2月に、米国で販売するCivic HV向けリチウムイオン電池の生産を開始した。

 設備を増強して、2012年秋~2013年初めにホンダが米国で発売する新型Accord HV/PHVに供給する。

長田野工場を増強  ブルーエナジーの京都府長田野工場は、米国で販売するCivic HV向けにリチウムイオン電池年500万セル(12.5万台分)を生産している。Accord HV、PHVの生産開始に合わせて、2012年秋に約100億円を投じて2本の生産ラインを新設し、従来の3倍、年間1,500万セルを生産する。
CR-Zに供給  2012年9月、ホンダは国内で販売するCR-Zをマイナーチェンジし、その一環として従来のニッケル水素電池に替わりリチウムイオン電池を採用、電池パックの出力電圧を、従来の100Vから144Vに高め、モーターの出力も10kWから15kWに高めた。
 新型CR-Zでは、エンジンとモーターの回転を瞬時に引き上げて力強い加速を実現する「PLUS SPORTシステム」を設定した。従来のニッケル水素電池では容量が不足するため、充放電特性に優れるリチウムイオン電池を採用した。 またJC08燃費(CVT車)は、22.8km/Lから23.0km/Lに向上した。

 

 



東芝:ホンダFit EV、三菱自i-MiEV/MINICAB MiEVにリチウムイオン電池を供給

東芝:ホンダのEVと電動バイクに供給

ホンダ電動バイク
"EV-neo"
 2011年4月に一般顧客へのリース販売を開始したホンダの電動バイク "EV-neo"に、東芝のリチウムイオン電池SCiBの長寿命性能と急速充電性能が評価され採用された。1充電走行距離は34km(平地を30km/hで定速走行した場合)。
ホンダ Fit EV  東芝は、ホンダのFit EVへ容量20kWhのリチウムイオン電池を供給している。ホンダは、Fit EVを2012年6月に米国で、8月に国内で限定したユーザーへリース販売を開始し、日本で2年間に200台、米国で3年間に1,100台のリース販売を計画。
 日本・米国とも、その時点で最高の電費性能を達成した(米国では、交流電力消費率(電費)29kWh/100マイル、ガソリン等価換算燃費118MPG-e)。
ホンダのスマート
コミュニティ計画に
参画
 東芝は、ホンダがさいたま市で実施しているスマートホームシステムの実証実験に参画する(2012年9月発表)。両社のエネルギーマネジメントシステムを導入し、スマートホームでのエネルギー最適化を目指す。EVに搭載したSCiBのリユースも検討する。
デンソーの
アイドリングストップ
用電池パック
 デンソーは、東芝のリチウムイオン電池を活用したアイドリングストップ車用「電池パック」を開発。スズキは、この電池パックを2012年9月に発売したWagon Rに搭載した。電池パックは、電池セル、バッテリーマネジメントユニット、電源切り替えスイッチで構成する。また、特別な冷却装置を必要としない自然空冷方式を採用し、小型・軽量化(200mm×178mm×70mm、2.5kg)した。
 通常の鉛電池とリチウムイオン電池の2個の電池を使用する。リチウムイオン電池は、鉛電池に比べて短時間により多くの電力を充電することができる。回生し充電した電力を各電気機器に供給することで、オルタネーター(エンジンの動力により作動させる)による発電を抑制し、車両燃費向上に貢献する。

 

三菱 i-MiEVとMINICAB-MiEVは、それぞれLEJと東芝の電池を搭載

i-MiEV MINICAB-MiEV MINICAB MiEV
TRUCK
Mグレード Gグレード CD 10.5kWh CD 16.0kWh
発売時期 2011年7月 同 8月 2011年11月 2013年初め
総電力量 10.5kWh 16.0kWh 10.5kWh 16.0kWh 10.5kWh
JC08モード走行距離 120km 180km 100km 150km 110km
電池メーカー 東芝 LEJ 東芝 LEJ 東芝
実質購入負担額 188万円 284万円 173万円 202万円 未発表

資料:三菱自動車Online catalog(2012年10月中旬時点)
(注)2013年初めに発売するMINICAB MiEV TRUCKは、短距離のニーズが中心と見て、総電力量10.5kWhの東芝製電池のみを設定する(16.0kWhの電池のニーズが高ければ、再検討するとしている)。

 



三菱重工:定置用、移動体用両面で顧客を開拓

 三菱重工は、定置用50型(公称容量50Ah、最大電流300A)、移動体用の40型(40Ah、500A)、小型の20型(20Ah、300A)のリチウムイオン電池 "MLiX"を開発した。顧客開拓を進めており、定置用では、2011年12月に、出力100kW、容量60kWhと建物内設置用としては国内最大級のリチウムイオン電池を清水建設の技術研究所に納入した。

 また移動体用電池では、2012年6月にカナダ・マニトバ州での電気バス実証車両にMLiXを供給、また7月に米国コロラド州で開催された「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム 2012」に参戦するTeam APEVのEVレーシングカーにMLiXを提供した.

 



エリーパワー:スズキと提携し、車載用リチウムイオン電池に進出

スズキがエリー
パワーに出資
 スズキは2012年4月、リチウムイオン電池メーカー「エリーパワー」の第三者割当増資に応じて、10億円を出資した。スズキの出資を受け、両社はEV向け電池の共同開発を始めると発表し、エリーパワーの大津市の開発センターに共同開発の拠点を設けた。
両社で共同開発  2012年6月、エリーパワーの川崎新工場が完成し、セル生産能力は、隣接する既存工場の20万セルと合わせて120万セルに拡大した。エリーパワーは、主にオフィスや住宅用大型リチウムイオン電池を生産するが、同社のリチウムイオン電池は車載用途にも向くとして、スズキの出資を契機に開発・実証実験などでのノウハウを蓄積し2014年にも商品化を目指す。

 

 



IHI:定置用途及び車載用途で日本市場を開拓

 IHIは、2009年11月に米国のリチウムイオン電池メーカーA123 Systemsと提携した。2011年に25百万ドル出資し、同時に技術ライセンス契約を締結、2012年から産業用途向け電池パックの生産を開始した(セルはA123 Systemsが供給)。3月に都内の消防署33カ所へリチウムイオン蓄電システム83台を納入した。

 車載電池分野へも進出を目指し、既に大型商用車メーカーにサンプル出荷しており、2015年にリチウムイオン電池事業で300億円の売上を目指す。

 提携するA123 Systemsは、2012年10月、デラウエア州破産裁判所に米国Bankruptcy CodeのChapter 11適用を申請した。A123 Systemsは、全ての自動車部門の資産を(裁判所の承認を得て)Johnson Controlsに125百万ドルで売却する。従って、IHIとA123 Systemsの契約はJohnson Controlsに引き継がれる見込み。

 



村田製作所:2013年度にも、リチウムイオン電池の生産を開始

 村田製作所は、2006年にエナックスからリチウムイオン電池に関する技術供与を受けることで合意。これまで野洲事業所に設けた少量生産の試作ラインで開発を行ってきた。2013年にも、車載用途および蓄電用途の需要を想定し、高容量のラミネート型セルの生産を開始する。数年内の新工場建設を視野に、量産技術の確立を目指す。

 

参考資料:各社プレスリリースと各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>