トヨタグループのHV/EV計画:2012年上期トヨタ国内販売の4割がHV

HVシステムをさらに小型・軽量化、高効率化、低コスト化し、拡販を目指す

2012/08/30

要 約

 本レポートは、トヨタグループ各社(トヨタからHV技術の供与を受けるマツダを含めた)のHV(Hybrid electric vehicle)、PHV(Plug-in hybrid electric vehicle)、EV(Electric vehicle)導入計画概要を報告する。

 トヨタのHV販売は、2011年5月に発売したPrius α、12月末に発売したAqua(アクア)が貢献し、急増している。2012年に入りトヨタの世界販売のうち約15%がHVとなった。また2012年上期実績では、トヨタ国内販売の4割がHVとなった(2011年実績は26.6%)。

 AquaのHVシステムは、3代目Priusに比べ42kg軽量化するなど、3代目PriusのHVシステムをフルモデルチェンジしたほどの進化を遂げたとしている。今後もHVシステムの小型・軽量化、高効率、低コスト化を追求し、さらなるHV販売の拡大を目指す。

 また、2014年にも投入される次期型Priusは、2012年Detroit motor showに出展したコンセプトNS4の、低重心でエモーショナルなデザインを採用するとされる。

 高効率を追求したモデルとして、2012年3月のGeneva motor showに、空車重量786kg、2気筒1.0LエンジンとHVシステムを搭載し、燃費2.1L/100km(47.6km/L)を実現したBセグメントのコンセプトFT-Bhを出展した。HVがさらに普及すると考えられる2010年代後半を想定したコンセプトで、商品化する可能性が高いとされている。

 PHVについては、2012年1月にPrius PHVを発売した。トヨタはPHVをHVに次ぐ環境対応の基幹技術として普及させる計画。HVと同様に搭載車種を拡大する。

 EVについては、2012年にTesla Motorsと共同開発したRAV4 EVを米国California州で発売。日米欧市場でiQベースEVのリース販売を開始する。

 また海外での販売増加に伴い、HV/EVの海外での生産を拡充する。既に海外8カ国でHV/EVを生産しているが、2015年をめどに、米国と中国で基幹部品を含めた現地一貫生産を計画している。

 なお、富士重工は2013年にXVとImpreza G4のHVを投入する見込み。ダイハツはトヨタCamry HVのOEM供給を受けAltisの車名で発売した。マツダは、2012年10月にDemio EVを発売、2013年にトヨタから技術供与を受けるHVを発売する。


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